「あー…あー…はぁ、声戻った。」
「よかったわぁ…んで、いつ吐いたん?」
「えっと…夜中、くらい。」
康二兄さんに隠し事は不可能なため、素直に話す。
「誕生会のときは?体調悪かったん?」
「いや、寧ろよかった。…から、久々に固形物食べたからかな…って…」
「…成程な。」
「あ、っ…みんなのせいとかじゃなくてっ、その、えっと…」
「ははっ、分かっとるよ。」
そう言って康二兄さんは頭をわしゃわしゃと撫でてくれた。
「他に悪いとこない?」
「うん。大丈夫。」
「分かった。俺ら今日休みやから何かあったら遠慮なく言ってなー」
「うん。」
「じゃあ俺2人にも言ってくるからー…多分今日涼太くん1人の時間ないな…」
「え?」
「や、何も。ほな後でなー!」
気になる台詞を残して康二兄さんは部屋から出ていった。
「「涼太くん。」」
「…はい。(何この状況!?)」
何故か今ラウ兄さんと蓮兄さんに正座をさせられている。そしてその後ろで康二兄さんがあわあわしている。多分昨日の夜のことで怒ってるのだろう。優しいのか優しくないのかベッドの上なので痛いとかはほぼないが。
「何で昨日聞いたときに何も言わなかったの?」
「え、そんなことあったん?」
「康二くん黙って。」
「理不尽…」
「で、何で言わなかったの。」
「…」
「…ふーん、何も言わないんだ。残念。」
「…ぇ?」
下げてた顔をあげると、蓮兄さんが今まで見たことがない位冷たい顔をしていた。喉がひゅっと音をたてる。康二兄さんは泣きそうな顔になり、その様子を見て流石にラウ兄さんは慌てたようだった。
「ちょ、めめ…流石に言い過ぎだよ…」
「…ラウールには関係ないだろ。」
「…めめ…」
「…おい涼太、逃げんなよ。」
「…」
怖くて涙がぼろぼろと落ちる。声を押し殺して早く止まれと言い聞かせるがさらに涙が零れた。
「泣いてんじゃねーよ。泣けば許されると思ってんの?」
「…っ、ごめんなさっ…」
「…はぁ、もういい。」
そう言って蓮兄さんは部屋から出ていった。追いかけるようにして康二兄さんも出ていく。そのままの姿勢で泣き続ける俺にラウ兄さんがそっと近付いてきた。
「涼太くん、大丈夫…?」
「っ、ごめんなさいっ、ごめんなさっ…」
「謝らなくていいよ。…横になろ。」
そう促され、若干痺れている足を庇いながら横になった。
「う、ひっ、く…ごほっごほっ…げほっ…」
「苦しいね。ゆっくり息して。」
「ごほっごほっ…す、ぅ…はー…」
「そう、上手上手。」
ラウ兄さんは泣きすぎて横になりながら咳き込んでいる俺の背中をさすってくれた。
「…大丈夫?」
「…ぅん。」
「よかった。」
「…」
「…まぁ涼太くんにも多少非はあるけど…」
「っ…」
「…今回は圧倒的にめめが悪いね。言い方がきつすぎ。」
そう言ってラウ兄さんは俺の頭を撫でた。
「寝ときな。多分熱だしてるから。」
「…ごめん、なさい…」
「…謝らなくていいから。次からは頼ってね。」
「…ん…」
頭を撫でてくれるのが心地よくて、そのまま眠りについた。
コメント
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また最初から読み直しました😊最高です✨️