テラーノベル
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「由布ちゃんどう?どれどれ描いてるかな?」
「あ、ちょっとなかなか難しくて…」
とりあえず、鳥の尻尾、脚、胴体半分を描いてみた。
上半身や頭が難しく下手がバレないようになんとか 描けるところをまず描いたのだ。
「お、もしかして鳥かな〜 」
「難しく考えることはないよ。思いついたままに書けばいいし、それが由布ちゃんの鳥なんだからさ。」
「そう言ってもらえたら描けるような気がします。」
それにしても、[もしかして鳥かな]とはやっぱりギリわかる感じなのだろうか。
鳥だね!ではなく、 もしかして〜がついたのが気になるところではある。
でも鳥という名詞が出ただけで私的には大成功なわけだ。
最後迄どう描き上げるか。
そしてニ羽一対のあのキーホルダーの様に描くのはいろいろな面であまりにも危険かと少し怖気付いた。
描く前は、なんとか現弦さんの素性やキーホルダーなんかの謎解きが出来るかも〜なんて少しワクワクも混ざったドキドキ感を楽しむ余裕もあったが、いざ描こうとすると自分でも想像以上に描けないものである。
そして弦さんが私の描いた絵を見て何か感じとりそれについて何かを話してくれるた場合、それを勿論望んでいたのにいろいろ明らかになるのがなんか怖くなってきたいたのだ。
この不思議な事がいっさい解明されず、知り合いになれた今、ただ普通に弦さんと会いそして普通に仲良く出来たらな…という気持ちが心の中で膨らみまあまあの大きさの風船となり鎮座してきていた。
夢ではこの’普通’の関係ではなかったからだ。
あの夢の中でこの’普通’という事がどれだけ難しく憧れたか…。
だが、いろいろな感情が交差する中でもキーホルダーを思い出しながら人生で一番一生懸命に絵を描いていた。
そしてもう一つの気がかりだった’指に光っていた物’を心の風船の下の下にしまった。
コメント
1件
うわ、第40話、読了しました。由布ちゃんの「普通への憧れ」がすごく胸に響きましたね。キーホルダーのモチーフを描こうとするけど、筆が進むほど謎が解明される怖さと、弦さんとの「普通」の関係を願う気持ちが複雑に交差してるのが印象的でした。特に「もしかして鳥かな」という反応に一喜一憂するリアルな心情描写に、思わず共感。心の中の風船の比喩も素敵で、この先どう転ぶのか、すごく気になります!