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急いで階段を駆け下りると、玄関にはもう皆が集まっていた。
「何があったんですか…?」
「わかりません……ただ、吸血鬼の臭いだけはあります。そして、血の臭いも…。」
「花月は下がってろ。」
「うん……。」
劉磨が恐る恐るドアを開けていく。すると、赤い塊が勢いよく劉磨に倒れこんできた。
いや……赤い塊なんかじゃない。全身血だらけの彼は……
「琉生くん…?」
「花…月…ちゃ……。」
「何でこいつがここに…?また花月を攫いに来たのか?」
「…違…う…。」
「だまされるもんか…出ていけ。」
「運べ…。大広間へ早く運べ!」
「でも泰揮……。」
「危険な状態だってことはお前でもわかるだろ!?花月のことばかり考えるな。」
「でも…また攫われたら…。」
「その時はその時です。それともここで彼を見捨てて、花月さんを泣かせますか…?」
「そんなつもりじゃ……。」
「皆、手を貸してくれ。」