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jp「せんせぇ……俺のことすきっしょ?」
放課後に呼び出されて教室で待つ。
段々時間が経つにつれ空の色が変化していくのを、窓際の席で見ていると呼び出した張本人が教室に入ってくる。
俺は机に座って先生の方を見て言った。
先生は白々しくさも驚きましたみたいな顔をした後、俺にニッコリ笑いながら近づいてくる。
jp「せんせ?」
ペシッ……(教科書で頭を小突く)
「何バカなこと言ってんだ!……テスト赤点取ったお前が悪いだろ?」
jp「……体罰だぁぁ」
「アホ……良いから早くしろ!これ補習のテスト用紙な」
jp「うぅ~」
数分経ってテストを終わらせると先生は嬉しそうによくやったと撫でてくれた。
そんなに嬉しいかよ……大げさだろと思ったが、先生の嬉しそうな顔を見ると悪くはないなと思って何も言わなかった。
jp「じゃっ……せんせ、またな」
「気を付けて帰るんだぞ!」
jp「……、ハイハイ、分かってるよ!」
先生は何だよ可愛くねぇって言っていたけど、本当は俺さ案外可愛いんだよ?
だって先生が退職しちゃった時……俺めっちゃ寂しくて悔しくて泣いたもん。
先生が退職した理由は生徒に手を出したっていう噂が流れてしまったから。
そんなのあるわけねぇじゃん……先生は……
jp「俺にゾッコンだもん……ボソッ」
no「じゃぱさん……」
mf「じゃっぴ……」
hr「じゃぱぱ……」
俺が泣いているといつもみんなが傍に来てくれる。
でもその日は違って誰も来てくれなかった。
別にそんなことは構わないけど、誰も先生が居なくなったことを悲しんでるようには見えなかったから、悔しくて物凄く腹が立った。
みんなは途中でサボったのか授業に出ていなかった。
放課後に家に帰る道を歩いていると、後ろから声がかかってびっくりして振り返った。
先生の周りにはみんなが居て、あとから聞いたけど三人で先生を探しまわったらしい。
だから今日は近づいてこないし途中で帰ったんだとようやく分かった。
jp「……せんせ、」
「もう先生じゃないけど……いつまでも君は俺を先生って呼んでくれそうだね」
jp「うぅ……せんせ、ぐすっ」
「んー?なぁに」
jp「……何で……ポロポロ」
「生徒には手を出してはいない……でもね?信用を失ったらもう戻れなくなるかもしれないんだよ……?」
jp「でも、!先生は悪くないだろ!!」
「そうだね……生徒じゃなかったらプリンを渡してごめんなさいって出来たかもね?」
jp「……何でプリン?」
「んー?みんな好きだろ?プリン……先生も大好きなんだよ」
jp「……ははっ……子供じゃん……ポロポロ」
トコトコ……よしよし
「もう泣くな……男だろ?カッコつけろよ!お前の友達見てんだろ?……ポロポロ 」
jp「ふふっ……せんせ、かっこわりぃ」
「フフッ……じゃあみんな今日は呼んでくれてありがとう……じゃぱぱのことよろしくな?」
no「そんなこと分かってますよ……じゃぱぱは俺たちの方が長く一緒にいるんで!」
hr「先生……元気でね」
mf「じゃぱぱを泣かせたこと許さないですいつか責任取って会いに来てくださいね……」
「……知ってるんだね、そりゃそうか……俺は遠くで頑張るよみんな元気でな!」
jp「……引っ越すんだ……せんせ、俺さ」
「んー?どしたー?」
先生が振り返ると同時に走って先生に抱きつく。
jp「俺さ……教師になるよ……そしたら先生みたいなカッコいい人になる」
「……えー?なれるかなぁ……先生みたいに途中で辞めても良いからな」
jp「大丈夫……先生よりは俺カッコいいから……だから会いに来た時に褒めてよ」
「ふはっ……そうだな」
その日は夕日が綺麗で先生が綺麗だった。
俺が教師になる理由は生徒が大好きで……隠れて泣くけど笑ったら皆が笑顔になるような憧れの先生になりたかったから。
勉強があんまり得意じゃないから……もふくんたちに協力して貰って……そしたらみんな教師になるって言い出して、言い出しっぺは俺だけどちょっと焦ったのを覚えている。
でも先生もおんなじ気持ちだったろうし、何よりみんな俺よりは頭が良いから、心配ないか!
jp「で……何でお前らおんなじ場所なん!?」
mf「んー……この学校で運を使いきったわ」
hr「良いじゃん……俺ら四人一緒に頑張ろうぜ」
no「人手不足らしいし……こんなもんですよ」
jp「そぉ……かなぁ」
まぁ、そんなこんなで俺たちは先生になった。
俺はちょっと先生らしくないかもしれないけど、それでもみんなを導くあの憧れの先生のような存在になりたいそんなことを考えながら、たっつんのことを思い出す。
(来てないなら……帰りに寄ってみるか)
今日は先に帰って準備をして学校の道を歩いた。
すると奥から歩いてくるうり達を見つけて駆け寄った。
タッタッタッ……
tt「なぁ!」
ya「うぉっ……たっつんじゃん、どした?」
tt「ゆあん、うり!……俺も仲間に入れてくれ!」
ur「……?」
tt「俺……ずっとお前らのこと友達やと思っとった、けどお前らからしたら休憩スペースでちょっと会っただけの人間やって気づいたんや!」
ya「……おぅ」
tt「やから!お前らともっと友達になりたいんや!」
dn「俺も!俺もちゃんとした友達として仲間に入れて!」
tt「……どぬ!?」
dn「ずっと寂しかった……距離感が遠くて、でも我慢してるだけが友達じゃないでしょ?」
ya「どうしたんだよ……二人とも」
トコトコ……
うりが近づいて来て言った。
ur「俺ら友達だったろ?」
dn「……ならもっと仲良くしてよぉ……ぐすっ」
ur「そんじゃ……俺の家来いよ、一緒にゲームでもするか?」
dn「うん!」
ya「待って!友達ならあそこに連れていこぉよ」
tt「あそこって何や?」
ur「あぁ……俺の家の近くにある神社だよ」
dn「へぇ……面白そう!二人で行ったの?」
ya「何もないけどぼっーとするだけでも楽しんだよ?」
tt「友達の証ってやつか?w」
ya「良いねそれ」
ur「じゃ、行くか」
たっつんの家に行くとまだ帰って来てないと母親がパニックになっていた。
すぐにLINEでみんなに伝えて急いで探す。
色んなところを探しながら途中で合流した後、友達だと思う人の家も探したが、手掛かりは無しだった。
jp「はぁ、くそっ……はぁ」
mf「とりあえず……どうしようか……はぁ 」
hr「もう暗いし……警察に連絡するか?」
no「最後にうりの家に行っていなかったらそうしましょう」
走ってる最中に思い出した。
jp「あー、もしかして……神社、?」
mf「はぁ!?……こんな時間に?」
hr「でも……それ以外ないだろ」
no「とりあえず行きましょう!」
タッタッタッ……
神社につくと鳥居をくぐって裏にまわる。
jp「いた……はぁぁぁ……良かったぁ」
そこには四人で眠っている生徒を見つけた。
とりあえず起こそうとしたが、全く起きないのでおんぶして各々の家に送り届けることにした。
次の日に説教をして事情を聞こうとしたが、誰も来なかったので一応電話で確認した。
プルルルルッ……ガチャ
「もしもし……○○ですが」
jp「あっ、突然すみません……カラピチ高校の方から電話させて頂きましたじゃぱぱですけど、今日はうりくん来られていないみたいで……あの後に何かありましたか?」
「……少し体調が悪いようなので休ませています。連絡が遅れてしまってすみません。」
jp「あっ、いえいえ……お母様もお忙しいと思いますので、これで失礼させて頂きます。うりくんにはお大事にとお伝えください」
「はい、分かりました。」
jp「はい、それでは……失礼しまーす」
ガチャ……
na「何て言ってました、?」
jp「うわっ……のあ先生!?」
na「うりくん……何で来てないんですか、?」
jp「そんな泣きそうな顔しないでくださいよ……とりあえず体調不良だそうですよ」
先生「なるほど……ではそう書いておきます……」
jp「あっはい、よろしくお願いします。」
朝起きると体を動かすことができなかった。
重くのし掛かった重力が重たくて、力が入らなくて……でもお腹が空いているのかお腹がずっと痛くて、腹痛というよりは搾り取られたみたいな痛みと空腹感、そして心臓に不快感があって吐き気がずっとしていて、吐きたいのに吐けないみたいな……そんなのが続いていた。
ur「気持ち……わる……」
何とかふらつきながら体を起こして、朝食を食べようとするが、なんか美味しそうだけど食べたくないみたいな……
よく分からないけど見た目は良い食品サンプルを見ているような気分になる。
気持ち悪くて水を飲むと少し楽になって、ご飯を何とか食べる。
ソファで横になった後、ふと周りが動いたみたいな……虫がいたみたいな……
その方向を見ても何も居ないし、虫は一応嫌いだけど逃げる気力もなかった。
ひたすら待っていると何故か外に居て、神社に向かって歩いていた。
何だろ……これ、何か、うーん
そのまま神社の裏にまわって、中に入ると床に寝っ転がった。
すぐに眠くなって目を閉じてしまった。
次に起きた時は周りにみんなが居て、安心した。
ur「みんな……居たの?」
tt「何か……体がだるくて……ここに来たら楽になったんだよね」
dn「眠い」
tt「みんなが勝手に集まるなんて中々ない奇跡やないか?w」
ya「運命?w」
そんな話をお昼になるまでしていると、先生達がやって来た。
jp「やっぱりここか……」
mf「みんな何してるの、?」
no 「お母さん心配してましたよ?」
jp「……とりあえずこっちおいで?」
ur「……せんせ、何でここが分かったの?」
mf「君たち見つける時はいつもここでしょ?」
jp「はーやーく……おいで?」
先生は何か焦ったような顔をして、こっちにおいでと何度も言っている。
でも思うように体が動かなくて一生懸命行こうとしているけど、先生達はそれに気付いてないのかな?
hr「……り……うり……うり!!」
ur「せんせ、?」
hr「そうだよ~、ほらもう大丈夫だからね」
ur「……???せんせ?暗い」
hr「んー?もうちょい待ってね」
パッ……(手を離す)
hr「おはよぉ……今は夕方だよ?君たちここでパニックみたいになってたから、先生達が助けに来たんだよ~」
ur「んぇ……」
隣を見るとパニックになって暴れているどぬと過呼吸を起こしているゆあん、泣き叫ぶたっつんが居た。
hr「……もう大丈夫?……良かった」
ギュゥ……サスサス……
先生達は一対一で止めていた。
ur「さっき……」
hr「、ん?」
ur「さっき先生がおいでって言ってたから……行こうとしたんだけど、体が動かなくて……ごめ、なさ……い 」
hr「いいよ……でも多分それは幻覚みたいなものじゃないかな?だって先生はパニックで暴れているうりくんを止めることしか……してないからね」
ur「……?? 」
hr「とりあえず一旦休憩……ギュウってしたまま待ってようか……?」
ur「……ん」
その後みんなが収まるまで時間がかかったけど、休憩してから家に帰ることになった。
先生に明日はしんどかったら保健室においでと何度も確認された。
よっぽど心配なのかな?
次の日もやっぱりしんどくて、昨日より酷くて起き上がるまで時間がかかった。
そのままベッドの上でぼっーとした後、先生のところに行かないと心配されると思って、重たい体を引きずって学校に行った。
いつもよりも時間がかかって保健室に着くと、もうお昼頃だった。
そういえば朝ごはん食べてないなと考えながら保健室の前で座り込むと、ギュゥっと体を抱きしめられた。
hr「、来てくれたんだ……良かった」
ur「せんせ、ごめん……なさい」
hr「ん?どして?」
ur「もう……お昼……だから」
hr「来てくれて嬉しいよ、保健室にはもうみんな居るからね」
ur「せんせ、?」
hr「ん?」
ur「立てない……頭がぐらぐらする」
hr「……分かった。ちょっと待ってね」
ur「……」
先生は急いで職員室に入って行くと、すぐにのあ先生と一緒に出てきた。
na「うりくん……大丈夫?」
ur「……っ」
グラッ……ガシッ……!
hr「あぶねっ……はぁ」
先生が来たので立ち上がろうとしたら、そのまま周りがグラッと傾いて力が入らなくなった。
すぐに先生が掴んでくれて、倒れなかったけどまだ余韻みたいなのが残っていて、頭痛がしていた。
ガラガラ……
tt「おっ……やっと来たんやな、」
ur「ん、早いな」
tt「今日は大丈夫やったからな」
jp「何が大丈夫なのー?」
tt「うわっせんせ、脅かすなよ」
jp「ごめんごめんw……とりあえず、おはよ……うり」
キーーン……(高い音が響く)
ur「……はよ…ございますっ……」
na「大丈夫?やっぱりしんどい?」
ur「……っ大丈夫」
na「とりあえず座って!」
その後は保健室で休んでぼっーとした。
何故かお腹は空いてるけど、食べる気にはならなかった。
三人もそんな感じでただ話してるだけだった。
どぬはたまに止まって動かなくなることがあって、本人は気づいてないらしい。
先生達はとりあえず授業があるので、保健室は四人だけで、たまにのあ先生が確認しに来るけど、基本的には俺たちだけだった。
ya「そういえば……神社に行ってから体調が悪くなってない?」
ur「……ちがう……あそこは元気になれるんだよ……母さんが言ってた。」
dn「お母さん?」
ur「もう……死んでるけどね」
tt「……そうなんや……なら安全だよなっ!」
dn「そうだよ、みんながしんどくなったのは熱中症のせいだよ!」
tt「……あぁ~!熱中症かぁ!」
ya「ねぇ……ちゅーしよ、♡?」
ur「きっも」
「wwww」
そんな感じでしばらくは話していたけど、途中から本当に怠くなってみんな黙って耐えていた。
ガラガラ……
jp「お疲れ~どう?ちょっとは元気になった?」
na「……大丈夫ですか!?とりあえず救急車!」
ya「せんせ、大丈夫ですよw……ちょっと疲れただけです」
jp「そんじゃ……お家帰ろっか!」
ya「そういえばせんせ、何で学校に呼んだんですか?」
jp「んー?毎回探してたら心配した親に警察呼ばれて捜索願い出されちゃうでしょ?だから家まで送ってあげようってこと」
dn「学校に来る必要ないんじゃ?」
jp「んー?先生が会いたかったのと、君たち来なくても神社に集まるでしょ?」
tt「なるほどなぁ……先生も考えたなぁ」
jp「でしょ?……じゃ、帰ろっか!」
先生は何故か俺たちを気にかけてくれる。
嬉しいけど不安だ……もし気にかけて貰えなくなったら、俺たちは手遅れみたいな感じなのかな?
ur「ねぇ……せんせ、」
jp「ん?」
ur「せんせ、俺のことすき?」
jp「んー?何?寂しいの?w」
ur「んーん……何でもない」
jp「そんじゃ……みんな、ここからは真っ直ぐ家に帰れよ!」
「はーい」
最近俺たちはおかしい、先生達は気づいてるんだろうか……
ur「のあ先生に相談しようかな……」