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あの日から、何日が経ったのかよくわからなかった。
学校に戻っても、クラスの声は遠く、
誰と話しても、会話は音のかたまりのようにしか聞こえなかった。
すみれがいない日々は、
ただ“時計の針が進んでいる”というだけで、
生きている実感がどこにもなかった。
でも、ポストに届いたあの手紙だけは違った。
それは、確かに存在の痕跡だった。
あの子が、
まだ“ここにいる”という証明だった。