「家のことは書いたし、友達とのことも書いた。あとは……」
自室の机に向かっている 杏葉(あずは)は、ペンを親指と人差し指ではさみ、小刻みに揺らしながら悩む。
「あっ、そうだ。生理のことも書いておかないと。この前はちょっとアレだったけど、いつも周期的だし、あまり神経質になることもないって、伝えておかなくちゃ」
あと6日で、今の生活とも、この体とも別れなければならない。
もちろん、体の入れ替わりが成功すれば、の話ではあるが。
「もとに戻ったら、どうなっちゃうんだろう」
あるべき姿に戻るだけ。
そう思っていたけど、5年もの歳月――人生の3分の1を、記憶だけで考えれば人生の半分程度を、今の姿で過ごしてきたのだから、妙な気持ちだ。
大切なものとの別れ。
普通に過ごしているのであれば、できなかった体験。
この体になってから、本当にいろんなことがあった。
嬉しいことも、哀しいこ*************
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