──────────────女の子。
私は長女。下には弟が1人居た。私は15歳で弟は13歳だった。跡継ぎになることが決まっている弟は宝物のように大事に育てられていた。だが、私は跡継ぎでも何でもない。私は少し弟のことを妬ましく思ってしまった。母も弟に釘付けで猫なで声で弟の頭を撫でていた。私は頭を撫でられたことなど無い。頭に触れられてもその後に走るのは殴られた激痛だけ。そんなの今では慣れっ子だ。だけど、少しは母や父の愛を感じたかった。だから、弟のことを妬ましく思った。本当は、分け隔てなく私にも愛情を注いで欲しい。撫でて。愛して。一緒にご飯を食べたい。優しく抱き締めて。そんな願いなんて叶うわけもない。そんな私の気なども露知らず弟は何時も私に優しくして来た。嗚呼、どうしてこうも私の弟は優しいのだろう。妬ましく思ってしまうこともあるが私は弟の事を愛していた。この子だけは大切にしたい。両親が居ない時は料理を作り食べさせた。そんな生活も慣れてきてしまった。
私は弟とこうしてでも一緒に居られれば幸せ。そう思っていた。だが
──────────弟が父の好きなウィスキーのボトルを割ってしまった。
ウィスキー。それもかなり値段も高いものだった。父親は激怒し、弟のことを近くにあったワインの瓶で殴ろうとした。将来、傷が残ってあの子が幸せな未来を過ごせないのは嫌だった。だから、黙っていられず私は弟を守るように父に背を向け、見事ワインの瓶は私の後頭部に当たり、割れた。鈍い音を立て、それは割れてしまったのだ。鉄臭い匂いが部屋中に充満した。嗚呼、痛い。だけれど、この子に怪我が無くて良かった。ゆっくりと弟の頭を撫で、大丈夫大丈夫と何度も言った。だけれど、弟は私の顔を見ては顔を青ざめさせて、涙目になっていた。ダメだな。弟にこんな顔をさせる姉なんて。弟はへなっと床へ座り込んでしまい、私はそれを止めはしなかった。ちゃんと床を見た。破片がないかどうか。だから、安心して弟を座らせた。立っているのも辛いだろうから。嗚呼。そういえば殴られたんだった、痛みはあるが倒れる程では無い。そう自分に言い聞かせていた。此処で倒れたら弟が心配だったからだ。ゆっくりと頭から流血しながら父の方を向いた。どうしたのか立って居られることに驚いて居るのか目を丸め、まるで化け物を見るかのように怯えていた。こんな父の顔を見られただけでも充分満足だった。だけれど、やられっぱなしはつまらない。だから、私は私の真後ろに落ちていた瓶の破片を拾って、父の事を少し見た後に父の頸動脈を破片で切った。10秒なんて掛からなかった。父はその場に倒れて、少し経てば息もしなくなった。私はその瞬間に父を殺せたという幸福感とバレてしまったら、そう考えてしまった。母や祖母にバレたら。私だけでなく、弟も疑われてしまう。そんなの絶対にダメだ。邪魔だな、母も祖母も。
そうだ。殺してしまおう。
コメント
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やりません??
あの…ピグパやってるんですか??