コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
学園長「第七試合を行う!一覇衆七番手前へ!」
?「はーい。」
学園長の声で出てきたのは鉄扇を両手に持った美しい男だった。
長次〜まるで女のようだ。〜
男は目元に長次の頬と同じ傷跡がついている黒い半狐面をつけており、口布を上げているため表情も分からない。
?「はじめまして。俺の名前は刹真(せつま)中在家長次殿にお相手願います。」
長次「モソ‥‥‥。(私か。)」
刹真「はい。」
校庭に出た長次が縄鏢を構えると、刹真は鉄扇を自分の目の前でクロスして構えた。
刹真「お手柔らかにお願いします。」
お互いに暫く睨み合う。
先手をうったのは長次だった。刹真は長次の攻撃を華麗に避ける。その姿はまるで、
長次〜舞を舞っているようだ。~
鉄扇を両手にくり出してくる刹真は、とても美しかった。
長次〜っ。何だ?〜
長次は、体に痺れを覚えた。そしてそのまま膝から崩れ落ちた。
刹真「そろそろ効いてきましたか?」
長次を見下ろす刹真は口布を下げて言った。
刹真「しびれ薬。」
長次「い‥‥つのま、に、」
そう問うと、刹真は口端を上げて嬉しそうに、
刹真「この試合が始まってからっす。鉄扇に仕込んでたんですけど、気づかれないか内心ヒヤヒヤしていました。」
と言い、頭の後ろに手をやった。
刹真「いやぁ~。バレなくて良かったです!」
そう言って笑う姿は、どこか委員会の後輩に似ていた。
長次「き‥りま‥‥る。」
刹真「えっ?」
痺れているから発せた言葉は、凄く震えていた。
長次「すま、ない。私、には、お前‥‥が私‥の、後輩‥に、見える、のだ。」
そう言うと、刹真はしゃがみ長次に目線を合わせた。
刹真「こんな戦いの最中に自分を思ってくれる先輩が居るなんて、あなたの後輩は幸せものですね。」
刹真のその声を最後に、長次は意識を手放した。
学園長「勝者刹真!」
刹真「中在家先輩。俺は本当に幸せものです。」
刹真は長次を担いで、蘭李が入る所へと歩いていった。