目の前に影が立っている
「それ」は哀しむような目で此方をじっと見ながら口を開いた
「それは誰が望んだ幸せだったんだ?」
「……アンタは誰なんだ?」
震える声で尋ねると
「誰よりもアンタを信じていたヤツだよ」
「それ」はそう呟き消えていった
「……忘れさせてくれよ……」
逃避を求めた言葉は管草色の夕日へと上り消えていった
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