『愛してるって言ってよ』
僕は最愛の彼に、ニヤニヤしながら言った。
「えー、やだ」とスマホに目を向けたまま、断られた。
あまりにも素っ気なくて、少し傷つく。
『もう、知らない』と言い捨て、部屋に戻る。
態度に、腹を立てたのもあるけど、一番は機械相手に、焼きもちを焼いた僕が嫌になったから。
そのまま、ベッドにダイブして目を閉じた。
数十分後、僕は着信音で目が覚めた。
いつの間にか、寝ていたようだ。
着信は、さとみくんから。
…は?家に居るのに、電話するなよ。
部屋に来ればいいじゃん、直接。
僕は、少しイラつきながら、応答を押し『何?』とだけ言った。
『…え』
僕は走った。早く彼に会うために。
嫌だ。僕の前から居なくならないでよ。
ずっと死ぬまで傍に居てよ。
ベッドの上で寝ている君は、驚くほど綺麗な姿で、いつもと変わらなくて…
また、起きてくれるんじゃないかって思ってしまった。
冷たくなった手に触れて、ここに君は居ないって実感した。
ねぇ、もう一度、もう一度だけでいいから…。
(最初の文章に戻ってみてください)
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