大森side
若井「なぁ、元貴」
大森「んー?」
片付けをしていたら、ふいに若井に呼ばれた。
若井「前に言ってたパスタ、せっかくだから今日行かね?」
大森「あー、あれか、いいけど……俺、一旦帰んないと」
若井「え?なんで」
大森「そんなつもりなかったから、これじゃあバレるだろ」
俺は着ていた服を指さして言った。
若井「あー、確かにそうかも……派手……だわ。笑 面倒くさかったら別の日でもいいけど」
大森「……いや、今日みたいな日いつくるかわかんないし、忙しいの終わったらって……言ってたし」
ご褒美
その言葉を思い出した
若井「じゃあ、俺も着替えてから元貴ん家迎えに行く」
大森「なんでお前まで着替えんだよ」
若井「いいじゃん!何着よっかな〜」
大森「何でもいいけど派手じゃないやつな」
若井「わかってるって!じゃあ元貴支度出来たら連絡頂戴、じゃあお疲れー」
やっと区切りがついた所なのを若井も気にしていてくれたのかと思うと少し嬉しくなる。
コードを巻き、使ったギターを終い、メモを取った紙やノートとタブレットを雑に鞄に押し込む。
残っているスタッフに挨拶をして俺は少し早足で帰宅した。
【メッセージ】
大森【準備出来た】
若井【もう向かってる】
大森【下降りとく】
若井【エントランスに居てよ】
若井とふたりで飯食べるなんて久しぶりだ。
だから……いつもより少し時間が早いけど抑制剤を飲んでから出かけよう。
若井に言われた通り、エントランスで待とうかと思ったけど、何となく外の空気に触れたくて外で若井を待った。
大森【マンション前にいる】
若井【エントランスに居ろよ】
大森【外の空気に触れたいんだよ】
若井【大丈夫かよ】
若井の忠告通りにしとけば良かった、
と未来の俺は後悔する。
「おい」
突然声を掛けられ、手にしていた携帯から目線をあげると
何年も会ってなかった
中学の
あの時の奴がいた
「やっぱり、今や大スターの大森くんじゃん」
大森「っ?!」
『何逆らおうとしてんだよ!Kneelだよ!Kneel!!Subのくせにdomに逆らってんじゃーよ!!』
何年も前の事なのに昨日の様に蘇る記憶
そして奴は不敵な笑みを浮かべながら俺に近づいてくる
手に持った携帯からは若井であろう通知の短いバイブ。
多分、俺が既読のまま返信がないから若井が連絡をしてきている
若井に連絡をしなければと、急いで画面操作をするも、奴に阻まれた。
「大森、stop(止まれ)」
大森「っ、」
ききたくもない命令に身体が止まる
「何また若井にでも助けてもらおうとしてた?
残念だな〜、俺はただ、話がしたいだけなのに」
話がしたいだけ
そんなのは嘘で奴からは少量ながらもGlareを放っている
大森「お、まえ、こんな所でこんなことして
ただで済むと思ってんのかよ」
この状況を何とかしなければならない。
若井が来るにしても後何分で来るかも分からない。
手に持った携帯が長く震えていて、若井からの着信の知らせ
何とか通話ボタンを押せればと無理やり手を動かそうとするも、震える指先がなかなかボタンを押せない……コマンドに……勝てない……
「あれ?もしかしてまたコマンド拒否しようとしてる?」
大森「お前、何かに……服従してたまるかよ」
「へぇ……またそんな態度とるんだ……subのくせにdomの俺に!!」
一気に相手のGlareが解き放たれる
「お前らのせいでっ!俺はっ!!!!大森!!crawl(四つん這い)!!crawlしろよ!!」
大森「ゔっ、ぐっ、」
「何逆らってんだよ!!早く!俺の目の前でcrawlしろよ!!」
従いたくないのに、心は抵抗しているのに膝を付いてしまう
コマンド拒否のせいか、Glareにあてられているせいなのか頭がグワングワンして気持ちが悪い
大森「な、なん、年も……前の事まだ、根に、持ってるなんて……お前ほんと、……小さいなっ」
「うるさいっ、お前が悪いんだろ、お前らはお前らはっ!!」
大森「はっ、な、に、そんな羨ましいの、……俺と、若井が」
「黙れ黙れ!shush(黙れ)!!」
大森「ゔぐっ、」
「有名になったからって調子乗るなよ、subのくせに、早く俺に謝れよ!crawlしろ!」
放出されたGlareと褒められることも無いコマンド
気持ち悪いのに、手を着いて、手足を伸ばして四つん這いになってしまう
「ギャハハハハ、ほら、謝れよ俺に」
大森「っ、!」
「ああ、今喋れないんだっけ?ほら抵抗してみろよ、ああ?睨むだけで何も出来ねーじゃん。俺はな、お前らのせいで人生ダメになったんだ。今度は俺がお前の人生壊してやるよ」
あの時、ただただ俺を虐めたい、subを支配したいと言う幼稚な考えで自らあんな事をして、己より強いdomの若井にやられたのに他人のせいにしている。
「どうせ若井とパートナーなんだろ?今でも一緒って事は。俺がお前を奪ったらアイツどんな顔すんだろな」
大森「ゔっ、い゛っ、」
「あんまここに居たら目立つし、来てもらうか……standup(立て)、そして俺に着いてくるんだ」
頭のグワングワンがさらに増す
いくらランクが強くないdomだと言ってもdomはdom
subの俺には勝つことが出来ない
ヤバい……ドロップ、しそう
身体が震える
若井「なにやってんだ!!」
走る足音と若井の声
若井「元貴?!元貴!大丈夫か!!」
若井の声は聞こえてもアイツのコマンドがきいている俺は声が出せない……
首を横に振り、ヤバい、と若井に伝える
若井「お前、……誰だ?元貴に何をした?」
「覚えてくれてないなんて悲しいな〜、若井くん。……俺だよ俺、」
Glareを放出しながら若井に先制している
若井「元貴、ごめん、離れるけどGlare出すから……耐えられなかったら俺が何とかするから」
この状況で仕方のない判断
相手がGlareを出している以上、こちらもそれで対抗するしかない
勝つか負けるかはランク次第だ
若井が俺から離れ、奴の前に立つ
若井「思い出したぜ、お前中学ん時に元貴にちょっかい出して俺にやられたやつじゃん」
「あの時の俺と同じじゃないからな今の俺ならお前に負けねえ!」
若井「へぇ、…………やってみろよ」
若井のGlareが放出された
怒りに満ちていて周りの空気が重くなった
「お前、な、んで」
若井「俺もお前も大人になってんのにお前だけ成長したとか思うなよ……元貴にこれ以上負担かけらんねーから一瞬で終わらせるわ」
「な、な、なに言っ、…………………」
若井の言う通り、一瞬だけ若井のGlareがありえない程に強く重いものになった
地面に叩きつける様な音と共にアイツのGlareが無くなって、俺の身体が自由になった。
コメント
8件

一気見&初コメ失礼します! 若井!!かっけぇよ!泣 そしてkuraraさんは天才か!泣 凄いです…なんか、すごく、凄いです…(?)

はぁぁぁぁぁ… 若井…ヒーローじゃん… 良かったぁ… 最高です、泣

いてもたってもいられやくなったのでコメントします。天才ですか??最高です。。。続きが楽しみ!