大きな建物に入ると、赤色のマットに金色の椅子。
なんとも豪華な広い部屋が広がっていた。
「煙人の使い手さんですね!」
長老のゴブリンが部屋の柱から出てきて
野太い声で俺に言う。
煙人ってやはりスピラエのことだろうか。
首に掛けたネックレスを見ながら、そう思っていると
ゴブリンがまた話しかけてきた。
「ララさんに会いたいですか?
会いたいなら王帝室に居りますよ。」
「…本当か?」
この部屋…広いし、ララなら入れるかもしれない。
だがそれなら、少し危険だ。
「…会わせろ。」
「はい。勿論…!」
ゴブリンは不気味に笑うと
俺を王帝室まで案内した。
「こちらでございます。」
ゴブリンについていくと、辺りは黄金。
所々に勲章のようなものが描かれた
広くて高さのある高級な部屋に入った。
先程よりも重みのある部屋だ。
「ララは…」
周りをキョロキョロしながらララを探すと
牢屋のようなものが見えた。
(まさか?!)
まさかと思い牢屋まで走ると
倒れてぐったりとしたララの姿があった。
生きているのかも分からない状態だ。
「おい!!大丈夫なのかよ?!」
思い切り叫ぶとゴブリンが答えた。
「麻酔銃で眠らせたまでです。
竜は高く売れますからねぇ。」
「煙人の使い手は…何億で売れるでしょう?」
その言葉にゾッとして
後ろを振り向くと、ゴブリンの片手には麻酔銃があった。
(くそ…)
「スピラエ!!ララを牢屋から出せ!!」
俺が叫んだ瞬間、俺はネックレスの中に意識が吸い込まれ
途端に俺の体に黒い煙が入り、スピラエと意識が入れ替わる。
「仰せのままに。」
スピラエはそう言うと、
目にも止まらぬ速さでゴブリンの肩に触れた。
「?!」
するとゴブリンの体の動きが鈍くなる。
そう。劣化したのだ。
スピラエの能力は
**『物体に触れたとき、その物体が変化する』**だ。
十倍劣化、または十倍優化させることができる。
そして、その間にスピラエは
牢屋まで駆け寄り、ララを優化させた。
「…ハッ!」
するとララは起き上がり
牢屋を破壊した。
「よくも誘拐してくれたわね!」
「この城、壊してやるわ!!」
ララが叫ぶと、窓から火が吹き上げると共に
ドンッッと爆発音が響き渡る。
大砲で城を撃ったのだ。
「…スピラエ。変われ。」
ロウヴェスがネックレスの中で言うと
意識がスピラエと入れ代わった。
「ララ…大丈夫か?」
あまり状況を見ていない俺が聞くと
ララが眉間にシワを寄せる。
「はぁ?お前が心配するなんて
明日は槍でも降るのかしら?」
こっちは心配してやってんのに…
危険な目にあってもララ節は変わらない…。
そんなことを思いながらも
ララと壊れた城を逃げるように出ていった。
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