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「夏梅君、どうしたの? さっきから考えごとばかりしてるようだけど」
彩寧さんが心配そうにのぞき込んできた。ハッとして立ち止まると、目の前に彩寧さんの唇がある。今すぐその唇を奪いたいという衝動に駆られた。幸い、近くには誰もいないようだ。
「考えて答えを出しました」
「もしかして私と霊山寺さんのどちらを選ぶか?」
「そうです」
「それで答えは?」
「彩寧さんです。頼りないやつですけど、よろしくお願いします」
「本当に? うれしい! 夢みたい……」
小説家らしく語彙が豊富でいつも流暢に話す彩寧さんが三つの単語を口にしただけで絶句した。僕と交際できることを夢みたいと言ってくれる彩寧さんを心からいとしいと思った。
「さっそくですけどキスしたいです」
「私も……」
目を閉じた彩寧さんの唇に僕の唇を押し当てた。しばらくして舌も彼女の口の中にねじ込んだ。彼女とのキスはたいてい彼女が主導権を握っていたけど、彩寧さんはすべてを僕に委ねるつもりのようだ。そういえばほかの女とキス以上のことをしたら殺すと彼女に言われていたけど、全然気にならなかったし、もう僕を止めるものは何もなかった。
手でシャツの上から彼女の胸の辺りに触れてみた。胸をさすり、そして揉んだ。次に手を下に移動させ、服の上から彩寧さんのデリケートな部分に指を沿わせた。
僕の下半身が経験したことがないくらい反応している。唇だけでなく彩寧さんのすべてを奪いたいと伝えても、彩寧さんは応じるはずだ。実は彼女と二人でいても下半身が反応したことはあまりなかった。どうせそういうことはできないと分かっていたから。