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僕の息も彩寧さんの息も荒くなる。彩寧さんからは何もしてこないけど、約束通り僕を拒絶しない。僕は有頂天になった。でもそのとき、誰かが近づいてくる気配を感じて、慌てて彩寧さんから離れた。ふらふらした足取りだから、足の不自由な老人だろう。

と思っていたから、現れた人の顔を見て度肝を抜かれた。現れたのは彼女だった。泣いてこそいないけど、見たことないほど落ち込んでいた。

「信じてたのに……」

信じてたということは別れたつもりはなかった、ということ? つまり僕を試しただけ? 僕を振ってどこかへ走り去ったとき、僕に追いかけてきてもらいたかったの?

彼女ほどではないけど僕も放心状態で、言葉が口から出てこない。見かねたのか彩寧さんが彼女に言い返した。

「信じてたって、あなたが夏梅君を振ったんだよね。自分の言葉に責任を持とうよ。私が陸とあなたのセックスを見せつけられたときとは全然違う。夏梅君はあなたと別れてから私とつきあいだしたんだ。文句を言われる筋合いはないよ」

「夏梅、これからどうするんだ?」

その問いにも彩寧さんが答えた。

「これから? 夏梅君さえよければいっしょにホテルに行こうと思ってるけど。私は恋人同士なら、好きな人が望めばセックスするのは当然だと思ってる。どこかの誰かさんと違って、ビッチのくせにセックスを拒絶して清楚ぶったりしない。それから、人の彼氏を勝手に呼び捨てにするのやめてくれないかな?」

「ボクはあなたに復讐されたのか」

「復讐? 夏梅君からあなたのことは聞いたよ。復讐したのはあなたじゃないの? 自分に好き放題した陸への仕返しを無関係の夏梅君に。違う?」

彼女はもう何も答えず、うつろな顔をしてふらふらとまたどこかへ行ってしまった。

「大丈夫かな?」

「心配しちゃダメ! 学校で霊山寺さんと同じクラスで席も隣同士なんだよね? きっとあの子はこれからも君に不幸をアピールしてくる。でも無視して。絶対に二人で会わないで! 会えば優しい君はまた流されて、あの子の言いなりになってしまいそうな気がするんだ」

いつも冷静な彩寧さんに鬼気迫る表情で詰め寄られて、

「気をつけます……」

と答えるしかなかった。

ビッチな彼女とプラトニックな恋愛を(旧タイトル 最強彼女、霊山寺さん)

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