目覚めてから3日目
今日は蓮と庭を散歩することにした。
「そういえば蓮って仕事大丈夫なの?」
「ああ。俺ここの医者だから」
「へ〜!医者か、、、、、医者!?」
「そうそう。龍樹はいつも俺のこと応援してくれてたんだよ。」
蓮は地面を見た。
「なるほど。それにしても医者ってすごいな」俺は感心しながら言った。だが相変わらず蓮は地面を見ている。
「蓮?」
と俺は話しかけた。
「っ!ああ、ごめん、なんでもない。」
「ああ、そう?ならいいけど、」
目覚めてから4日目
今日も蓮と庭を散歩して10分がたった。
「2週間なんてあっという間だろ?もう4日目」と蓮は言った
「ああ。」俺は記憶は戻ってないが、現代社会について少しは知識を得た。後残された期間で頑張らないと!と俺は思った。
「実は俺、龍樹が退院してから1週間休暇出るんだ」蓮は言った。
「そうなんだな!」
本当は嬉しいと思いながら俺は言う。
「俺たち一緒に暮らしてるししばらくはな、」
蓮は言った。その言葉に一瞬戸惑ったがそういえば前に、一緒に暮らしていたと話してくれていたのを思い出した。
「あ〜そっか前に言ってたな」
「じゃあ、戻ろっか。」
蓮は手を差し出した。
「うん!」俺はうなずきその手を握った。
目覚めてから5日目
昼間だというのにまだ龍樹は寝ていた。蓮が本日休みなので医師の小林が寝ている龍樹を起こそうと肩を揺らすが龍樹は目覚めない。
龍樹は夢を見ていた。悪夢を。苦しい苦しい悪夢を。あの事故が起こる前の悪夢を。
目覚めてから6日目
俺は朝5時に目を覚ました。
自分の体を見ると寝汗でびっちょりだ。
ああ。早く着替えたい。
そう思い服を脱ごうとすると、服が違うことに俺は気がついた。しばし、脳をフル回転させて考えると恐らく俺は丸々一日寝ていたのだという結論に至った。とにかく、早く着替えよ、、。だがまた俺はすぐ眠っていた。
目覚めてから7日目〜14日目
俺はどうやら脳に異常があるらしく、
一日の大半を眠って過ごすことになった。
二石龍樹について
記入者 小林 舜人
1日目事故が起きてから1週間眠らせたが目覚めさせた。
2日目 朝6時〜夜10時まで起きていた。
3日目 朝9時〜夜9時まで起きていた。
4日目 朝8時〜夜9時まで起きていた。
5日目 眠らせた。
6日目 20分間目を覚まさせた。
7日目 30分間目を覚まさせた。
8日目 眠らせた。
9日目 数分目を覚まさせた。
10日目 昼1時〜2時目を覚まさせた
11日目 夜7時〜11時目を覚まさせた。
12日目 朝7時〜昼4時目を覚まさせた。
13日目 朝8時〜夜11時目を覚ましていた。
以上で二石龍龍樹の修正を終了する。眠らせた時間に修正を行った。その後1ヶ月の自宅観察後アンケートを行い、回答が通常の人間のものなら手術は成功したと言える。
小林は出来た書類を見てため息をつく。そして誰かに電話をかけた。
「もしもし、神山さん?はい。はい。あんなに曲がったやつを修正するの大変でした。はい。では」
「これを修正したのか、」
と小林はもう一つの書類を見た。龍樹の修正部分だ。
俺には愛している人がいる。相手は俺のことを監禁しているクソ野郎だ。あいつは勝手に俺のことを監禁していると思い込んでいるだけだがな。愛と憎しみは引き合う。殆どの場合、片方が愛していて片方が憎んでいたら、それだけだが俺たちは違う。俺はあいつを憎んでいる。互いを監禁し合い、傷つけ合うのだって「愛」があるからだ。俺が違う女を好きになるフリをして、わざわざ俺の部屋のあいつの監視カメラがあるところで抱いて、女に種を植え付ける。それがあいつを傷つけることになって、だけど無理に笑わせておめでとうと殺意こもった声で喜ばせるのも言わせることも「愛」があるからだ。ははは、俺があいつを傷つけて無理に笑っている姿、泣いている姿、俺の料理を食べて吐いてる姿を見て愛らしいなんて思うのも「愛」だ。ああ。今度はなにをしようか。飲み物に媚薬を忍び込めせて手足を動けないように固定してそれから、、今度もまたあいつが笑ってくれるのが楽しみで仕方ない。! もっといい案を思いついたぞ。俺が交通事故を起こせば良いんだ。そうすればあいつはすぐ駆けつけるだろう。おまけに記憶喪失になった真似でもしてあいつを悲しませよう。だがあいつはすぐ気がつく。だが「演技」してくれるだろう。その「演技」も楽しみだなあ。さあ、ゲームの始まりだ。
よくもまあ、修正できたな!俺!おつかれ!と内心思いながら小林は書類をしまった。
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