松田side
やることも無くプラプラしている時に真っ黒な服に身を包んだセリに会った。
「セリ」
「松田?」
その服はまるで喪服の様だった。
「…どこか行くのか?」
「ん、ちょっとね」
聞きたいのは山々だったが、何故か、聞いちゃいけない気がした。
「そうか…気をつけて行ってこいよ。この後、雨らしいから」
「ありがとう」
そう言うと、セリは寂しそうに笑った。
ある日の休み時間。
「そういやセリどこだ?」
「セリちゃんなら、なんか呼び出しがどうのって言ってたよ」
「それ!誰から?!」
「えっと、なんか女の子達だったけど…どうしたの諸伏ちゃん」
「行こうゼロ!」
「ああ!」
「ちょ、おい!!」
ゼロとヒロの旦那が慌てたようにセリを探しに行った。俺らもそれについて行く。
「どうしたんだよ」
「お前らみたいに男しかいないんなら分からないと思うが、女子は大変なんだ」
「どゆこと?」
「だからっ、!いた!!」
そこには複数の女に囲まれているセリがいた。
「ねえ、五条さん?」
「あ?」
「っ、だから!降谷君達に関わるのやめてくれないかしら」
「そうよ!そうよ!萩原くん達だって迷惑してるわ!」
「やだけど?」
「痛い目見るわよ!!」
「はあ?なんでてめえらに指図されなきゃなんねえんだよ。うっぜえ。だいたいあんたら何しにここきてんの?男狩りに来てんの?ないわあ笑」
「っ!!」
女はセリを殴ろうと手を出した。
「そこまでだ」
「「「「「ふ、降谷くん?!」」」」」
「ち、違うの!これはっ、」
なるほどな。
「なにがちげえって?」
「は、萩原くん?!」
「セリ大丈夫?」
「セリ怪我ねえか?」
女ってのはだるいな。
「大丈夫だよお。ありがと♡」
そう言うと、近くにいた俺とヒロの腕を絡みとった。
「「「「「っ、」」」」」
こいつ…意外と性格悪いな。いいじゃねえか。
「金輪際セリに関わるな」
普段温厚なヒロの旦那からは考えられないくらいの恐ろしい声だ。それはそれとして腕を絡まれて俺はテンパっている。む、胸…当たってる…
「ふふ、じゃあねー」
セリは気にもとめず、俺らの腕を引いて女どもの前を去っていった。
「みんな、ありがと。助かったよ」
「いや、間に合ってよかったよ」
「女の子ってのは大変ねー」
「ゼロもあのままボコっちまえばよかったのによ」
「ダメだよそんなことしちゃ。退学になっちゃうでしょ」
「そこかよ」
「セリちゃん意外と口悪かったねえ」
「…てへへ?」
「分かっちゃいたが戦闘民族なんだな」
「松田だって変わらないじゃん」
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