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伊達side
五条の第一印象は、優秀で何考えてんのかわかんねえやつ。笑顔のくせしてどこか一線を引いてる、笑顔のくせに笑ってないような、そんなやつだった。それがだんだん、あ、こいつ眠いだけなんだ、とか、こいつサボりたいだけなんだ、とか、分かるようになってきた。段々と距離も縮まって、やっぱり最初は一線を引いていて、心から笑ってなかったんだなってわかった。
あれはそう、みんなで合コンをした帰りだった。
「っ、」
「五条?どうかしたか?」
「っ、いや…なんでも…」
なにかに弾かれたように顔を上げ周りを見ていた五条がいた。
「なんもなくはたいだろ」
「そうそう、知り合いでもいた?」
「っ、いないっ、いないよ…!でもごめん、先帰ってて」
「おいセリ!?」
急に駆け出して人混みに消えていった。
「どうしたんだろう」
「わかんねえけど五条待つか?」
「いや、帰った方がセリも安心だろう」
「そうだね」
「そうか?」
「ま、幼馴染2人が言うんならそうなんじゃない?」
「帰るぞ」
その日の夜、たまたま、本当にたまたま会ったんだ。風呂上がりだからなのか髪は濡れたまま、目は虚ろで何を考えてるの分からず、焦って取り敢えず声をかけた。
「五条?!どうかしたのか??!」
「、に…」
「な、なんだ?」
「傑に…会えなかった」
「すぐる?」
「っ!!ごめん!あ、班長じゃんどうしたの?こんなところで!!」
「俺よりお前だろ!大丈夫か?」
「うん!大丈夫大丈夫。…でもさ、今のこと、みんなには内緒にしてくれる?特にゼロとヒロには」
「…ああ、わかった」
悲しそうな切実な瞳に、俺はそう答えるしかできなかった。