テラーノベル
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水の流れる音で目が覚めた。どうやら朝になっていたらしくカーテンの隙間から光が零れている、今日も暑い一日になりそうだな。何となく隣の温もりを手探りで探したけど一夜を共にしたはずの人物はそこには居なかった。俺は下着を履くとそのまま水の音がするほうへ足を進める、どうやら音は洗面所からするようだった。中を覗くと思った通りさっきベッドにいなかったhrくんが顔を洗っている。俺は扉にもたれ掛かって彼に声をかけた。
「おはよ、早いね」
「おわっ、urさんおはよー。ごめん起こしちゃった?」
タオルで顔を拭きながら振り返ったhrくんが思いっきり顔をしかめた。そのほっぺは面白いぐらい赤く染まっていて迫力ゼロ、可愛さ100。
「……………服ぐらい着ろよ」
「いいだろさっき起きたばっかなんだよ。hrくんどっか行くん?」
hrくんの恰好がいつもの普段着とは違ってどこかよそ行きの雰囲気だったからそう聞いてみた。俺と出かける時より気合入ってそうで面白くない。そんな俺の心に気付かずhrくんは嬉しそうに笑って頷いた。笑顔がとっても可愛い。
「そー、今日jpさんの家に遊びに行くんだー」
「…へえ…」
スッと心が冷えていくのがはっきりと分かる。そもそも最近この2人は仲良しすぎるんだ。馬が合うのかよくお出かけの事後報告をhrくん本人なら未だしもjpの配信で初めて知ってショックを受けたのも2,3度どころの話じゃない。まぁまぁまぁ分かる、hrくんこう見えてめちゃくちゃノリが良いし基本NOって言わない。気遣わなくていいし一緒にいて楽しいんだ。分かる。でも、俺、hrくんの彼氏なんだが。ムカムカを抑えられずhrくんを背後からぎゅうううと抱きしめた。苦しい!との抗議を無視して項に強く吸い付いて痕を残してやったざまあみろ。
「なっ、なっ、」
「髪で隠れるところだからだーいじょうぶだって!…jpと浮気しないでくれよ?」
「するわけないだろ…!!」
鏡に映るhrくんはもはや熟れすぎたトマトのようだ。抱きしめている身体も体温が急上昇していってるのが分かる。いたずら心が沸いて、どーだか?と拗ねたように呟くと、hrくんは困ったように目をうろうろ彷徨わせたあとぎゅっと手を握ってきた。
「今日も帰ったらurさんの部屋行っていい?」
「?良いけど」
「今日も一緒に寝ような」
「エッ」
夜のお誘いに驚いて腕の力が緩んだのを良いことに、hrくんは腕の中から抜け出して振り返り背伸びしてちゅっと可愛く口付けてきた。
「行ってきます」
はにかんだ笑顔が可愛すぎて反射的に引き寄せて熱い熱いキスをお見舞いし、酸欠になったhrくんにぶち怒られたけど俺は悪くない。
hrくんが俺の部屋に帰ってくるまであと7時間。
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