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作者は元気してました😊
ってことで第3章の続き!第4章の「黒き戦士と無数の光剣」です!それではどうぞ!
第四章 黒き戦士と無数の光剣 黒き戦士と無数の光剣
村の中央。
一紫音と、黒い服を着た男が向かい合っていた。
男の周囲には、黒い魔力が渦巻いている。
地面に落ちていた小石が浮き上がり、男の足元から黒い霧が広がっていく。その霧に触れた草は色を失い、地面には黒い模様が刻まれていった。
紫音は男を見つめていた。
先ほどまで戦っていた闇の戦士たちとは、明らかに違う。
魔力の大きさだけではない。
男が立っているだけで、周囲の空気が重く感じられた。
紫音「……お前、何者なんだ?」
黒い男「質問が多いな」
紫音「こっちは聞いてるんだ」
黒い男「いいだろう。少しくらい教えてやる」
男は右手を上げた。
すると、手のひらから黒い炎が生まれた。
黒い男「俺の名はクロウ。闇に所属する戦士だ」
リナ「クロウ……!」
その名前を聞いた瞬間、リナの表情が変わった。
紫音「知ってるのか?」
リナ「ええ。闇の中でも、かなり危険な戦士よ」
クロウ「ほう。俺を知っている光の人間がいたか」
リナ「各地の光の拠点を襲撃し、多くの戦士を倒してきた男……」
クロウ「正確には、俺たちの目的を邪魔する者を排除してきただけだ」
ガルド「それを襲撃と言うんだ」
クロウ「光の連中にどう呼ばれようが、興味はない」
クロウの視線が、再び紫音へ向いた。
クロウ「俺がここへ来た理由は一つ」
紫音「……」
クロウ「お前だ、一紫音」
紫音「俺を狙っているのか?」
クロウ「そうだ。突然、強力な光を発現させた少年。しかも、本人以外には触れることすらできない武器を作り出す」
クロウは楽しそうに笑った。
クロウ「実に興味深い」
紫音「俺の力を調べに来たってことか」
クロウ「それだけではない」
黒い炎が大きくなる。
クロウ「お前が将来、闇にとって邪魔な存在になるのなら、今ここで消しておく」
紫音「……やってみろよ」
カイ「紫音!」
紫音「大丈夫だ」
カイ「いや、相手の魔力が普通じゃない! 一人で戦うな!」
ガルド「カイの言うとおりだ。俺たちも援護する」
紫音は一度だけ仲間たちを振り返った。
紫音「分かった。でも、あいつの攻撃には気をつけてくれ」
リナ「全員、連携して戦うわ!」
ミナ「……来る」
その言葉と同時に、クロウが姿を消した。
紫音「!?」
次の瞬間、紫音の目の前に黒い炎が迫っていた。
クロウ「遅い」
ドォォォン!!
黒い炎が爆発した。
土煙が舞い上がり、村の中央が黒い煙に包まれる。
カイ「紫音!」
リナ「まだよ! 魔力が消えていない!」
#孤独
Raphael
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煙の中で、白い光が輝いた。
紫音「……危なかった」
紫音の前には、光の盾が浮かんでいた。
盾は紫音の身体を守り、黒い炎を受け止めていた。
クロウ「ほう。武器だけでなく、防御用の魔法も使えるのか」
紫音「俺も今、初めて使ったけどな」
クロウ「何?」
紫音「考えたら、できた」
紫音は光の盾を消した。
そして、右手を前へ向ける。
白い光が次々と集まっていく。
一本。
五本。
十本。
二十本。
やがて、紫音の背後に無数の光の剣が浮かび上がった。
カイ「……は?」
ガルド「なんという数だ……」
ミナ「……二十本以上」
リナは目を見開いた。
リナ「武器を生成する速度が上がっている……?」
紫音自身も驚いていた。
紫音「こんなに作れるのか……」
剣は一本一本が独立して浮いていた。
どれも紫音の魔力と繋がっている。
他の人間が触れようとしても、剣を掴むことはできない。
敵が手を伸ばせば、その手は剣をすり抜ける。
武器を奪うことも、持ち上げることもできない。
それらは紫音だけが操れる、光の武器だった。
クロウ「面白い……」
クロウの口元がわずかに上がった。
クロウ「ならば、その数に意味があるか試してやろう」
クロウが両手を広げる。
地面から黒い槍が十本、二十本と出現した。
黒い槍は空中へ浮かび上がり、紫音に向けられる。
紫音「……槍まで浮かせられるのか」
クロウ「闇の魔法で作った武器を操る。それくらい、闇の戦士なら珍しくもない」
紫音「そうかよ」
クロウ「だが、お前の武器がどれほど特殊でも、攻撃を当てられなければ意味がない」
次の瞬間。
黒い槍が一斉に飛んできた。
紫音「行け!」
無数の光の剣が動いた。
キィン! キィン! キィン!
光の剣が黒い槍とぶつかり、次々と軌道をそらしていく。
弾かれた黒い槍が地面へ突き刺さった。
しかし、すべてを防ぎきることはできない。
一本の槍が、紫音の左側から迫った。
紫音「っ!」
紫音は身体をひねって避ける。
さらに二本。
三本。
次々と黒い槍が飛んでくる。
紫音は剣を動かしながら、自分の身体も動かして攻撃を避けた。
クロウ「防御に意識を取られているな」
クロウの姿が再び消える。
紫音「またか!」
背後から黒い炎が迫った。
だが――
その瞬間、紫音の背後に浮いていた一本の剣が動いた。
剣は黒い炎の前へ飛び込み、光を放つ。
ドンッ!!
黒い炎が弾け、紫音に届く前に消滅した。
紫音「……自動で守った?」
紫音の意思だけではない。
危険を感じた武器が、紫音を守るように動いたのだ。
クロウ「今のは……」
クロウの表情から笑みが消えた。
クロウ「武器が、本人の指示を待たずに動いたのか?」
紫音「俺にも分からない」
紫音は自分の周囲を見回した。
二十本以上の剣が、まるで意志を持っているかのように動いている。
しかし、剣そのものに意識があるわけではない。
紫音の魔力が危険を察知し、武器を動かしているのかもしれない。
まだ分からないことばかりだった。
それでも――
紫音「……これなら!」
紫音が右手を振る。
無数の剣が一斉にクロウへ向かった。
クロウ「甘い!」
黒い結界が展開される。
ガガガガガッ!!
光の剣が結界にぶつかる。
白い光と黒い魔力が激しくぶつかり合い、周囲の地面が震えた。
しかし、黒い結界は崩れない。
クロウ「数を増やしたところで、この結界は破れない」
紫音「……そうかな」
紫音は、剣の動きを止めた。
クロウ「何?」
紫音「剣だけじゃないんだよ」
紫音の頭上に光が集まる。
今度は、十本の槍が現れた。
剣は結界の正面に留まり、槍は左右へ散らばる。
クロウ「!」
紫音「行け!」
十本の槍が、異なる方向から黒い結界へ向かって飛んだ。
正面からの剣の攻撃。
左右からの槍の攻撃。
そして、上空からも光が降り注ぐ。
結界に亀裂が走った。
クロウ「小細工を……!」
紫音「これで終わりだ!」
ドォォォン!!
光の武器が一斉に結界へぶつかった。
黒い結界が砕け散る。
クロウは後方へ飛び退いた。
しかし、完全に避けることはできなかった。
黒い服の一部が切り裂かれ、地面に着地したクロウの足元が大きく沈む。
紫音「……やったか?」
クロウは自分の服を見下ろした。
そして、静かに笑った。
クロウ「なるほど。確かに、ただの新人ではないらしい」
紫音「まだ戦うのか?」
クロウ「当然だ」
黒い魔力が再び膨れ上がる。
そのとき――
リナ「紫音、下がって!」
リナの声が響いた。
紫音が振り返る。
リナたち三人も、別の闇の戦士たちと戦っていた。
カイは光の炎で敵の動きを封じ、ミナは光の矢を放って援護している。
ガルドは光の盾を展開し、村人たちが逃げるための道を守っていた。
だが、敵の数が多い。
リナも剣で応戦しているが、次々と襲いかかる闇の戦士たちを一人で抑えるのは難しかった。
紫音「……みんな!」
紫音はクロウから視線を外さず、周囲の状況を確認した。
自分がクロウと戦っている間にも、仲間たちは戦っている。
ならば――
紫音「俺が、まとめて援護する!」
紫音の背後に浮かぶ剣が、さらに増えていく。
三十本。
四十本。
五十本。
白い光が空中を埋め尽くす。
カイ「おいおい……!」
ミナ「……増えすぎ」
ガルド「紫音、魔力を使いすぎるな!」
紫音「分かってる!」
紫音はすべての武器に意識を向けた。
一部の剣は仲間たちへ向かう攻撃を弾き、別の剣は闇の戦士たちの武器を狙う。
槍は敵の足元へ飛び、進路を塞ぐ。
武器は誰にも触れられず、紫音の意思によって自在に動いた。
闇の戦士「なんだ、この数は!?」
別の闇の戦士「武器を掴めない! どうなっている!?」
紫音「その武器は、俺の光で作ったものだ!」
剣が一斉に動く。
紫音「俺以外には触れられない!」
光の剣が闇の戦士たちの攻撃を弾き、彼らの周囲を取り囲む。
紫音は、命を奪うのではなく、相手の動きを止めることに集中した。
その隙を逃さず、リナたちが反撃する。
リナ「今よ!」
カイ「任せろ!」
ミナ「……一気にいく」
三人の光が同時に輝いた。
闇の戦士たちは次々と戦闘不能になり、黒い魔力が消えていった。
やがて、村の中央に立っている闇の戦士は、クロウだけになった。
紫音は大きく息を吐いた。
紫音「……はぁ……」
大量の武器を同時に操ったせいか、身体が重い。
頭も少し痛かった。
それでも、紫音は立っていた。
クロウは周囲を見回し、静かに口を開いた。
クロウ「今日はここまでだ」
紫音「……逃げるのか?」
クロウ「勘違いするな。俺は任務を変更するだけだ」
紫音「任務?」
クロウ「お前の能力については、十分に分かった」
黒い霧がクロウの身体を包み込む。
クロウ「一紫音。次に会うときは、もっと本気で戦おう」
紫音「待て!」
紫音が剣を飛ばす。
しかし、剣は黒い霧の中を通り抜けただけだった。
次の瞬間、クロウの姿が消えた。
残されたのは、黒い魔力の残滓だけだった。
紫音「……逃げられた」
リナ「いいえ」
リナ「今回は村人を守り、敵の攻撃を止めることができた。それだけでも十分な成果よ」
カイ「そうそう! あんな数の武器を操れるなんて、俺も驚いたぞ!」
ミナ「……でも、使いすぎ」
ガルド「ミナの言うとおりだ。力があることと、力を使いこなせることは別だ」
紫音「……ああ。分かってる」
紫音は自分の手を見た。
あれだけの武器を操れた。
だが、クロウを倒すことはできなかった。
自分の力には、まだ知らないことが多すぎる。
紫音「もっと強くならないと……」
リナ「焦る必要はないわ」
紫音「でも、次にあいつが来たとき、今度は勝てるようになりたい」
リナ「なら、訓練を続けましょう」
紫音は頷いた。
闇の本部
その頃。
闇の本部では、クロウが一人の人物の前に立っていた。
広い部屋。
壁には黒い紋章が刻まれ、中央には巨大な玉座が置かれている。
玉座に座る人物の顔は、暗闇に隠れて見えなかった。
???「戻ったか、クロウ」
クロウ「はい」
???「新しい光はどうだった?」
クロウ「予想以上でした」
???「ほう」
クロウ「大量の武器を同時に生成し、自由自在に操ります。剣だけではなく、槍も作り出していました」
「そして、その武器は本人以外には触れることができません」
玉座の人物は黙っていた。
クロウ「さらに、武器が本人の意思に反応して動くような現象も確認しました」
???「……興味深い」
クロウ「まだ能力の全容は分かりません。ただ、成長すれば危険な存在になるでしょう」
???「ならば、成長する前に始末するべきか」
クロウ「それも可能ですが、もう少し調べる価値があると思います」
???「理由は?」
クロウ「彼の力には、まだ何かが隠されています」
クロウは顔を上げた。
クロウ「普通の光の使い手とは違う。あの少年がなぜ突然、あれほどの力を得たのか。それを知ることができれば、闇にとっても大きな利益になるはずです」
しばらく沈黙が続いた。
やがて、玉座の人物が口を開いた。
???「よかろう」
「一紫音の調査を続けろ」
クロウ「承知しました」
???「だが、忘れるな」
黒い魔力が部屋を包み込む。
???「光が強くなればなるほど、闇もまた強くならねばならない」
「我々は世界を手に入れる」
「そのために邪魔となる者は、すべて排除する」
クロウ「……はい」
闇の本部に、低い笑い声が響いた。
世界征服を目指す闇の組織。
その視線は、確実に一紫音へと向けられていた。
新たな決意
夜。
光の本部に戻った紫音は、訓練場に一人で立っていた。
昼間の戦いが、何度も頭の中で繰り返される。
クロウの黒い炎。
黒い結界。
そして、自分が操った大量の光の武器。
紫音「……」
右手を上げる。
白い光が集まり、一本の剣が現れた。
紫音「一つずつ……」
剣を動かす。
右へ。
左へ。
上へ。
下へ。
今度は、二本。
三本。
五本。
十本。
武器を増やすたび、意識を集中させる必要があった。
十本を操るのは簡単だった。
二十本になると、少し難しい。
三十本になると、動きが乱れる。
紫音「……くっ」
剣の動きが止まった。
数本の剣が地面へ落ちそうになる。
だが、紫音はすぐに魔力を送り込み、再び浮かせた。
紫音「まだ……いける」
さらに剣を増やそうとした、そのとき。
リナ「そこまでよ」
紫音「……リナ」
リナが訓練場へ入ってきた。
リナ「もう十分よ。今日は休みなさい」
紫音「でも、まだ足りない」
リナ「分かっているわ。でも、魔力を使いすぎれば、次の戦いで力を出せなくなる」
紫音「……」
リナは紫音の隣に立った。
リナ「あなたは今日、初めての任務で村を守った」
「仲間を援護し、闇の戦士たちを止めた」
「それは簡単なことではないわ」
紫音「でも、クロウには勝てなかった」
リナ「彼は経験豊富な闇の戦士よ。今日、あなたが勝てなかったからといって、それで終わりではない」
紫音「……次は勝ちたい」
リナ「ええ。なら、明日から私たちと一緒に訓練しましょう」
紫音はゆっくりと頷いた。
紫音「分かった」
剣が消える。
白い光が、静かに紫音の手の中へ戻っていった。
紫音は窓の外を見た。
遠くの空には、星が輝いている。
この世界には、まだ知らない場所がたくさんある。
光の組織。
闇の組織。
そして、自分の中に眠る不思議な力。
紫音「……絶対に、強くなる」
その言葉は、静かな訓練場に響いた。
一紫音の戦いは、まだ始まったばかり。
そして、闇もまた、次の一手を考え始めていた。
光と闇。
二つの組織の戦いは、これからさらに激しくなっていく。
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