彼の額にふつふつと噴き出す細かい汗を拭い、濡れたタオルをあてて、両手でその手を包むとベッドの傍らに膝をついた。
時折り息遣いが荒くなる度に、タオルを取り替えて、そうしてずっと様子を看ていた。
「……水を、」
半開きの唇から、うわ言のように声が漏れて、
グラスに水を入れてきて、しばらく迷ってから、以前にそうしたように口移しで水を与えた。
上手く飲ませられずに大半が零れ落ちて、「……先生、口を開けて」耳元で言うけれど、
苦しげな息遣いが上がるだけで、舌の先でなんとか口をこじ開けて水を流し入れると、俄かに彼の目蓋が開いて、
「……抱いて、いてほしい…」
腕が伸ばされたと思う間もなく、胸に抱きすくめられた。
「あっ……」
「私のそばに、いて……」
「いるじゃないですか、こんなに先生のそばに……」
「もっと、息が触れる程そばに」
近づいた彼の唇が、私に口づけて、
「……キスが、したい」
囁きとともに吐息を吹き込んだ。
熱があるんだからいけないと思うも、逃げようもなくて──。
熱感を孕んだいつもより熱い舌が、唇の隙から入り込む。
「……ん…」
蕩けるように軟らかな舌先が、上顎を舐め舌の上を這いずって蠢く。
「……私の服を、脱がせて…」
唐突に言われ、「えっ…」と、その瞳を見つめ返すと、
「……熱い…」
熱に浮かされているのか、シャツを片手で開こうとしてボタンが引きちぎれそうにもなっていて、慌てて彼の手を止めさせてボタン穴から一つずつを外した。
コメント
1件
相当熱がありそう。