テラーノベル
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第六話
これからも
怪我人はいる。
だけど、死者は出なかった。
その報告を聞いた先生たちは、泣いて喜んでくれた。
先生、違うんです。
私は何もしていません。
私は防御魔法で防御壁を作っていただけ。
化物を討伐したのは、神剣くんです。
――なんてことは言わず、優等生らしい笑顔で受け答えをした。
あれから私は、自分の未熟さを痛いほど感じ、日々、精進している。
「神剣くん。私も無詠唱できるようになったわ」
「……? だから?」
「……」
💢
神剣くんは、変わらず昼寝にしか興味がないようです。
「なぁーなぁー、綺ぁ。今日は帰り、武器屋行かへんか? カスタマイズ終わったゆうて連絡きたんや」
「またピンクにしたの?」
「なに当たり前なことゆうてんの? ピンク以外になにがあるん?」
椥辻さんは相変わらず、ピンクの武器を増やしています。
あれで強いから、私からは何も言いません。
「可威くん♡ あたし、あれから可威くんを見ると胸がドキドキするの。あたしのために必死で調合する素敵な横顔……綺麗な青い瞳……」
「いや、あの……御厨くん……僕は……え、っと……」
どうやら皇刃くんは、御厨くんの新しい扉を開いてあげたみたいです。
皇刃くん本人に、その自覚はないようですが……。
そして――
相変わらず世界は砂漠化が進行し、化物を討伐しても、その数はどんどん増えています。
それでも、最初ほどの不安はありません。
昼寝のためだけに化物を討伐する彼と――
みんなと一緒に。
これからも、化物を討伐していくから。
――今日も、静かになった。
~終~
コメント
1件
最終回、お疲れ様でした!「私は何もしていません」と言いながら優等生の笑顔をキープする主人公、めちゃくちゃ好きです。神剣くんは相変わらずのマイペースで、椥辻さんのピンク愛や皇刃くんが無自覚に御厨くんの新しい扉を開いた話も、この作品らしい温かさが詰まってました。世界はまだ砂漠化が続くけど、「みんなと一緒に」という言葉にじんと来ました。素敵な完結編をありがとうございます!
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