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「殴るなら僕を殴ってくれ。娘には手を出すな!」
「娘さんが無抵抗なら殴ったりしませんよ。二度と調子に乗らないように、おれたちと4Pしてるところを動画には撮らせてもらいますけどね」
「ふざけるな!」
絶叫したパパはまた別の男に後ろから蹴り飛ばされて、地面に顔から突っ込んでいった。弱いくせに余のために命を張って抵抗を続けているパパを見て余は感動していた。それに引き換えママは――
ママは本当は今日は休みだった。だからパパは今日に休みを入れたのだ。でもママはパパが今日休むと知った途端に急な仕事が入ったと言って今日も出勤していった。余はあの女は不倫でもしているんじゃないかと疑っている。まだ証拠は何もないけどな。
「横浜デビルの総長、さっきから一言も口を利いてないな」
「いきなり五百人の単車に攻めてこられたんだ。恐怖で立ってるのがやっとなんだろうよ」
「こんな小娘がどうやって横浜デビルの総長になったか知らねえが、今日はそのドレスといっしょにメッキもはがしてやるぜ」
五百台のバイクの爆音をバックに相変わらず三人は言いたい放題だ。三人は思い違いをしている。余が黙っているのは怖いからじゃない。感動しているからだ。
余の欲求不満を解消してくれる手ごろな敵がどこかから都合よく湧いてきたりしないものだろうか? と思っていたら、本当に湧いてきてくれた。感謝の気持ちしかない。できることならもっともっと余に悪態をついて、余の怒りをかき立ててほしい。とりあえずパパに危害を加えた三人は死刑が確定している。
「最後におまえたち三人の名を聞いておこう」
「東京死愚魔の望月葵だ」
「千葉房総金愚の長谷川赤也だ」
「埼玉エンペラーの吉川緑だ」
つまり横浜デビルに攻め込まれて防戦一方だった東京千葉埼玉の首都圏連合が、起死回生を狙って横浜デビル総長の余を倒しにきたわけだ。それにしても、名前が青に赤に緑って戦隊ヒーローか?