「付き合ってください」「はい無理です」このやりとりを私は何度しただろう。
私は静かに窓を見た。じゃないと、大切な人を守れなかった、顔しか取り柄のない私に、失望してしまうから。
甘いシャンプーの香りがした。「ねぇティアラ」あぁ、やっぱりこの香りは姫香だったか。
「なーに??」
「ティアラってばぁ、また告白されたのぉ?」
「うん。」
「いや、うんってそんなに軽く言わないでよぉ――」
「いや、私って少なくとも一週間に一回はされてるけど。」
「ほんっとティアラって名前の通りだよね。この学校の姫じゃん。」
「いや、それを言うなら姫香もでしょ?w」
「ええぇ、でも、ティアラの方がなんか神秘的じゃない?」
「そうかなぁ?」
「まぁ、名前はどうでもいいけどティアラはモテてるからねぇ」
「うひひひ、」
「まぁ、姫香だってモテてますけどねー?」
「いやぁ、自分でも言っちゃう?そうかそうか、そういうタイプだったとはー」
「いや違うってー。ティアラよりは自己中じゃないよーw」
「おいーw」
「ねえ、あんた達。」心をぐさりと刺すような、冷たい心の声、級長、雪子だ。
「そんなに余裕こいてたら、みんな飽きて告白されなくなって、成績、下がるわよ。」
そう。この学校、恋愛桜ヶ丘学校は、告白された回数は、成績だ。勉強は全く関係なく、授業は一応ちゃんとあるが、
好きな人を探すために設けられてるほぼフリータイムのようなものだ。だから、私はモテるから、勉強はしない。、
「5回しかできない告白を使ってもらっているんだから、ちゃんと真面目にしなさいよ。」
この学校では、五回しか人に告白することができない。五回も、なのか五回しか、と感じるのはその人次第だが。
そして、成績優秀な人には、表彰状をもらえ、アイドルの推薦を貰える。
だって、 この学校を建設したした人はアイドル会社の社長だから。人から最も愛される人をアイドルにする。全く、よくできた話だと思う。
だけど私は、他の目的でトップにならなきゃいけないんだけど、ね。
「なんなの?雪子。モテてないから、そういうこと言ってくるわけ?」やば、ぼうっとしてた。
「は?あんたらが真面目にしないからでしょ?」
「成績よかったら別にいいでしょ!」
このような女子の間での争いは、必ず毎日ある。無い方が少ない。
私はため息をついた。
キーンコーンカーンコーン。チャイムが鳴った。一時間目は、体育だ。
あぁ、今日も、告白漬けの日々が始まる。
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