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初投稿。 いいねしてねん
ある天気の少し悪かった日。運悪く傘を忘れ、雨に濡れながら帰る。水を弾いてスタスタと早めの歩みがあるものが視界に入り込んだ為にゆっくりとその場に止まった。その目線の先には三、四歳前後といった辺りの年頃だろうか。そのくらいの男児がまるで捨てられてしまった子猫のように小さな小さなダンボールの上にちょこんと座っている。前髪から水滴が滴り可哀想なくらいに震えている、まだ寒い季節だと言うのに上着も着ておらずこの雨の中何時間居たのだろうか。幾ら自身が極道だとはいえこんな状態の子供を放っては置けない。そんな想いからか こんな言葉を掛けていた。
『あの…僕、ウチくる…?』
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『______ってな流れで…あはは、ッ』
現に問い詰められているのが先程の子供を連れて帰ってきた男、及川徹は事情を説明するなり周りの視線が一点に集まってとてもじゃないが気まずい空気である。だがそれもそのはず。ここは極道の家。まだ六つにも満たないであろう子供がいるなんてそうそうある物でも無いし極めて異例の事実。
警察に引き渡すか、或いは孤児院に行くか等と色々な案が出てくる。そもそも子供の名前、年齢、何処から来たのかなど殆どと言っていいほど何も知らない。聞こうと一度は努力したものの口一つ聞いてくれない様子。及川の言葉には時より反応を示してくれるものの其れすらも頷くか首を振るかである。
『…名前は?』
重たい雰囲気の中口を開いたのは花巻。全員の目を向けられその子供はビクッと驚く様子を見せたが、小さな声で呟く。
『かぇ、やま…ッとびぉ、さんしゃいッでしゅ…ッ、』
名前と年齢が分かったのはいいが、つい先程舌っ足らずな喋りで自己紹介をした飛雄と名乗る子供は酷く怯えてしまい少しでも刺激があれば泣き出してしまいそうだ。
『そっかそっか、飛雄ちゃんって言うんだ』
大丈夫だからねと飛雄の背中を撫でてやる。大きくて優しくて。少しあったかい手であった。それに安心したのか飛雄は及川を見上げて
『も…ひとり、ぃやッ…』
及川にすらはっきりと聞こえない今にも消えてしまいそうなか細い声でそう言った。今にも目から溢れてしまいそうな涙が目に溜まっている。
『お父さんとお母さんは?』
その言葉を聞くなり 必死に堪えていた涙がわっと溢れ出した。嗚咽を少し抑えて必死に涙を止める。三歳の子ってこんなに静かに泣くものなのかな、もっと声上げて泣くものだと思っていた。いやでも、この子がそうなだけかも知れないし…
『ぉ、ッとうしゃっと…おかぁしゃ、ッ ぅッ”、どっか、ぃっちゃった…“ッ 』
時々嗚咽を挟みながらも確かにそう言った。どっか行っちゃった。それは蒸発したという事か。それとも…いや今は親がどうなったかが問題では無い。この子をどうするべきかなのだ。
『どうすんの?その子』
松川が問い掛ける。及川はうぅんと唸って考える素振りを見せる。チラッと飛雄の方を見ると泣いている為か震えている。孤児院が嫌ならいっそ…
『一緒に住んじゃえばいいじゃん』
『『『『『え?』』』』』
及川と飛雄以外の五人の声が重なる。どれも信じられないといった感じであろう。
『ここは子供が居ていい様な場所じゃないんですよ、!?』
『だってぇ、消去法的にこれしかないじゃん?』
そう言うと及川は飛雄の方に向き直り飛雄に「どうする?」 と聞く。少し戸惑っているようだ。そりゃあ、目の前の5人たちは険しい顔をしているのだ。ほとんどが180cm越え。怖いだろう。
『はぁ…及川は一回言ったらもう聞かねえかんな、』
『まっ、どうにかなるっしょ』
岩泉と花巻がほぼ同時に言う。
「だってさ」と、及川が飛雄に言葉を投げかけると初めてその子供は笑顔を見せた。その微笑みはまるで天使の微笑みかのように思えた。透き通った何も汚れのない純粋な笑顔。それによって及川は完全に射止められてしまった様だ。
『よぉ、しく…お、ねねちましゅ…』
舌っ足らずながらも頑張って言葉を発する。
及川同様に 花巻、松川、金田一は久しぶりの癒しに悶えているようだった。
『俺、及川徹』
『ぉい…かぁ、しゃ』
及川が名前を公表すると、可愛い滑舌で恐らく及川さんと呼ばれた。 及川に続き他の者達も我もわれもと名前を呼んで貰えるよう自己紹介をしていく。
すると、なにかに気づいたかのように口を開いたのはこれまで一言も発していなかった国見である。
『…風呂、入れてあげないと…風邪引いちゃいますよ。』
『た、しかに…!!』
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続きは気が向いたら。