テラーノベル
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春と同じカーディガンで出勤する季節になったけれど、春とは全く違う気持ちだった。
部屋を用意してもらったままだから、一度泊まりに行くと母に連絡をするととても喜んでくれた。そしてその夜は、渡邊さんがミートローフを作ってくれた。
「びっくりです…すごい」
「ハンバーグにするのが面倒なだけで、同じようなものだよ。先月初めて作って利代さんに好評だったからね。先週復習して、今日は樋代さんをおもてなしってわけです」
エプロンをしたままの渡邊さんの話を、母が嬉しそうに聞きながら私を見ている。きっと、母は今が一番幸せなのだろう。
「いただきます!お母さんのコールスロー、久しぶりだ」
「ちょっと酸っぱめのね」
「うん」
母のコールスローは、酢が多めでリンゴ入り。
「僕は、リンゴ入りのサラダを半世紀ぶりに食べたんだよ」
「四半世紀じゃなく?」
あはは、と明るい笑い声が響く食卓。幼い私の記憶にはないものだけれど、幸せを感じるには十分だった。
そして翌日、アパートに帰ると、ポストにA4サイズの封筒が届いている。
―― どこからだろう
ドアにカギを掛けた玄関で、珍しい郵便物を見ると
「なに、これ……?」
封筒に見知らぬ弁護士事務所の名前がある。宛名を確認すると、住所も名前も私だ。心当たりが無さ過ぎて、開封していいのか迷う。
「私、だよね……」
部屋でもう一度宛名を見てから、ハサミで開封する。そして、中身を引き出すと
「……請求書……?」
わけのわからないまま、その文字が大きく目に飛び込んできた。
「なに……?500……万円……誰……なの……福田志麻子?……福田……志麻子……慰謝料……って?」
突然のことに、自分の視線が定まらずきちんと読むことが出来ないまま、私はその場に崩れた。
【第3話終】
第4話へ・・・お楽しみに!
コメント
2件
えっ?慰謝料って?徹はいつ結婚したの?これが目当てだったの? 樋代ちゃんショックだろうけど😭三神先生に相談して〜
…慰謝料?うん?福田?あーっ!徹の名字!福田徹!既婚者だったの? ちょっと待って、半年だよ? まさか…初めから既婚者で騙してお金を巻き上げようと、真面目で大人しそうな樋代ちゃんをターゲットとして選んだ?そして別れる前から着々とこの時を待ってて、徹とこの志麻子は共犯? 樋代ちゃん…三神先生に相談を! いや先生が樋代ちゃんの変化に気付いてくれて手を差し伸べてくれるはず😭樋代ちゃん気をしっかり持って〜😭
#元カレ
まぁ
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