テラーノベル
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萌は人と話すのが苦手だった。
教室の空気に馴染めず 同じ学年の女子たちが笑い合っている輪にも入れない
それに萌は女の子が恋愛対象だった
毎朝 制服に袖を通すたびに 胃が痛くなった
学校なんて大嫌いだった。
そんな萌が 唯一心を許せたのが 同じクラスの女の子、結花だった
結花はいつも優しかった。
保健室で一人でいる萌に話しかけて、
「またサボってるのー?」
そう笑いながら隣に座る
最初は怖かった
でも結花だけは萌の話をちゃんと聞いてくれた
女の子が好きなこと
みんなと上手くやれないこと
学校に来るだけで苦しいこと
全部
結花は否定しなかった
「萌はそのままでいいじゃん」
その一言だけで 救われた気がした
萌は少しずつ学校へ来れるようになった
朝、教室に入るのはまだ怖い
でも 結花がいるなら頑張れた
結花に会いたい
それだけで学校へ向かった
だけど周りは違った
廊下ですれ違う女子たちには笑われた
「あの子また結花にベタベタしてるw」
「キモくない?w」
聞こえないふりをしても耳に刺さった
ある日萌は、教室の後ろで教師たちの会話を聞いてしまった
「あの子ちょっと面倒なんだよな」
「結花も大変だろ」
聞きたくなかった
頭が真っ白になって 息が苦しい
逃げるようにトイレへ駆け込み、個室で声を殺して泣いた。
なんで自分は普通になれないんだろう
生きてるだけで迷惑なのかな
その時だった
コンコン
個室の扉を叩く音
「萌?」
結花だった
「大丈夫?」
優しい声に 張り詰めていた糸が切れる
萌は扉を開けて 結花に抱きついた
「辛いよ…っ、」
泣きじゃくる萌の背中を 結花は静かに撫でた
「もう気にしなくていいよ」
その言葉に また救われた
萌は完全に 結花だけを信じるようになっていった
けれど依存は少しずつ重くなる
授業中も 結花ばかり目で追った
返事が少し遅いだけで不安になった
他の子と話しているだけで胸が苦しくなった
結花は笑って受け止めてくれていた
少なくとも萌にはそう見えていた
ある日の放課後
萌は結花を探して 校舎裏へ向かった
すると 奥から笑い声が聞こえた
結花だった
隣には 見知らぬ男子がいた
結花はその男子と腕を組み、楽しそうに笑っている
萌の足が止まる
その瞬間 結花がこちらに気づいた
「あ 萌じゃん。」
軽い声だった
萌は震える声で言った
「その人…誰…?」
すると、結花は男子の肩にもたれながら笑った
「彼氏だけど?」
世界が止まった気がした
萌は何も言えず ただ立ち尽くす
すると結花は 萌の方へ歩いてくる
優しい顔だった
いつもと全く同じ顔で。
だけど、次の瞬間口元だけが歪んだ
「全部演技だったんだよ?」
萌の呼吸が止まる
「騙されて惚れちゃってさw可哀想だね?」
後ろで結花の彼氏が吹き出す
結花も堪えきれず笑った
「だって萌ちょろすぎるんだもんw」
視界が滲む
心臓が痛い
でも 二人は笑っていた
萌だけを置き去りにして。
コメント
1件
「っ…これ、しんどすぎる🥀」 萌が結花だけを頼りに少しずつ学校に馴染んでいく過程、めっちゃ丁寧に描かれてて、読みながら応援してたんだよね…。なのにあの「全部演技だったんだよ?」のシーン、頭真っ白になった。結花の口元だけ歪む描写とか、ホラーみたいで背筋冷えた。 萌みたいな“普通になれないもどかしさ”って、読んでる側もすごく刺さるんだよね。続きが気になる…💔🤍