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レグside
起きて……と声が聞こえる。俺はまだ起きてなかったのか……?起きて……とまた聞こえる。目の前に少女の姿……どこか岬に似ている……。お姉ちゃん……と最後に残して消えた。お姉ちゃん?どういうことだ?
情景は見えなかった。ただ少女が泣いていた……。なぜ泣いていたんだ?なぜ……な……ぜ……?あれ……人間の感情……。よく分からなくなってきた……。
「消えて」
少女は急に歪んだ笑みで言う。目から血の涙が出てきて、少女の顔が歪んでいく。顔と言っても表情ではない……。頭だ。
俺からは恐怖も何も出てこなかった。出てきたのは……。
平常を保てないほどの殺意だった。
俺は、ここからどうしたのだろう?ただ……、ただ気がつくと自分の手が血の気が引くほどの。真っ赤だった。俺は一瞬で悟ってしまった。このまま白の元へ戻って、白も56してしまったらという恐怖に駆られてしまった。もう……、白を置いてこのまま旅に出よう……。
無理やり押えている殺意を56しながら、俺は白の顔も見ずに遊郭を出た。見てしまったら最後、白を56してしまうから。俺は、涙の出ない目を……呪われた目を布で覆い。膝まで伸びた髪をバッサリ切って別の世界へ飛んだ。でも飛んだ先が悪かったのかそこには……
ーーーがいた。
次章へ続く