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「ほんとにこっちの道でいいんだよなぁ?」
「なに?私を信用してないと?」
「そゆことじゃないけど、ルートがルートだからさ……」
「なによ?ただ地下駐車場からスタッフ専用通路を使って、電気室とか経由してるだけでしょ?」
「だけじゃないんだけどなぁ……」
「とにかくこっちから行くのが効率いいの」
「ちなみに聞くけど目的地はどこ?」
「屋上かな?」
「全然効率よくないじゃん」
「フフン。甘いわねアキト、目的地は屋上と言ったけど目的は屋上じゃないわよ?」
「はぁ?」
「このルートを通ることが大事でね、私の予想が正しければ……」
「!?な、何故ここに一般人が紛れ込んでいる!?」
「ほら来たビンゴ」
「ワァオ!確実にミライソフトの回し者ですねこれは」
「コイツの来た道を封鎖しろ!戦姫大戦で黙らせるぞ!」
「おっと?これは一対多になるパターンかな?」
「願ってもないいい機会だよ。アンタが仕立てた『Sパッケージ』どんなもんか知れそう」
「うし!しっかりボコしてやりな!」
「当たり前でしょ?私なんだから」
「アンサーになってない気がするが、頑張りなさいな」
相手のリーダー枠の男が胸ポケットから錠剤のような形をした何かを取り出し、その突起部分を押したと思えばそれを地面に投げる。すると、辺りは極彩色に包まれて気が付くと地下空間は戦姫フィールドにと変わっていた
「なんだこれ?」
「分かんないけど確かなのはここは戦姫大戦が可能な空間みたい。」
「その中に俺もいるということは?」
「被弾して最悪死ぬかも?」
「わぉ!ガチで助けてください」
「可能な限りは被弾させないけど、アンタも避けれるなら避けてね?」
「死にとうないのでそれはそう」
「じゃあすぐに片付けるから」
「あなたの目的が僕には見えない。あなたは一体何を企んでる?」
「別にそんな深いこと企んでないさ。ただ僕との約束を破った彼に制裁を与えるだけ。」
ミシマが待つと思われる屋上に走る訳でも無く歩いて向かう。それを可能としてるのは彼が共にいるからである。彼が何者かまでは分からないが周りの反応と彼の発言から察するに、少なくともミライソフトの関係……なんなら、ミシマという人間よりも立場が上の人間だと言うことは確定だろう。だからこうして歩いて向かうことが出来るのだ。
「この計画では僕が捕まるか消されるかしないと会社の信頼に大きな打撃を負うはずだ。なのに、何故あなたは僕と手を組む?」
「言っただろ?僕は彼に制裁を与える。その目的と、君の”ミシマを倒す”という目的とが重なった。君は解せないかもしれないが、奇しくも目的は同じだ。だから共に行動している。そこに仲間意識なんてものはないし、会社の為にも僕が彼に制裁を下す必要がある。それじゃあ君は納得しないか?」
「申し訳ないけど納得はできない。僕を捕らえず、ミシマに制裁を下すでも会社の為になるのが理解できない」
「簡単な話さ。失敗した時用の保険だよ僕は。」
「は?」
「この計画はどちらに転んでもミライソフトに大きな打撃を受けることはない。君の確保に成功すれば御の字で、仮に失敗しても僕がミシマを処分し、君の口封じをすればそれでおしまいってこと。」
「結局僕はやられる運命なんだ?」
「別に口封じイコールで始末とは限らないだろ?」
「それ以外に口封じの方法が浮かばないんだよな僕は」
「なら、今ここでヒントをあげる。ヒントは『天使創造計画』」
「!!」
「知りたいよねこの計画について。でも、君は今はこれを知ることは無い。知りたいならこの件を世に話すのは慎むことだね。そして詳細を知りたいなら**大会**に出ること。これを約束してくれれば、君の想像する口封じはしないと誓うよ?」
「…………」
「な、なんだよその天使創造計画って!?私にも教えろ!」
「うーん……。君にも関係あるかもしれないから内緒だね。気になるなら彼と相談して大会に出るといい。そして、僕の元までおいで」
「くっ……」
「そんなことを話していたらそろそろ屋上に着く頃だ。だが、恐らく門番はいるだろう。君は望まないかもしれないがここはひとつ協力と行こうか?」
「……あぁ。仕方ないがそうしよう」
「なっ!?リナ!こいつを信用するのか!!?」
「信用はしてないが、これが最適解だ。」
「ぐぬぬ……。」
「と、言うわけだからよろしく頼むよ。『覚醒者』」
「私にはカナっていうちゃんとした名前がある!!」
「ふふっ…。ごめんねカナちゃん。それじゃあヒマリ、カナと仲良くね?」
「はい。」
「な、なんて強さだ……。」
「俺らの戦姫が、こうも手が出ないとは…」
「二対一でも難なく倒せるとは、正直調整した俺も引いてる」
「私のオーナーのくせに引くなよ!?」
先鋒として出した二人の男達はミナの新たな兵装『Sパッケージ』の前に敗れ、その戦姫達も戦闘不能状態に追いやることに成功した。そして残すはリーダー格の男とその戦姫のみとなる。
「これは恐れ入った。が、見たところ貴様の戦姫はその新たな兵装に慣れていないようだな?」
「仮にそうだとしてそれが何か?」
「いやぁ なに…使い慣れた兵装にすればこの後負けることは無いのにと思ってね」
「随分と自信あるのねあんた?相手にしてるのはAランク帯のTOP10に入る女よ?」
「所詮それは凡人の限界地点。俺は戦姫メーカーの一社員だぞ?アマチュアとプロの差を教えてやろう」
「野暮かとしれないが、戦姫メーカーの社員がプロとは限らないんじゃないか?その理屈が通るなら先に負けて行った奴らもプロになるしな?」
「揚げ足取りは上手いようだな?それだけ口が達者なら先導者なんかが君には適任かもな?」
「スカウトなら遠慮しとく。俺の夢は世界が認める戦姫プレイヤーになる事だからな。」
「その夢の片棒を担いでる私はお前ごときには負けてられないんだよね」
「そうか。なら、ここいらでひとつ敗北をしっかりと味わってもらおう。」