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「ばいばーい」
「うん、明日ね」
いつも通り学校に行って、友達と喋って、学校から帰って寄り道をして家につく。
いつも通りの毎日。
そんな日が、いきなり終わるなんて考えられるか__?
小学生だったその時の彼女にそんなこと、考えられるわけがない。
でも、考えていなくても、それが現実になることだってあるのだ。
「ママ、ただいまー!お菓子食べたい!どこにあるー?」
――だめよ手を洗ってからにしなさい。
このお決まりの定番ゼリフが来ると思って洗面所に向かおうとするが、一向に返事が来ない。
「ママ?」
呼びかけても返事はない。
不思議に思った彼女がリビングに向かうと、
「ママ!?どうしたの!?」
彼女の母親は倒れていた。
彼女が母親に駆け寄ると、母親の腹から大量に出血しているのがわかった。
その血は固まって絨毯にこべり付き、茶色くなっている部分があった。
「え、死ん、、、で、る?」
小学生の彼女でも、そのことを理解するのに時間はあまりかからなかった。
「ぱ、パパは?お兄ちゃんも、、ど、こ、?言わなきゃ、、病院、、、」
震える手足を動かし家中を探すと彼女の父親の部屋が少し空いているのが見えた。
「ぱ、パパ!ママが、、!!」
慌ててドアを開け駆け寄った彼女が見たのは、机にうつ伏せになって死んでいる父親の姿だった。
「い、や、なに、、なんで、、何があったの、、???」
よろけながら父親の部屋を出て兄を探す。
認めたくなかった。信じたくなかった。兄が来て、リビングにいたら笑顔でドッキリだって明かしてくれて、またみんなで笑って…
そんな希望にすがりながら一生懸命兄を探す少女。
家にいないことを知ってダウンを羽織ると家を飛び出して公園に向かった。
いつもお兄ちゃんが友だちと遊んでた公園。ここになら、、
そう信じて公園へと走る。
走っていると人とぶつかってしまった。
でもお兄ちゃんを早く探さなければ。
お詫びをしないで心のなかで謝りながら公園へとまたスピードを上げて走っていった。
その人が彼女をじっと見ていることに気づかないまま。
その人の黒い服に、血痕がついていることに気づかないまま。
公園につくと兄はいないかと探し回った。
ブランコの近く、鉄棒の周り。こんなとこにいるわけ無いだろうというところまで。
すると、すべり台の近くに行ったときに荒い息遣いを聞いた。
痛いとうめいて呼吸が難しくなっているような。
しかも、気のせいか血の匂いもするような気がする。
「ん、?」
彼女がすべり台の方に向かうと、
「お兄ちゃんっ!!!!」
彼女の兄がいた。
彼は腹部を刺されて苦しそうに横たわっていた。
「、あ、」
彼女がなにか連絡できるものがないか、救急車を呼ばなければと探すが何もない。
「お兄ちゃん、き、救急車…」
すると兄のズボンのポケットが膨らんでいることに気づきポケットをあさるとスマホが出てきた。
慌てて救急車を呼ぶと
「お兄ちゃん、どうしたの、何があったの、、?っママが、パパも、倒れてるの。し、、、、死んでる、の。お兄ちゃん、死なないで…」
相変わらず彼は苦しそうに息を繰り返していたが震える口を動かし
「大丈夫。俺は、死なないで生きる。」
とか細く、震えながらだが言った。
「お願いだからね、、生きて、お願い。」
その後救急車がつき兄を運んでいった。
お嬢ちゃんも乗ってくかい?と聞かれたが家に帰ると言って家に帰っていった。
「なんで、、?」
玄関に着くとぽつりと口から落ちてきた言葉。
「なんでママとパパが死んでるの?何があったの?」
ふらふらと自分の部屋に行き布団をかぶる。
涙がつーっと頬を流れたと思うとその少女は寝てしまった。
これが嘘でありますように。夢でありますように。いつもどおりでありますように。と頭の片隅で祈りながら。
しばらく眠っていると電話が鳴った。
恐る恐る布団から出るがやはりシーンとした家。リビングに行くと倒れている母親。
涙が込み上げてその場で倒れかけたが電話に出なければと思いスマホを手に取った。
病院からの電話だった。
「もしもし。お兄様に対する応急処置をし、出血は抑えることができました。眠っているところでしたが保護者様がお迎えに来てくださったのでお嬢様もあんし___」
「え、?どういう、?」
「お兄様を保護者様がお迎えに来てくださったんです。
まだ処置は必要だから入院をしたほうがいいのではといいましたが結構だと言われましてね。」
そんなはずはない。だって、私のママとパパ、つまりお兄ちゃんの保護者は、死んでいる____
じゃあ、迎えに来たのは、誰?
「もしもし?あの、ですからお兄様と会えるのを楽しみn___」
途中で相手の話を切り家の外にでた。
すると黒い服を来た男が家の庭のフェンスに寄りかかっていた。
「すみません、誰ですか」
そう聞くとその男は顔を上げ
「よお。お前の家族、殺されたんだろ。いや、お前の兄は死んではいないのか?
まあどうでもいい。
お前、俺の家族にならないか__?」
「いや、え?」
なんで知ってんだコイツ。
「お前、お前が殺したのか!?私の家族を!お兄ちゃんも重症に、!」
「いや俺じゃない。んー、俺の住む世界のやつ、って感じかな」
「どういうこと」
そう聞くとニヤっと口角を上げて
「気になるか?俺の家族になれば、その殺した犯人探しのお手伝い、手伝ってやるよ」
と言った。
「どうだ?なるか?」
でもその答えは一つしかない。
覚悟を決めるまでもない。
「なるよ、もちろん。」
すると男はくくっと笑って
「いいねぇ。よかったよ。」
といってきた。
「で、あんたの住む世界って何日本じゃないわけ?」
と聞くと
「いや日本だよ。
だけど、俺の住む世界は裏の日本だ。
マフィア、暴走族、大麻の売買、
そして殺し屋がいる世界だ。」
「殺し屋?」
「そう、まあここらへんは後で説明するよ。
お前が俺の家族になってくれたってことはお前もこれから裏の日本で、殺し屋として生きるってことだ」
声のトーンが下がり、ぴりぴりとした空気が伝わってくる。
それほど裏の日本は危ない、ってことか?
「いいよ私はわたしの家族を殺して危険な目に合わせた犯人を探す。
そして殺す。今決めたから。私、殺し屋になるよ」
そう言うと男はさっきまでの笑い方と違った笑い方で
「最高だよ!復讐の気持ちってすごいよねぇ。
安心しな。お前を世界一の殺し屋に育ててやる。
俺の名前は、蓮だ。
それで殺し屋で活動するときの名前がエルノメ。
お前は?」
「私は、麗那(れいな)。」
「お前の殺し屋で活動するときの名前、何にしようか
俺の場合は狂気って意味でエルノメだからなー。
よし、決めた。麗那は華のように綺麗だから『殺華』でどうだ」
「いーんじゃない?笑」
「おしじゃあこれからよろしくな、麗那。」
「こちらこそ」
家族を失った少女が殺し屋としての道を歩む。
こんなこと、「いつも通り」ではない。
でも彼女の瞳は燃えるようにきらめいていた。
〜〜数年後〜〜
真夜中、一つの影が動いていた。
その影が「静凛高等学校」と書かれた学校の前で足を止めた。
雲が動き、三日月が顔をのぞかせ、その銀色の光が顔を照らす。
雪のように白い肌、すっと筋が通った鼻、銀細工のような銀色の髪、宝石のような紫色の瞳。
そして、苺のような紅い唇。
あのときの少女が成長した姿。
当時、復讐を誓った少女の姿があった。
だれもが見とれてしまうほどの美しい容姿。
雲でさえその動きを止め、月の光が彼女の顔をずっと照らしている。
「ここに、ね。」
妖艶で美しい容姿とは似てつかない、低い声がその口から紡がれた。
そしてその真っ赤な唇が弧を描いた。
口を開くと
「待っててよ?___。」
そう言い残したあとその美しい少女はその場を離れていった。
雲がはっとしたようにまた動き始め、月の明かりを消す。
もうそのときには、彼女の姿はどこにもなかった。