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「本当ずるいな。ましろんは」
「……潤?」
「そんな顔を真っ赤にして困った顔をされても、もう無理だよ。なかったことになんてできないんだ」
「っ!」
潤の柔らかな唇が私の手の甲にそっと触れる。忠誠を誓うようなその仕草。
前にも同じことをされた。けれど、前以上に大人っぽい彼の醸し出す雰囲気に魅了された。まるで本物の王子様と錯覚してしまいそうなくらい気品を感じる美しい動作。
「記憶に焼き付けてあげる」
そう言って今度は貪るように手の甲に深い口づけをした。
聞こえてくるリップ音に甘く痺れるような舌の動きに、手を引こうとするけれど潤によって強く握られて阻止される。
「っ、潤!」
刺激が強すぎて目に涙を浮かべている私に気づいた潤が唇を離した。心臓の高鳴りを抑えるように胸元に手を当てて呼吸を繰り返す。
「強引すぎたかな」
「……こういうの、だめ」
真っ赤な顔を隠すように俯くと、温かい手がふわりと頭にのせられる。
「ごめんね」
切なさを含んだ声で囁かれた。
見た目だけではなく、中身も素敵で憧れる男の子。
そんな彼から告げられた想いは私には勿体ないくらいだった。