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イワイ
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1話「書けない」
「……もう無理かも」
深夜のスタジオ。
机の上には、途中まで書かれた歌詞と何枚もの紙。
大森はペンを置いて、椅子にもたれかかった。
「何が?」
ギターを片付けていた若井が振り返る。
「曲。全然思いつかない」
「珍しいじゃん」
「……笑えないって」
若井は少し黙ってから、大森の隣に座った。
「じゃあ、今日は作らなくていいんじゃない?」
「でも……」
「無理に作ったって、いい曲にはならないでしょ」
「……若井って、たまに正論言うよね」
「たまにって何」
大森が少しだけ笑った。
その顔を見て、若井も笑う。
「ほら。笑えるじゃん」
「……うるさい」
コメント
1件
イワイさん、第1話読ませていただきました。 「もう無理かも」から始まる静かな夜の空気感が、すごく沁みました。書けないって焦る気持ちと、それに「今日は作らなくていいんじゃない?」と軽く返す若井さんの距離感が絶妙ですね。大森さんが笑えた瞬間、ああ、この二人の関係ってこういう場所なんだなって思いました。ギター片付けながらの何気ない会話なのに、支え合ってる感じが伝わってきて、じんわり温かくなりました。続き、楽しみにしています🌷