よし! 今日のノルマ達成!! 寝るか。
えっと、ミサキ(巨大な亀型モンスターの本体)の調子はだいぶ良くなってたな。
他のみんなの体調は……うーん、まあ、パッと見苦しそうにしてるやつはいなかったから大丈夫だろう。
よおし、寝よう寝よう。
俺が眠りについてからしばらくすると襖《ふすま》が開いた。
静かにゆっくりと開けられた襖。
何かの気配が近づいてくる。
俺は一応、そう簡単には死なないが痛覚はそれなりにあるためやられる前にやっておきたい。
「誰だ!」
俺が勢いよく起き上がるとそこには見慣れた美幼女がいた。
「きゃっ! ちょ、ちょっと! いきなり大声出さないでよ! あー、びっくりしたー」
「ん? なんだ、ミノリか。おどかすなよー」
ミノリ(吸血鬼)の息が少し荒い。
なんだ? 発情しているのか?
それとも熱でもあるのか?
「ごめんね、起こすつもりはなかったの。でも、その、我慢できなくて」
「我慢?」
吸血衝動かな?
「そうか、そうか。分かった、好きなだけ吸うといいぞ」
俺は首を少し傾けて首筋がミノリ(吸血鬼)に見えるようにした。
するとミノリ(吸血鬼)は俺の目の前で膝をついた。
「ありがとう。でも、今日はもういいの。あのね、今日してほしいのはね」
ミノリ(吸血鬼)は俺の耳元で囁《ささや》く。
なるほど、そういうことだったのか。
というか寝る前に言ってくれよ、それ。
「よし、分かった。じゃあ、今日は一緒に寝ようか」
「うん!」
その日、俺はミノリ(吸血鬼)と一緒に寝た。
それにしてもミノリ(吸血鬼)にも人肌が恋しくなる時があるんだな。
まあ、俺はそんなことないけど……。
でも、やっぱりいいものだな。人の温《ぬく》もりというやつは。
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