テラーノベル
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角名視点
次の日の昼休み。今日は雨が降っているので昼食は俺たちの教室で食べていた。
治はまた彼女と昼食。
ほんと懲りないなあ。
侑はというと治が居ない環境にも慣れたのか、お弁当をほっぺいっぱいに含んで食べている。
昼休みがあと10分で終わる頃。
よし、そろそろかな。
「そのパン美味しそ、1口くれない?」
侑が今度は大きなメロンパンを食べてる。
お弁当も大きかったのに、菓子パンまで食べるなんて。
治程ではないが、侑も結構食べるんだな。
「ん、ええよ!」
ぐっと顔の前に近づけてきたが、それは拒否する。
なんたって面白くないから。
「侑、あーんして食べさせてよ」
「? なんや、今日スナ甘えたやなあ」
侑はそう言いながら1口大にパンを千切る。
いや、からかってるだけですケド。
「ほい、あーん」
あー、と口を開けてパンが入ってくるのを待つ。
その時教室に治が入ってきたのが見えたのは見て見ぬふり。
銀も気づいたのか、焦った表情で目配せしてくるが、それも無視。
だって、それが狙いだから。
すんごい眉間にシワよってんだけど。
人ってこんな顔できるんだ。
さっきと矛盾するようだが、まじでこっち来ないでほしい。
「なにイチャついてんねん」
いつもより低い声でそういう治に侑も負けじと声を荒らげる。
「お前こそなんやねん!!いつも彼女とイチャつきやがって!お前にだけは言われとうないわ!!」
まったく独占欲を隠せてない治も面白いが、 こんな丸出しの独占欲に気づいてない侑はもっと面白い。
逆ギレしちゃってるし。
一瞬治の眉がピクリと動いたのは気のせいなのだろうか。
「…ツラ貸せや、ツム」
嫌がる侑の腕を治は無理やり引っ張って連れていく。
「離せや!!クソサム!」
全く微動だにしない治。
さすがパワー4 。
侑は呆気なく教室の外に連れていかれてしまった。
これは後で怒られるだろうなぁ、なんて考えながら次の授業の準備を始めた。
侑視点
ほんっま、なんやねん!
こっちの気も知らずに彼女とイチャつくわ、スナにパンあげようとしただけなんに文句垂れるわ!
こんな身勝手な子に育てた覚えないわ!
さっきから何も喋らんし。
なんやねんもう。
「おい」
「…なん」
「ここ入れ」
指さされたのは空き教室。
なんや、誰も居らんところで殴り合いでも始める気か。
入るけども。
「なんでこんなとこ連れ…」
そう言いかけたところで治が俺を壁に追い詰めるように近づいてきた。
その圧に負け、後ずさりしたのもつかの間、まさかの壁ドン。
いや、違う。
壁ドォォンだ。
絶対効果音間違っとる。
力加減下手すぎやろ。何でそんな怒ってんねん。
「嫉妬、した?」
は?
そらしたけど…
「なんで嫉妬せなあかんねん」
こう答えるのが妥当だと思った。
ちゅ
「…へ、」
「まだ俺に嘘つけるん?」
え、今、キスした?
いっきに顔が赤くなる。
少し微笑んだ余裕そうな表情もいつもと違って色っぽく見えてしまう。
「つーむ、こっち見てや」
ほんまにダメ。
あの目に見つめられると嘘ひとつつけなくなる。
全て見通されてるみたいで。
「俺はつむんこと大好きや。もちろん恋愛の方でな。」
「え、それほんと?嘘やない?」
何故か声が震えてしまう。
「ほんまや。おかしいくらい愛しとる。つむは、俺ん事好き?」
今度は甘いくて、でも少し心配そうな目で見つめてくる。
「…す、き…//」
その瞬間の治の表情は一生忘れられないだろう。
にんまりと口角をあげて、まるで勝ち誇ったとでも言いたそうな顔。
そうか。全てはこいつの手のひらのうえだったわけか。
でも、それでもいいとも思えた。
治になら俺の全てを捧げることができるから。
だから、お願いだから
「ずっと一緒におってな」
それに答えるようにぎゅっと抱きしめてくれる治を愛おしいと思えるのはとっくに治の愛に堕ちていたからだろう。
俺たちだけの愛を育んでいく
END
最後適当に書いちゃってごめんなさい🙏
コメント
5件
最っ高💕最後ふたり結ばれて良かったぁ〜ッ!!にしてもツム可愛すぎて死んでまうところやった笑 最っ高な治侑をありがとおございました❣️🫶
最高です! 一言で言ったら愛してるレベルで好き てかこんなの一言で表されないくらいに面白いです! この小説のためだけに脳に刻まれるくらい暗記したいと思いますw