チュンッ
ガキンッ
突然、リン・ゴメスが手に持っていたナイフが地面に叩きつけられる。
「な、何!?」
リン・ゴメスは驚いたように目を丸くする。バナナ達も目を丸くさせたが、バナナはすぐさま銃が飛んできた方を向く。そこには、
スコープを覗いている息子・トキがいた。
「なっ・・・!?トキ!?」
思わずそう叫ぶ。トキはこっちに気づくとヒラヒラと手を振る。
「は、な、なんでだ!?こっちに息子がいるはず・・・!?」
すると、そのリン・ゴメスが人質として取っていた息子であるその子供はクックックと喉から笑う。
「な、何がおかしい!!」
すると、その子供は顔を上げた。
“同じ赤色だが、こちらは真っ直ぐな力強い瞳”の“少女”だ。
「残念、はずれ。ZAKOめ」
「なっ!!」
そうこぼしたのもつかの間、その子供、カネリは掴まれていたリン・ゴメスの腕を引き、思いっきり背負い投げをした。
「ぐはっ!!」
背中を強く叩きつけられ、リン・ゴメスは痛みに藻掻く。
そう、トキだと思っていたのは、カネリだった。カネリがトキと同じような金髪をし、服装はトキから借りたのだった。
突然リン・ゴメスが倒され、皆目を丸くしていると、
ドタッ
トキの変装をしたカネリを連れてきた男が倒れた。男は目を回していた。
「な!?なに!?さっきまで歩いて・・・」
と、リン・ゴメスに仕えていた兵の1人がそう呟くと、
「私の“魔法”で操ったのよ」
上から声が聞こえたと思うと、空から蓬莱がふわりと降りたつ。
「なっ!!構えろ!!」
兵の中でも身なりのいい兵士長がそう叫ぶと、皆、蓬莱に剣を向けた。だが、
「すまない!!」
「ぐぁ!?」
「な、なんだ!?」
突然数人の兵が倒された。しかも、相手は子供なのに。兵士長は剣を向けていると、
「ねぇねぇ知ってるー?」
と、子供らしい声で後ろから少女が顔を出した。兵士長は思わず後ずさりする。
気配を感じ取れなかったのだ。
その少女はニコニコとアメシストの瞳を揺らし、笑顔で答えた。
「雷って高いところに落ちるんだって、それと、鉄や金属に落ちやすいんだってさ!」
「な、なにが言いたい・・・」
「おじさん、私たちより背が高いし、その剣、鉄製でしょ?結構危ないかもよ〜?」
と、少女が人差し指を天に向けた。次の瞬間、その指先を降ろした途端、兵士長に雷が直撃した。
「「・・・風音/天満・・・少しやりすぎ・・・」」
思わず2人の父親はそうこぼすしか出来なかった。
すると、リン・ゴメスが爆弾のスイッチに手を伸ばそうとした、だが、
「どっせぇい!!」
と、銀子が上からハンマーを振り下ろし、ズガンッと地響きを起こした。ハンマーは見事爆弾のスイッチの粉々に砕いた。
リン・ゴメスの野望ごと打ち砕いたのだった。
✵✵✵✵✵
「お父さん!!」
子供達は両親の元に駆け寄った。
「天満!蓬莱!!良かった!無事で・・・」
エウリとすまないはホッとしていた。
他のみんなも子供が無事に帰ってきてくれてホッとしたようだ。
「おい、こいつらを連れて行け」
「「「ハッ!!」」」
衛兵がリン・ゴメス達やその兵士達を拘束し、地下牢へ連れていった。
「ともかく、爆弾を探さねば」
と、バナナがそう零すと、「あ」と天満がこぼした。
「そのことなんですけど・・・多分、爆弾ってのは嘘ですよ?」
「「え?」」
と、バナナとリンゴ王妃はそうこぼした。
「だって、一応ぐるりと見て回ったけど、どこにも異物はなかったし、何より“火薬の匂い”がしなかったから、多分嘘だと思います」
「嘘!?・・・あ〜・・・良かった・・・」
と、すまない先生達はほっとしていると、
連れていかれそうになったリン・ゴメスがパーティーの配膳からナイフを奪い取り、バナナ達に突っ込んで行った。
そのナイフの刃は、“トキ”を向いていた。
「ッ!!トキ!!」
「!」