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ちょっと待って、なんで?
あたしはもう1度、鏡を覗く。
そこに写っていたのは、獣耳も、尻尾もない、寝癖のついたあたしだった。
一昨日までのあたしだった。
まさか、全部が夢だった?
でも昨日ほっぺをつねったら普通に力加減ミスってめっちゃ痛かったし…
「あたし、人間だよね?」
鏡に映る自分に問いかける。
当たり前のように答えは返ってこないけれど、そうだよって言ってほしかった。
ドンドンッ!
部屋のドアが叩かれる。
ずっと鏡に集中していたあたしは驚いて飛び上がった。
「モモー?学校遅刻するよー?」
アオだ…って、もうそんな時間!?
ガチャッ
「入るね〜ん」
「待ってリリー、言葉と行動が逆だよ!!」
「え、そう?」
「そう!普通入るねーって言ってからドア開ける!」
「おっけー、次そうするわー」
「てか、今思うとなんでドア開けられんの!?」
「え?ドアの鍵、空いてたけど」
やばい!
昨日は疲れててベッドに直行したから、そのままにしてたのかも!
「鍵、閉め忘れてたわ…マジ開けたのがリリーで良かった…」
「それより早く着替えたほうがええんやない?www」
「アオ!?なんで笑ってんの!」
「だって〜、あんた寝癖ボッサボサ×パジャマのダブルパンチやでwww」
め、めちゃくちゃ恥ずかしい!
顔がみるみる熱くなっていく。
「やばーーーい!」
バンッ!!
あたしはドアを思いっきり押してアオとリリーを押し出し、鍵を閉めた。
マジで早く着替えないと遅刻しそう。
_____まあ寮は学校の隣だからすぐそこだけどね。
あたしは大慌てで制服を着て、顔を洗って歯を磨き、寝癖をピンで止める。
朝ごはん食べる暇なかったけど、まあいいか。
お昼ごはん大盛りにしよう。
靴を履いて、リュックを持って、ドアを開ける。
「ごめーん、待った?」
「うん、待った!」
「アオwww」
「www」
いつものハイテンションで、廊下を笑いながら駆け抜ける。
全部夢だよね。
本とかでは妖怪とか幽霊とか、異能力とか見るけど、ノンフィクション(現実)とフィクション(空想世界)は違うもん。
あたしはグッと足に力を入れ、廊下を端までダッシュする。
「モモ速ッ!!」
けど勢いをつけすぎて、壁に衝突!
ごんっ
「出たー!モモのおっちょこちょい」
笑うアオとリリーの声を聞きながら、あたしは起き上がる。
今日も1日頑張ろう。
あたしは世界1、ポジティブで不思議なJKだッ!