毎日の様に見る悪夢
私は其の夢に心を蝕まれている
眠い筈なのに眠れない
でも人間生きていれば眠気は必ず来る
そして私も寝るしか無い
目を閉じれば何時も同じ夢
同じ悪夢
太宰「ッは、ッはッ、はぁッ」
目が醒めると何時もの天井
息が荒い
身体に汗が滲んでいて
心臓の音が五月蝿く響いている
太宰「ッ又、か」
太宰「もう嫌だ、」
私は毎日の様に見る悪夢に
嫌気が刺していた
太宰「更々行かないと」
気付けば朝の八時頃になっていた
探偵社は八時から始まる為
もう遅刻は確定している
結局一睡もする事は出来なかった
仕方無く重い身体を起こして
顔を洗い歯を磨き包帯を巻く
包帯を巻く時間が一番嫌いだ
目に映る傷跡
古傷になっているが痛々しい傷跡だ
今も雨の日や体調が優れない日は傷が痛む
包帯を巻き終えたら着替える
茶色のコートを見てある人物を思い出す
心の奥から込み上げてくる何かを抑えて
私は鏡の前に立つ
鏡の自分を見て嫌気が刺した
昔やより伸びた背丈
昔よりも鮮明に見える顔
昔よりも明るい表情
私は光の世界に行って変われたと思う
でも其れは外側の話
中身は何も変われていないのだ
幻覚で見える血
一瞬だけ何時も自分の身体が血塗れに
なっている姿が見える
きっと昔の残像だろう
私は鏡の前で笑う
笑う練習をする
何時もみたいな笑顔が出来る様に
毎朝笑顔の練習をするのが日常だ
太宰「うん、完璧」
そう鏡の前で呟くと私は靴を履いて
薄暗い部屋から足を踏み出した
朝は眩しい
自分には勿体無い位に眩しい
私は朝が嫌いだ
朝は一日の始まりだから
地獄の始まりだから
川を見つめて入水しようか考えるが
今日は辞めておく事にした
だって今日は【運命】の日だから
私はギュッと拳を握り締めて
何時もの様に探偵社へ向かった
探偵社に着くと中が騒がしかった
何か問題が起こった様だ
私は其の正体を知っているけどね
ガチャ
太宰「おはよ~ございます!」
国木田「遅いぞッ!」
太宰「ごめんって~」
太宰「でも何時もよりは早いよ?」
国木田「まぁ良い、兎に角座れ」
国木田「今から会議を行う」
太宰「何かあったの?」
私は知らないフリをする
国木田「少し問題が起きた」
太宰「そうなんだ」
素っ気無い返事を返して会議室を覗くと
皆んな揃っている様だった
敦「太宰さん来たんですねッ!」
太宰「寝坊をしてしまってね」
敦君と一言交わすと国木田君が戻って来て
場を仕切り出した
国木田「早く座れ」
太宰「は~い」
国木田「本日の内容ですが」
国木田「手元にある資料をご覧下さい」
皆んなの目の前には
数枚の資料が置かれていた
私は其の資料を一枚捲って見つめた
内容は【何時も】と変わらない
国木田「異能力者の組織が街を破壊している時間が多発しています」
国木田「此処最近で六件被害が出てます」
与謝野「凄いねぇ」
国木田「人数は分かっているだけで百人越えです」
国木田「其の中には幹部と呼ばれる階級の人間が六人、首領が一人居ます」
敦「凄い数…」
谷崎「真逆僕達が全員で其の組織を捕まえろって事ですか、?」
国木田「協力者は居る」
賢治「誰ですか?」
国木田「ポートマフィアだ」
敦「ポートマフィア!?」
与謝野「其れで作戦は成り立つのかい?」
国木田「はい」
国木田「既に作戦は練っています」
国木田「作戦の内容についてです」
国木田「先ずポートマフィア幹部ニ名で見張りなどを倒します」
国木田「そしたら我々から谷崎・敦・太宰・賢治・俺、ポートマフィアからは一名の幹部が中へ突入」
国木田「与謝野さん・乱歩さん・社長・ポートマフィアの首領は拠点で待機」
国木田「突入チームは大きく分けて二つに分かれる」
国木田「一つ目は幹部チーム、太宰・谷崎・俺で幹部を足止め」
国木田「其の他の敦・賢治・ポートマフィアの幹部は首領チームだ」
乱歩「其れで大丈夫なの?」
解説の途中で口を挟んだのは
お菓子とラムネを持ってる乱歩さんだった
乱歩「圧倒的に幹部チームの戦力が少ない、幹部は全部で六人」
乱歩「足止め出来るの?」
乱歩さんは私が言おうとした事を
代弁して何時も言ってくれる
乱歩「其れに太宰は戦力にならない」
乱歩「太宰の異能は異能無効化だ」
乱歩「無効化は便利だが戦うとなると谷崎と国木田しか居ない」
乱歩「実質6対2だ」
国木田「確かに、」
太宰「其の通りだよ」
太宰「私に体術などの戦う術は無い」
太宰「二人で戦って貰わないといけない」
太宰「流石に負荷が大きいんじゃない?」
私の発言に一同は混乱していた
当たり前だ
何時もサボってばかりで
今まで発言なんてした事が無かった
皆私の真面な発言に驚きが隠せない
国木田「そ、そうだな」
国木田「考え直さなければボソッ」
私なら此処で発言を終わるだろう
然し私は発言を続けた
太宰「見張りを倒すのにポートマフィアの幹部二人も要らないでしょう?」
太宰「彼方には部下が居るんだからせめて一人で良いんじゃ無いかな」
国木田「…確かにそうだな」
太宰「ポートマフィアの幹部の振り分けはもう決まってるの?」
国木田「あぁ」
太宰「誰が何処?」
乱歩さん以外動揺を隠せて居ないが
私は気にせず発言を続けた
国木田「紅葉と梶井と言う奴が見張りを倒す役で突入は中原と言う奴だ」
太宰「紅葉さんを突入に回せば良い」
太宰「梶井は爆弾を使う広範囲の攻撃が可能だから大丈夫でしょ」
国木田「では其の案でもう一度彼方と意見を話し合ってみる」
国木田「今から三十分後にポートマフィアが探偵社へ来る」
国木田「其々準備に当たれ」
一同「はい」
【運命】は直ぐ其処だ
敦「今日の太宰さん真面目ですね」
太宰「私はいつでも真面目だよ敦君」
与謝野「何か薬でも飲んだかい?」
太宰「飲んでませんよ!」
乱歩「…..」
乱歩「太宰」
太宰「はい?」
乱歩「ちょっと此方へ来い」
太宰「…..」
矢張り乱歩さんだけは皆とは
違う感じ取り方をしたらしい
乱歩「何か隠し事をしているな?」
太宰「何の事でしょう?」
乱歩「誤魔化すな」
乱歩さんの声は何時もと違い
低く圧を感じる声だった
乱歩「何か隠しているだろう」
太宰「…さぁ」
乱歩「じゃあ何故今お前はそんなに【焦っている】んだ」
太宰「…..」
焦ってる、か
太宰「焦ってなど居ません」
乱歩「僕を騙せると思っているのか?」
太宰「…今回は大変な戦いになります」
太宰「其れは貴方も分かっているでしょう?乱歩さん」
乱歩「あぁ、分かっている」
太宰「だから焦っているんですよ」
乱歩「…そうか」
怪しがりながら乱歩さんは
部屋を出て行った
此れも【前と同じ】
矢張り乱歩さんの目は鋭い
太宰「ふぅ、」
私は一息付き、何事も無かったかの様に
皆んなの居る部屋へと戻った
私が部屋に戻って数分経った頃
入り口の方から扉を開ける音が聴こえた
森「失礼するよ」
国木田「待っていたぞ」
ポートマフィアの姿を確認した直後
探偵社員全員は警戒体勢に入った
森「そんなに身構えなくて良いよ」
森「今日は戦う為に来た訳では無い」
国木田「…そうだな」
国木田「此方へ来い」
国木田「最終会議を行う」
森「あぁ、宜しく頼んだよ」
森さんの背後には幹部全員と黒蜥蜴が居た
会議室はキツキツだ
国木田「では最終会議を行います」
国木田「今日探偵社員全員に作戦を説明した処欠点が見つかりまして」
森「欠点?」
国木田「幹部チームの戦闘力が足りていない、と言う話です」
国木田「幹部チームは谷崎・太宰・俺でしたが太宰の異能力上戦闘力に欠けます」
国木田「其の為見張りを倒す役であった紅葉を幹部チームに移す、と言う案が出ました」
森「成程ねぇ」
さぁ、一つ目の壁だ
森「其れでも良いのだけど首領チームに置いていた中也君を幹部チームに回しても良いと思うよ」
森さんの企みが丸見えだ
太宰「嫌ですね」
中也「お断りします」
私と中也の声が重なった
太宰「態々中也を回す必要無いでしょう」
太宰「紅葉さんが来れば十分だ」
森「紅葉君を首領チームに回して中也君を幹部チームに回すのはどうかね?」
乱歩「悪く無い」
私が反応するよりも早く乱歩さんが森さんの言葉に反応をした
乱歩「何方も大きな戦力になる」
太宰「でもぉ~、」
中也「手前、先程から五月蝿ぇぞ」
太宰「中也だって私と組むの嫌だろう?」
中也「其れは当たり前ぇだが此れは共同任務だ、文句言うな」
太宰「ちぇ」
国木田「では首領チームに尾崎紅葉、幹部チームに中原中也で宜しいでしょうか」
森「構わないよ」
森「あ、一つ前回言い忘れていたことがあったんだけど」
森「芥川君は首領チームに入るよ」
敦「え”ッ」
敦「芥川と一緒ですかッ、?」
芥川「愚者ごときが文句を言うで無い」
敦「五月蝿いなぁ、」
太宰「敦君、我慢し給え」
太宰「私も我慢するから」
敦「…分かりました、」
国木田「では最後に最終確認をします」
国木田「ーーーー、ーーー」
国木田「ーーーーーーーーー」
此処迄は【前と同じ】
勝負は此れからだ
どうでしたか?
確実に没だけど、多分次回でこのストーリー終わるので最後まで頑張りたいと思います
やっぱり書くの難しいなぁ、
私って太宰さんが主人公の話しか書いてない((((
次回は❤️1000で投稿します!
では、またね!
コメント
21件
やっば…えもうやばいめっっっっっっっちゃ好きです(((( 雲☁さんの作品マジで続きが気になる…え?雲☁さんって小説家だったりします???????
ぐぁッ!ガバッゲホッッ…ゔっ:( ;´ཫ`;): うっ……運命とは、、?前までとは?輪廻転生…? あぁヤバい!続きが楽しみすぎてッッ!! 今回も神作品な予感!続き楽しみにしてますね!無理しないていどに!何事も雲ちゃんの体調が一番大事だよ!