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記者会見会場。明るく笑って出てきた侑は、スーツ姿で妙に上機嫌だった。
『宮選手、ご結婚おめでとうございます!
率直に、今のお気持ちは?』
「最っ高やな。
ずっと離す気なかったし、やっと“正式に俺のもん”って言えるし」
いきなり重い。
記者がざわついた。
『“俺のもの”…とは?』
「そのまんまの意味。
俺が世界で一番大事にする人ってことや。
他の言い方ある?」
笑顔で即答。
笑ってるくせに目が本気すぎて誰も突っ込めない。
『奥様のどういうところに惹かれたんですか?』
「全部やけど?
顔も可愛いし、性格も好み。
俺のこと見てくれる目とか、たまらんし。
なんなら、俺のこと見て泣くとこも可愛い」
テロップ:
『宮侑選手、終始デレデレ』
『あ、あの。結婚の決め手になったエピソードは?』
「あー……発表見てひっくり返ったやろ?」
『???』
侑は楽しそうに笑う
「テレビの前で倒れるくらいショック受けとった。
あれ見た瞬間、“あ、もう責任取らなあかんな”って思ったわ」
『……倒れた?』
「かわいいやろ?
俺の結婚で倒れる嫁、世界に一人だけやで」
胸を張って自慢気。
記者達のペンが一瞬止まった。
『その……奥様は大丈夫だったのでしょうか?』
「大丈夫や。
倒れたあとすぐ俺が抱きしめたし。
なんなら、そのあともずっと抱いとったし」
『え、えぇ……?』
「離したらまた倒れそうでな?
安心するまで腕の中におったほうがいいやろ」
さらっと言うが意味が重い。
『……なるほど。では最後に、奥様へ一言お願いします』
侑は一瞬だけ照れたように目を伏せ、
だが次の瞬間には満面の笑みでカメラを真正面から撃ち抜いた。
「大好きやで。
これからも俺から逃げられる思うなよ?」
ドSの笑顔。
会場が静まり返った後、ファンの悲鳴だけがSNSに流れた。