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段々と地面に落ちていく。
あぁ…もう終わりなんだ
そんな時に思い出すのを走馬灯というらしい
僕は今走馬灯を見始めていた。
こういう時僕はどんな事を思い出すのだろう。
嬉しかった事?楽しかった事?
皮肉にも僕が思い出すのは
辛かった日々のことだった。
毎日のように虐められ、悪口を言われ。
気持ち悪がられ、泣きじゃくり、
呼吸ができなくなった日々の記憶
走馬灯まで、こんな様なのかよ。
けど、そんな日々ももうおしまいだ
と、考えると心が軽くなった。
正直嬉しかった。もう辛い思いをしなくてもいいことあいつらに後悔を植え付けられることができること。
助けてくれなかった奴らへの復習。
何より、僕のした事は正しかったんだ。
走馬灯が終わり目を開ける。
上には、泣きながら手を伸ばしている彼がいた。
最後まで僕に優しくしてくれた人。
あぁ…彼のことを忘れていた
ごめんね。ごめんね。
こんな僕に優しくてしてくれてありがとう。
君とまだやりたいこと沢山あったのに
手を伸ばすが当たり前にその手に触れることは出来なかった。
もう、地面は間近だった。
最後になって僕は呟いた。
「 あぁ…生きたい。 」
彼は助けようとしたのか。
それとも突き飛ばしたのか。
「走馬灯」
作・ぺろ