テラーノベル
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「ね、ねえ、はやちゃん…なんかあるべきものがなくて、無いはずのものがあるような…」
困惑に満ちたその声は、艶やかだった。元々が圧倒的な美形の中性的な顔立ちだからこそ、女性の体になった途端、その美しさが爆発していると言ってもいいだろう。
元々細かった腰回りはさらに華奢になり、身長は10センチぐらい縮み、成人女性としては高めではあるが、男である自分と並ぶと絶妙な体格差が生まれている…顔と髪は紛れもなくいつもの「柔太朗」のはずなのに。
そして何より問題なのは、身につけているのはいつも寝間着として着ているTシャツとハーフパンツなのだが… 当然、サイズの合わなくなったTシャツの首元は大きくはだけ、新しく備わった膨らみを隠しきれていないし、ハーフパンツに至っては若干落ちている。
「…ね、ねえ…はやちゃん…?」
どうしていいか分からず、潤んだ瞳でこちらを見上げてくる。その無防備すぎる姿に、俺の理性は音を立てて崩壊しかけていた。
「…っ…じゅう、頼むから屈まないでくれ…その…色々見えそうだから…!」
「…っ…え?」
言われた意味が分かっていないのか、首をかしげる。その拍子に、開いた胸元から見えてはいけないものが見えてしまい、慌てて目を逸らす。
「それと…あんまり…くっつかないでくれ…!」
「…なんで?」
状況をまだ冗談だと思っているのか、それとも不安で仕方がないのか…どちらなのかは分からないが、腕にしがみついてくる。
「…っ…!」
柔らかいそれが、腕にこれでもかと押し当てられる。
恋人同士だからスキンシップなど慣れているはずなのに、今のじゅうの体から伝わる感触と温もりは、破壊力が桁違いすぎた。
(やばい、これ以上くっつかれたら…!)
「俺、はやちゃんの恋人なのに…」
潤んだ瞳を上に向けて、あざといほどに切なげな上目遣いをしてくる。その仕草一つをとっても、女性になったことで何倍もの破壊力を纏っており、心臓が持たないとばかりに頭を抱える。
「…っ…そうだけどさ…!!」
「…何でいつもと違うの?」
首をかしげながら、まるで悪びれもなくそう言い放つ。男の時の感覚でサラリとそんな色気のあることを言ってくるから、精神力はすでに限界突破寸前だった。
「…お前、今日の仕事何だったか忘れたのか?」
「…何だったかって…あっ…」
そこでようやく、じゅうの動きがピタッと止まった。
そう、今日は新曲のレコーディングをする日…ファンや一般の人達などの目に触れる外部の仕事ではないが、スタジオにはマネージャーもいれば、いつも共に活動しているメンバーがいる。関係者以外との接触はないとはいえ、ヤバい状況であることには変わりなかった。
服や髪型なら、大きめのパーカーを着たりしてある程度ごまかせるかもしれない…が、一番隠しようがない問題が残っている。
「…っ…あー…あー…え、待って…いつもの声…全然出ない…」
じゅうの口から発せられたのは、いつもの声ではなく… どこか艶やかで、耳の奥をくすぐるような…麗しい美声である。
「…待って…俺、今こんな声ではやちゃんと話してたの…??」
「…じゅうのその声…それが今のお前の姿を一番に証明してんだよ…後、胸…」
思わず浮かび上がってしまった下心を喉元まで出かかったものの、理性の最後の糸でギリギリのところで飲み込む。
「とにかく、今日の仕事…どうすんだよ…」
「どうするって言われても…」
そんな可愛い顔をされても困るのはこちらだ。まずは今日のスケジュール、そして何よりこの異常事態をどう乗り切るかを考えなければならない…というか…
「マネージャーやメンバーになんて説明すりゃいいんだよ…」
【…To be continued】
取り敢えずここまで公開してみましたが…いかがでしょうか??(実は既にこの続きも書いてますが…若干修正しようかなと考えてるので、公開はもう少し先になるかもです)
感想などございましたら、コメント欄にお願いします。
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m!ki
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ぬま子
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コメント
1件
おお、第2話も面白かったわ…! 性別変わっちゃったじゅうの無自覚な破壊力がエグすぎる(笑)「屈まないでくれ」とか「くっつかないでくれ」って必死に耐えるはやちゃんの気持ち、めっちゃ分かる…。でも仕事どうすんだよってとこで続くのが気になる〜! レコーディングどう乗り切るのか、次が楽しみすぎる🔥