テラーノベル
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1x1x1x1 × Shedletsky
完全に過去捏造
『2x2、早く私の元へ来い』
黒いローブをまとった彼、Telamonは幼い俺に、優しくて、大きな手を差し伸ばす。
彼の元に駆け寄った俺は、Telamonの胸に、そのままの勢いで飛びついた。
そんな俺の頭を、彼はわしゃわしゃと撫でる。
それが何よりも幸せで、嬉しかった。
愛しかった。
突然、彼は俺の前から消えた。
捨てられたんだと思った。
その事実を認めたくなくて、彼の親友のBuildermanに必死に事情を聞いた。
返ってくる答えはいつも『彼はもういない』。
それだけだった。
幼かった俺は毎日毎日、答えはもう分かってるはずなのに、Robloxじゅうの全社員に聞いて回った。
一ヶ月も経つと、そいつらは皆、俺の事を厄介な存在とみなし始めた。
いずれそれはRobloxia全体に広まった。
ここに俺の居場所はないんだ、そう思った。
昔、よくTelamonと遊んだマップに立ち寄ってみる。
彼が開発した、剣で他のプレイヤーと戦うゲームだ。
久しぶりに剣のグリップを握ってみる。
何度も握ったはずなのに、やけに新鮮に感じた。
しばらくマップを歩いていると、人影が見えた。
白い長袖Tシャツに、青の短パンといった、ラフな服装のプレイヤーのようだった。
そして何故か、ピンク色に光る剣を持っていた。
イルミナ。それは、彼――Telamonが作り残した伝説で最強の剣。
何故こんな普通のプレイヤーが持っているのか、理解ができなかった。
興味本位で近づいてみる。
“プレイヤー”は驚いたように振り向き、俺の事をじっと見つめた。
俯きながら、そいつは口を開いた。
『…お前か、2x2』
その声に、その呼び方に、ふと親しみを感じた。
「Telamon…?」
そいつは顔を上げ、どこか物悲しい笑みを浮かべる。
綺麗な目だった。
優しそうで、懐かしい目。
いつもはローブのフードで隠れていた目。
俺は泣き崩れた。
同時に、彼に問い詰めた。
「寂しかった」とか、「何故俺を置いてったんだ」とか。
でも彼は、頷きもせず、慰める言葉も、手で俺の頭を撫でようともしない。
ただ、その”目”で、俺を睨みつけるだけだった。
まるで俺の事を嫌悪しているかのように。
――忘れ去りたい過去を、思い出してしまった時のように。
俺は彼に、冷たく突き放されたように感じた。
何故だろう?
俺はこんなにも、彼の事が大好きで大好きで、本当の憧れの存在だったのに。
俺は彼に対して、徐々に『憎悪』の感情が湧き始めた。
俺を捨てたのは誰だ?
この男だ。
俺をわざと悪者扱いさせたのは誰だ?
この男だ。
俺を――裏切ったのは誰だ?
創造したのは誰だ?
どこまでも責任のない奴め。
「…貴様の創造物に殺される気分はどうだ、Shedletsky?」
薄暗いマップ。
辺りには俺が殺したサバイバー共の体が散らばっている。
正面には、腕から大量に出血した男が倒れ込んでいる。
その男は、出血した腕を支えながら、もう片方の腕で剣を握り直した。
『ハハッ……最…悪、だな』
薄ら笑いを浮かべながら、鋭い目突きで俺を睨む。
そこにかつてのTelamonの姿など微塵もなく、誰も憧れなんて抱かないような、みっともない”創造主”の姿だった。
どうやら起き上がる力も尽きたようで、力無く視線を逸らせる。
「……全部貴様が始めた物語だ。貴様が死ねば、全てが終わる。勿論、この『復讐』もだ。」
彼の心臓めがけて、剣を振り上げる。
「ここで終わりだ、Shedletsky。」
そのまま、力任せに剣を突き刺した。
――グチャッ…
鈍く、生々しい音と共に、奇妙な感覚が手を伝う。
触れていないはずなのに、そこからドクドクと血が流れる感覚がする。
彼は、最期の一息を絞り出すように言った。
『…強く、なった…な、――1x…。』
あの時と全く同じ笑みを浮かべて。
全ての復讐を果たした俺に向けて、そう言い放った。
復讐は終わった。
やっと殺した。
なのに、手が震えて止まない。
俺はその場に崩れ落ちた。
全てが終わった開放感と、絶望感で。
そっと、傍らに横たわる彼の手に触れた。
――俺に差し伸べ、俺を撫でて、俺を突き放した手。
懐かしくて、優しくて、まだ生暖かった。
「…何だよ、俺の事忌まわしい存在じゃなかったのかよ…っ…!!」
俺は彼の心臓から、思い切り剣を引き抜いた。
鮮血がどっと溢れ出し、剣にこびり付く。
滴り落ちるその血は、気がおかしくなるほど熱く、鮮やかな赤だった。
「ははっ……はは!!死んだのか、Shedletsky!」
俺はコイツの死に様を盛大に笑ってやった。
最期の最期で、ようやくコイツは俺を認めた。
…そうだろ、強く、なっただろ?
――お前のせいで。
俺は、死後硬直前の、まだ温もりを感じる彼の体を引き寄せた。
血塗れの胸元に、顔を埋めながら。
何年ぶりだろうか、久々に彼に抱きついたのは。
少しばかり、彼の身体が小さく感じた。
自分よりも、一回り細い腰。
今までみたいに、胸の奥から聞こえる鼓動は感じない。
いつもは抱き返してくれる腕も、だらんとしている。
俺はそっと、彼の口に優しく口付けをした。
どろっとした血の味が、舌に絡みつく。
それで良かった。
昔の面影が、ただ欲しかった。
死んだなら、コイツは俺を拒絶しない。
突き放すことだって、もうない。
俺は彼の上に跨り、そっと脚を開かせた。
そして欲望のままに、ぐちゃぐちゃになった感情をぶつけた。
「っはは、見ろよ、Shedletsky!こうして俺にみっともなく犯されてるとかッ…さぁ!!」
激しく、肌同士がぶつかり弾ける音が響く。
死んでいるはずなのに、彼の中は熱く、ぐちゃぐちゃに柔らかかった。
かつて眩しいほどだった憧れの存在を、こうして汚く汚す。
背徳感が混じった快楽は、徐々に俺を狂わせていった。
ぐちゅぐちゅと、生々しい水音が速さを増していく。
抑えきれなかった欲は、本能のまま彼の中に吐き出された。
俺の身体は火照りきって、暑苦しい。
それなのに彼の手は、どんどん冷たくなっていく。
温もりを失っていく。
身体も、死後硬直が進んできているようだった。
乱れた服と、辺りに散った血と精液。
それら全てが、彼の生きた証拠であって、俺が汚した証拠でもあった。
ここまで汚しておいて、俺の心はまだ、満たされていなかった。
俺は、彼の既に冷え切った手を掴んで、自分の頬に触れさせた。
しかし非情にも、腕は力無く頬から滑り落ちる。
もう、頭を撫でる温かい手も、胸の奥から聞こえる鼓動も、優しい眼差しも――何もかも、二度と感じることができないと知った。
(((ネクロ供給少なすぎて泣きそう)))
12/26 一部訂正
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