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主なんですよ( ◜▿◝ )
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えだまめ🌟🌙
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うわあああ…読み終わった後のこの胸の苦しさ、言葉にならないよ…😭💔 戦争のリアルさが凄すぎて、まるで自分も壕の中にいるみたいだった…「生きたい」っていう中村の言葉がずっと心に刺さってる。それに小嶋の「生きて帰るってのは周りを大切にすることだ」って台詞、本当にその通りだよね…泣ける…。 山田兵曹が「帝国軍人だけに染まるな、一人の日本人として生きろ」って言ったシーン、あそこがこの話の全てだと思った。 飢餓も恐怖も全部リアルで、読んでるこっちまで息苦しくなったよ…。でもそれ以上に、人間の強さと優しさが眩しかった。本当に素晴らしかった…!続きも絶対読みたい!
僕らは、飢餓の島に送られた。その運命の島はガダルカナル島という名前。
ここではたくさんの仲間と出会った。
穂馬兵長という中国戦線にいた古参兵に一度は投げ飛ばされながらもなんとか軍隊生活というものをやり遂げていた。
しかしそんな日々はすぐ終わる。
8月7日に突如襲来した米軍は航空機や戦艦の艦砲射撃を惜しみなく使用し徹底的に僕らを殲滅しようとした。
そんな中、「太陽」というものに希望を覚えたがまたもや壕という闇の中で絶望を見た。
でも、中村の「生きたい」という言葉も聞けた。
それが、嬉しかったんだ。
ただ、そんなことのために生きていたわけじゃないが、希望は見えていたんだ。
「お前を必ず故郷に返す。」
そんな決断を胸に、必死に潜伏していた壕で暮らしていた。
ほぼほぼなにもなくいつも通り過ごしていたが、とある問題が出始めていた。
1942年8月後半 ガダルカナル島 密林にある洞窟
あれ…?米…減った…?
小嶋「なぁ…最近飯減ってきてねぇか…?」
小嶋はそう中村に話していた。
中村「そうだな…あんなにあったのが夢のようだ…」
実はもともと飯盒にほとんど満杯だった米が、今ではもう飯盒の半分くらいかなかった。
中村「まぁ…仕方ないだろ…飯の補給も途絶えているんだ…」
小嶋「そうだな…」
そうして飯が少なくなった問題は諦める。
その後小嶋はとあることを話す。
小嶋「俺たち…もし…本当に敵が現れたとき…撃てるのかな…」
中村「はぁ…?撃つしか…ないだろ…」
そう暗い表情をしながら言う。
確かに身も心も一応まだ新兵である小嶋たちはそう不安を感じていた。
確かに「会ったこと」はあったが敵と「対峙」したことはなかった。
そこに鈴木が歩いてくる。
鈴木「何言ってるんですか?そんな迷いがある人に撃てる訳がないでしょう。」
鈴木は鋭いところをつく。
確かに撃つことに迷いを感じている兵士にいざ撃てと言っても撃てないのと同じ、米兵と対峙したことがないのに撃てるというのは妄想でしかない。
現実は、甘くないのだから。
二人の生きてる世界が…狭い世界だから…
わからないことだらけだ…
小嶋「そうだな、でも…覚悟だけは決めとくよ…」
そう小嶋が少し暗い顔で言う。
その後は特に何もなく小嶋と中村は2人で仲良く話をした。
その頃 隊長室
佐原大尉「おい吉田。残りの食料は?」
吉田中尉「飯盒で表すと…半分にして約4日…」
そうだ、もうすでにほとんど備蓄がなくなっていた。
敵軍の空襲によって吹き飛ばされるかもしくは敵に盗まれてしまったかだ。
だからこそ備蓄は予備のものしかなかった。
そんななかで潜入できる訳がない。
そこで…佐原大尉はある作戦を思いつく…
佐原大尉「おい森重、お前が小嶋や鈴木、設営隊と組んで敵の飯を盗めないか?我らが銃で応戦している間に。」
そう森重少尉に提案する。
森重少尉は現在設営隊と警備隊が混合している小隊を率いておりそれが可能だった。
森重はそんな大尉の命をかけた作戦に応える。
森重少尉「大尉の命令ならば、どんな命令でも。」
そして、命をかけた食料奪取作戦の計画が始まる。
翌日 朝方
セミの鳴き声が響き始めた時間帯だ。
その鳴き声を目覚ましに、小嶋たちは起きる。
小嶋「うぅ〜、はぁ〜…」
小嶋は背伸びをし体を軽くする。
そして中村を起こす。
小嶋「お〜い…中村、朝だぞ…」
中村「おう…今起きる…」
そして中村も起床、周りもほとんどの人が起き始めている。
するとなぜか奥から吉田中尉が出てくる。
小嶋「どうしたんだ?」
中村「まぁ黙って聞いてようぜ。」
そうして沈黙が広がっていくと、吉田中尉は話す。
吉田中尉「君たちに、謝らないといけないことがある。それは、もうほとんど食料の備蓄がないこと、そして命をかけた作戦に参加してもらうことだ。」
周りはざわつき始める。
小嶋たちも不安な顔になる。
え…?
飯が…ない…?
命をかけた…作戦…?
なんだよそれ…
「俺たちに…”死ね”って言いたいのか…?」
しかし吉田中尉は続ける。
吉田中尉「静かに!お願いだから最後まで聞いてくれ…」
そんな吉田中尉の悲しそうに喋ることに皆は黙る。
吉田中尉はようやく話を続ける。
吉田中尉「実は、森重少尉が率いる第一混合小隊を食料の奪取作戦の主任班とし、その他の分隊、小隊はそれを援護してもらう役割になる。」
そう吉田中尉は語り続けた。
そのとき、後ろから森重少尉が出てくる。
森重少尉「いいか!このあと第一混合小隊は壕の入り口に集合!いいな!それだけだ…」
そう森重少尉は命令を出し、また後ろに戻る。
吉田中尉はまだ作戦概要を話す。
吉田中尉「決行は!明日の夜11:30(ヒトヒトサンマル)にする!!いいな!」
そうして作戦概要を話終わっとき皆が返事する。
全員「はい!!!」
そう返事を聞いたあと、吉田中尉たちは壕の奥側へ戻っていった。
するとまた周りはざわめき始める…
日本兵たち「飯…ないのか…?」
「なんだよ…設営隊は荷物持ちってか…?」
「設営隊にだってやれることはあるのに…!役立たずって言いたいのか…?中尉殿たちは…!」
そう飯がないことと、まるで設営隊には用なしだからあえて危険な任務を背負わせたと感じさせるような説明に怒りを覚えている。
そんな皆の怒りを、吉田中尉は窪みの影で聞いていた。
涙を流しながら。
違うのだ…!
用無しなんかじゃない…
なんなら用がありまくりなんだよ…!
もっと生きてほしいからこそ…やるしかないのだ…!
この作戦は戦えるものを多く主任班にすれば護衛する部隊、つまり応戦する部隊の数が減ってしまうため設営隊を多く回していた。
設営隊のほうが重い荷物を運ぶことには慣れていると考えた佐原大尉の思いだった。
しかし、それを言葉にしないと彼らには伝わらなかった。
ある隊員は怒る。
「なんでだよ!俺等が役に立たないとでも思っているのかよ!畜生!!!!!」
ある隊員は黙る。
「………」
ある隊員はつぶやき続ける。
「死にたくない…!死にたくない死にたくない死にたくない!!!!」
ある隊員は泣く。
「守ってくれるんじゃなかったんですか…!中尉殿っ…!!!!」
そんな悲惨な皆の惨状を聞いていた吉田中尉は…
吉田中尉「すまない…!すまない…」
ただそうつぶやき続け、
泣くしかなかった。
小嶋たちは…
小嶋「俺等、本当に敵と対峙することになるな。」
中村「俺たち、撃つ勇気…でるかな…」
そんなことを心配していた。
しかし小嶋ははっきり言う。
小嶋「撃つ勇気より、「生きる勇気」だろ?大切なのは。それに、きっと生きる勇気のなかにも撃つ勇気は入ってるさ。」
そう勇気づけるような言葉に中村は応える。
中村「あぁ、生きると誓ったんだ…!絶対にまた生きて帰れるさ!」
そう、勇ましく言った。
そう、覚悟を決めた。
やがて、作戦計画を聞いてから一日が経った。
ついに決行する1時間前であり、部隊員のほとんどが1週間ぶりの外だった。
小嶋「おぉ、久しぶりの外だな。そして…星が綺麗だ…」
小嶋は久しぶりの「外」というものに感動し、星を見ていた。
仲間たちも久しぶりの外に喜んでおり、このあとに決行する作戦を忘れているようだった。
でも、今だけは忘れさせてあげよう。
中村「おい、こっちも準備終わったぜ。どうやら俺たちの班の山田兵曹がさっき戻ってきたそうだ。」
小嶋「本当か!?あの山田兵曹が…」
中村の突然の山田兵曹の生存報告に小嶋は喜ぶ。
新しい仲間とともに過去の仲間たちも戻ってきている。
「飢餓と戦争」という環境を忘れるならばなんていい環境なんだろう。
しかし今回はその「飢餓」から脱出するための作戦だ。
到底どんなにいいことがあろうと体は忘れさせてくれない。
その時腹が鳴る。
山田兵曹「腹が減っているのか、ほら残り飯だ。」
そう言い山田兵曹は自分の飯盒をあけ、余り物の米を小嶋に渡す。
山田兵曹「お前ら二人で分けろ。俺はなかなか腹が減らない体質でな。」
そう優しく言い、壕の入り口に戻っていった。
二人はいつも通りの信頼できる上官の山田兵曹で深く安心した。
戦争というものは当然のように人間の中身を変えていく。
すべて「狂気」に…
そして小嶋と中村は残り飯を分け、食べ終わる。
小嶋「腹の足しにはならないけど十分に動けるだけの栄養は確保できたな。」
中村「馬鹿野郎。残り飯を分けてもらえるだけ幸運と思え。本来なら山田兵曹の飯なんだから。」
そう中村は山田兵曹にありがたみを感じていた。
そして飯盒を山田兵曹に返しに行く。
やがて壕の前につくと山田兵曹がいた。
山田兵曹は笑顔でこちらを振り向く。
小嶋「飯、ありがとうございました。」
山田兵曹「おぉ、返しに来てくれたのか。ありがとうな。」
そう小嶋は感謝を伝えながら山田兵曹に飯盒を返す。
しかし山田兵曹は突然悲しそうな顔になり、話す。
山田兵曹「お前ら、主任部隊に選ばれたんだってな…できるなら俺もついていってやりたかったんだが…すまんな、護衛しかできなくて。」
そう山田兵曹は小嶋に申し訳なさそうに話、とうとう謝られてしまった。
そんな山田兵曹に小嶋は返す。
小嶋「いえ、飯を分けてもらっただけでも私たちは十分救われております。今までは米だけでなくそこら辺の草を水と煮たものやトカゲを食っていましたから、貴重な米をありがとうございます。」
そう、小嶋たちガダルカナルに現在潜伏している部隊は食料の備蓄がほぼない状態で密林に潜伏を始めてしまったため自然のものを食べるしかなかった。
山田兵曹「そんなに…でも…その言葉だけで助かったよ。ありがとう。」
そう山田兵曹は言い、笑顔がもどる。
少し頑固そうな顔だが、笑顔はとても優しそうだ。
するとなぜか壕の中から大きい音が鳴り響く。
気になった小嶋は壕に入る。
そして奥の方に行くとなにか殴り合いをしている人物たちがいる。
おそらく服装的に海軍設営隊の人たちだろう。
やべ…喧嘩してんのか…?こんなときに…
とりあえず止めねぇと、
そう思った小嶋は2人に近づく。
するとお互いに怒鳴りあっていた。
設営隊員1「俺は…生きて帰りたいんだ…!こんなところで死んでたまるか!俺はただ生きて帰りたいだけなんだ!それをお前に否定されることはねぇよ!!」
設営隊員2「俺たちが生きて帰れると思ってんのか!?あぁ!?そんな甘い考えがこんな苦しみ引き出してんだろ!いい加減に死ぬ覚悟決めやがれよ!」
なんだ…と…?
「生きて帰る」が…甘い考え…?
そんな考えが…苦しみを…
たしかにそうだけど…けど…!
「覚悟」は決まってるんだよ…!
小嶋「おい、生きて帰るという考えは甘い考えではないぞ。」
そう、小嶋が口を開く。
設営隊員の2人がこちらを向く。
どうやら俺たちと同じくらいの年齢のようだ。
お互いに般若のような顔をしており、一瞬恐怖を覚えたもののそれでも語る。
小嶋「お前たちになにがあったのかは知らないが、それでも断言はさせてもらう。君の言う「生きて帰る」という考え方はどういうものだ?」
そう、先ほど発言していた隊員に聞く。
するとその隊員も口を開く。
設営隊員2「そんなの、周りを捨て置いてでも自分を大切にするという帝国軍人の風上にも置けない考えだろ!!」
そう設営隊員は怒鳴る。
小嶋は少し後ずさりしてきてしまう。
しかしそれでも小嶋は教える。
小嶋「生きて帰るってのはな…」
生きて帰るってのは…
「小嶋は、この戦争から生きて帰れると本気で思ってんのか?」
生きて帰るってのは…!
「か、母ちゃん…」
生きて帰るってのは…!!!
「俺、生きたいんだよ…!!!」
生きて帰るってのは!
「俺が、お前の太陽になりたい。」
そうだな…
やっと教えてやれるようになったよ。
小嶋「生きて帰るってのはな…周りを捨て置くんじゃねぇよ。逆だ。周りを大切にし、共に進んでいくことを言うんだ!周りを捨てた瞬間、それは生きて帰るじゃねぇ。それはただの”帝国軍人”の恥さらしだ!!」
さっき反論した設営隊員も、これには反論はできなかった。
帝国軍人の名誉も守りながら、そんな中でも生きて帰りたいというただの願いをここまで言葉にできるのは世界を見てもごくわずかしかいないだろう。
いや、もしかしたら…
そんな人間いないのかもしれない。
そんな考えは偽物なのかもしれない。
でも、「俺と中村の友情」は本物だ。
その「友情」の中で誓ったんだ。
きっと、本物なんだ。
小嶋「もしそこまでお前が死にたいなら、
“帝国軍人”として死ぬか、
“一人の人間”として死ぬかよく選ぶんだな。」
そう言って二人の喧嘩を収めたあと、壕を出る。
その小嶋を出迎えたのは、山田兵曹だった。
小嶋「山田兵曹…?」
そう山田兵曹に呟くと、返事が返ってくる。
山田兵曹「どうやら俺はとても馬鹿だったようだな。俺はまだお前を一人の子供として見ていた。だからこそお前についていってやりたいと思っていたんだ。でも、必要ないな。」
山田兵曹はそう小嶋に告げる。
そして、山田兵曹は小嶋を変えるひと言を放つ。
それは…
山田兵曹「お前はまだ”一人の人間”としての感性を持っている。この戦争ではそれを失うのが普通だ。でも、お前はその面に関しては俺より上だな。」
そう山田兵曹は小嶋の戦争に侵されない人間の心を褒めた。
そして、その言葉を放つ。
山田兵曹「”帝国軍人”だけに、染まろうと思うなよ。ただ一人の”日本人”として、「生きろ」。」
そう言って、山田兵曹は去っていった。
生きろ…か。
でも…俺の考えたとおりだったよ…
やっぱり、甘い考えじゃなかったんだな…
死ぬのは簡単だ。
でも生きるのは難しい。
だからこそ、「生きて帰る」という覚悟を決めるのはなかなか難しいはずだったんだ。
でも、それでも…
俺は、あいつを故郷に返してやりたい。
そして、別れを告げさせてやりたい。
それからあいつを…
地獄まで見送ってやる…!!
待ってろよ…中村…!
そうして山田兵曹があの言葉を言って去った頃は、もうすでに腕時計は11:20(ヒトヒトニマル)を指していた。
セミも鳴かぬ時間帯だ。
ただあるのは青空と月と密林だ。
珍しく、暑くもない。
作戦決行は11:30。
だからこそ隊員の間では緊張が走っていた。
すると、佐原大尉が出てくる。
小嶋「おい、佐原大尉だ。」
佐原大尉「吉田中尉から聞いてはいると思うが、これから我々は米軍食料の奪取を行う。いや、どちらかというと”奪還”だろうな。」
そう佐原大尉は言う。
実は米軍は飛行場も設備もほとんど日本軍が作ったものを鹵獲しており罠も張り巡らす隙がなかったため米軍からしてみれば最高に整った状態だ。
だからこそ佐原大尉は”奪還”という言葉を使った。
もうそろそろか…
佐原大尉が作戦を説明してる間にも小嶋は今か今かと待ちわびている。
この作戦が成功すればそこらへんの川水やトカゲを食う生活からはおさらばだからだ。
しかしだからこそ、誰かの”命”という代償がつく。
でも佐原大尉はそんなことは気にしない。
佐原大尉「まずは護衛部隊に次ぐ。命をかけてでも主任班を守れ。もし主任班が危うくなれば突撃を仕掛けてでも注意を反らせ。いいな。」
そう護衛部隊にはまるで「突撃」を命じるような訓示を行い、次は主任班に訓示する。
佐原大尉「主任班は、米軍が護衛部隊に注意を反らせられてる間に物資のテントに潜入せよ。くれぐれも見つからぬようにな。」
そして訓示は終わり皆準備に取り掛かる。
見つかぬように…か…
せいぜい頑張るしかないか…
早く…早く飯が食べたい…
そう小嶋は思いつつも出陣の準備を終わらせる。
小嶋「よしっ、中村。いこう。」
中村「おう。いくか。」
そうして小嶋たちは第一混合部隊と合流し、出発する。
道中も護衛部隊に守られながら進む。
護衛部隊はほかの近くに潜伏していた警備隊も合同で編成されておりその数は100を超えていた。
しかし、士気は低い。
本当に大丈夫なのか…?
護衛できるのかな…
そう不安に思いつつも歩く。
ただ歩き続ける。
すると密林から抜ける道を見つける。
しかしやけに整備されている。
佐原大尉「怪しいな…よし…密林の道から行くぞ。」
そう言って佐原大尉は密林のほうへ歩いていった。
護衛部隊や主任班も続く。
すると飛行場が木と木の間から見えてくる。
やばい…ついに…決行…
失敗は許されない…畜生…
そして、決行される。
佐原大尉「森重少尉が率いる第一混合部隊は迂回し、物資テントになるべく近いところから潜入せよ。我ら吉田中尉以下護衛部隊はここから護衛する。いいな。」
そうして森重少尉は同意し、僕らはまた奥へ歩いていく。
鼻につく度に思う…
草の臭いがすごい…
少し鼻がツーンとする…
そうして歩き続けると森重少尉がいきなり止まる。
森重少尉「よし、ここからなら近い…山田兵曹率いる一班は今から潜入し、安全だと確認できれば合図を送れ、さぁいけ。」
そうして山田兵曹率いる僕らは見回りの通る道が探照灯で照らされていない間に渡る。
渡る時にも心臓が激しく動いた。
汗だって止まらない…
でも見つからなかった。
見張り台にいる奴はどうやらサボり野郎らしい。
そうして無事にテントにたどり着けた僕らは合図を出し、ほかの仲間たちを呼ぶ。
そしてついに糧食のあるテントを見つける。
森重少尉「よし、運び出せ…」
そうして静かに少しずつ糧食を運び出す。
皆緊張して手が震えていたがその震えを抑えつけて運ぶ。
落としたらすべてが終わりだ。
そんなプレッシャーを感じながらも任務を遂行する。
でも…手の震えが止まらない…
糧食を落としそうだ…
そんな事を考えていたら、不幸は訪れる。
汗で、糧食が落ちる。
え…?
やばいやばい…なんとかしないと…
とうしようどうしよう落ちたらすべてが
そう考えようとしていた時、糧食が落ちるのと同時に銃声がなる。
護衛部隊の方からだった。
山田兵曹「なんだ!?」
その時から発砲音がだんだん多くなっていく。
こちらが応戦してる間にも敵は仲間を集めてくる。
森重少尉は決断を下す。
森重少尉「仕方ない!あれだけあれば一ヶ月は持つはずだ!退くぞ!」
そうして慌ててみんな走る。
一人一人が密林に飛び込む。
小嶋も中村も道を渡り飛び込む。
ズサッと草に飛び込む音とともに汗が飛び散る。
小嶋「はぁ…はぁ…あぶなかった…」
中村「糧食を落とすなよ…護衛部隊のおかげで助かってるが…」
しかしどうやら様子を見てると護衛部隊が不利な状況になっていた。
同時刻 護衛部隊方面
吉田中尉「いいか!弾は無駄にするな!最低限の護衛だけだぞ!!」
そういい吉田中尉もピストルで応戦する。
しかし相手はマシンガンやブローニング、M1ガーランド(セミオートライフル)だって持っている。
圧倒的に不利だ…
しかし横目で脇道を見ていると主任班が出てくる。
よしっ…!これで退ける!
そう考えた吉田中尉は撤退を命令しようとする。
しかし敵はとうとう…シャーマン戦車を出してきた。
ガガガという地面に響く音とともにその大砲はこちらを向いている。
ズドーンという轟音が響く。
その瞬間密林の目の前に砲弾が着弾する。
まずい…!このままでは…!
そう考えてるのが遅すぎた。
味方は吹っ飛ぶ。
ドガァァンという爆発音とともに複数の日本兵が吹き飛ばされた。
日本兵たち「いでぇ…いでぇよぉ…!」
「助けてくれ…」 「なんでこんな目に…!!」
「………」
たとえ砲弾の破片が体を貫いても、即死することはほぼない。
体の生存機能が失われない限りは死に絶えることはない。
つまり活動が続く限りは苦しみが続く。
運良く即死できる人もいたが、死ねばもうその人は家族と会うことはできない。
運がいいのか…悪いのか…
吉田中尉「っ!…てっ、撤退しろ!!」
佐原大尉「撤退だー!!退けー!」
そうして皆が慌てて撤退しだす。
すると、主任班と合流する。
小嶋「早く!行きましょう!」
その小嶋たちの腕には大量の糧食が積まれていた。
生きて帰れば…飯が食える…
そんな希望を胸に皆は走り続ける。
しかし、それでも銃弾は飛んでくる。
ドスッと足を貫かれた兵士は必死に叫ぶ。
日本兵「お、置いてけー!!!いけー!!」
そのものは自分を捨て置けという。
足手まといになるなら、という考えだ。
立派な考えだが、現代では想像もできない。
ふつうなら、助けてほしいはずだから…
しかしそんなこと考えてられない。
ただ、走る。
「俺は生き残るぞぉぉ!!」
あの時と、また同じだな…
悲しいが…そんな実感しか生まれない…
だが止まれないんだ…!!
小嶋「生き残る…ぞぉ…!生き残ってやるぅ!!」
そう走りながら叫び、密林の奥へ僕たちは消えていった。
飯は、奪取することはできたが…
食べさせてやりたい奴らに…食わせてやれなかった…
壕の近くにつくと皆は地面に座る。
だが…嬉しみよりも、疲れや…悲しみが広がった…
日本兵たち「畜生…!なんでいっちまうんだよ!」
「食料あっても…食う隊員が少なくなったら意味ないだろ…」「くっ…は、原ぁ…!」
泣き、怒鳴るものやただ悲しみに暮れるものもいた。
そこに笑顔の隊員は、一人もいなかった。
なんで…いつも笑顔だけ消えるんだよ…!
戦争だからとかいう理由で…納得したら…駄目だろ…俺…!
小嶋は、そう自分に怒りを感じていた…
すると佐原大尉が戻ってきて、ひと言だけ発する。
佐原大尉「すまんな、皆…」
日本兵たち「…」
日本兵たちはなんと返していいのかわからなかった。
悲しそう。
辛そう。
痛そう。
そんな可哀想な感情が湧いても、助けようとは誰も思わない。
戦友を殺したのはコイツだ…
そんな恨みしか生まれてこなかったからだ。
助けようと作戦を立てたのもこの人。
だけど…殺したのもこの人…
そんな複雑な気持ちを持ちながらも、小嶋は率先して歩いていった。
そうして…
小嶋「戻りましょう…壕の中へ…」
そう、暗い顔をしながら言う。
佐原大尉は何も言い出せず、ただ従った。
どうすればいいんだよ…俺は…
そんなことを考えていると、中村に話しかけられる。
中村「お前…泣いてんのか…?」
小嶋「え…?あれ?」
ふと頬に手を当てると、水がついていた。
泣いてんのか…?俺…?
そんな自分の感情がぐちゃぐちゃになっていることもわからずに思った。
応援も来ない…
助けに来ない…
そんなところで…どうやって生き抜けばいいんだよ…!
今、ここに残ったのは、
悲しみと
涙と
ただの食料であった。
平穏など、なかった。
やがてあの作戦から数日が経った。
あの作戦で僕らはたくさんの食料を確保することができ、今日まで生き残ることができている。
払った代償は確かに大きかった。
何人もの命を差し出した。
しかし、そのおかげで食料が手に入った。
気の毒だが…死んでもらうしかなかった…
犠牲なしで、敵のものを奪うなどほぼ不可能だったからだ。
今考えれば、佐原大尉はそれを覚悟で行ったのだろう。
現在、まだ壕に潜伏している。
8月17日 夜中 ガダルカナル島 壕の中
佐原大尉はとある電文を受け取った。
その内容とは…
森重少尉「大尉、電文であります。」
佐原大尉「なんだ?早く言え。」
そう佐原大尉は急かす。
それに森重少尉も応える。
森重少尉「どうやら陸軍の一木支隊がこのガダルカナル島に上陸するようです。」
そうして、また戦争が”始まった”。
ガダルカナル〜飢餓からの脱出作戦 完結編〜