テラーノベル
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ジリジリとした暑い夏。どこからか吹いてくる風が濡れた前髪を靡かせる。
「…あっつ」
「暑い暑い言ってると余計暑くなるんだよー?知ってたー?」
若井は呑気に乗っている自転車から手を離し、俺の方を見ながら呟く。
「お前のそういう一言で余計に暑くなる」
「酷すぎ」
夏の暑さを楽しむかのように若井ははにかんだ。
若井は夏が似合うな。太陽みたいなキラキラした笑顔と、真夏の差し込むような日差しが、これでもかってぐらいに似合っている。
「…ぁ、元貴、アイス売ってるよ」
若井は反対側の歩道付近にある、昔ながらの駄菓子屋を指さす。駄菓子屋の奥には、扇風機の風に心地よさそうに目を細めるおばあさんの姿がある。
「………食べよ」
「珍しいね、元貴いつも「下校中にはダメだろ」とか真面目ぶるのに」
何やら面白可笑しそうに笑う若井を他所に、俺は横断歩道を亘り、向かい側の駄菓子屋へと入っていく。
「……うっま、冷たい…」
アイスを買ったあと、駄菓子屋の前にあるベンチに腰を下ろし、早速アイスを頬張る。
口の中にジュワっと溢れてくる甘さと、冷たさ。木の影がちょうどよく、吹いてくる風がさっきとは比べ物にならないぐらいに、心地よい。
「元貴のアイス美味しそう………ソーダ味だぁ」
若井は買ったソフトクリームを他所に、じーっと俺の方を見つめてくる。
「…早く食えよ、溶けるぞ」
「えー、…ねぇ、1口ちょうだいよぉ……」
「だから俺言ったじゃん、「ソフトクリームは飽きる」って」
ソフトクリームが俺を求めてたのぉ、と若井はしょんぼりと眉を下げながら、段々と溶け始めているソフトクリームを見つめる。
「やっぱ夏はガリガリ君だろ、さっぱりする」
「うぅ……1口だけ………俺もさっぱり欲しい」
「ぅわっ、ちょ、やめろって……っあ!」
若井が突然グイッと近寄ったせいで、溶けたソーダのシロップがポタっと俺の手首に伝う。
「……ごめんなさい」
「…若井嫌い」
手首を伝うソーダのシロップを指先で軽く拭うと、すぐにベトッとした感覚が伝わってくる。
「ほんと最悪、若井ウエットティッシュとか持ってないの?」
若井の方を軽く睨みつけるが、若井は何やらじーっと俺のアイスから目線を外さない。
「……若井?」
彼の名前を呼んだその時。
「…………ちょっ!?」
若井が俺の手首を掴んだかと思うと、ソーダ味のシロップが伝った部分をねっとりと舐め上げる。若井の舌の生暖かい感覚に、背筋がゾクゾクと音を立てる。
「ん……甘いね」
若井はそう言って何事も無かったかのように自身のソフトクリームを頬張り始める。
「……………いやいや、なんかあんだろ」
「ウエットティッシュとかないし、舐めた方が早くない?」
若井の間抜けな一言一言に俺の顔がどんどんと赤くなっていくのが分かる。若井は口の端に着いたソフトクリームをペロッと舐める。その度にさっきの記憶が痛いほど蘇ってくる。
「………もうやだ、若井嫌い」
「俺は元貴大好き」
いつの間にか若井の指先に伝った溶けたソフトクリームが、ポタリと地面へ落ちていく。
こんな甘酸っぱくて、
ちょっぴりえっちな青春してみたい🥲✨
まだまだ暑い日々が続きそうですね…
湿気でムシムシするし、髪の毛うねるし、
もう毎日最悪😮💨
今日は作者の住む地方?は
台風でして…!!!
今日は作者学校おやすみです😼💫
なので地道に書いてたお話を1つ更新!
楽しんでくれたかな?^^
コメント
2件
2人の青春にきゅんきゅんしました💚