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入社して1ヶ月ほどたち私の仕事も落ち着いたということで、同じ部署の方達が居酒屋で私の歓迎会をするらしい。祝ってもらえるのはとてもありがたいが、、、正直イギリスに会いたくない…というのも、社長ともあろう人がこんな一社員の歓迎会に普通くるわけがないが、なぜか今回イギリスも顔を出すらしい。正直言ってとても憂鬱だ。和解した今でも私は正直イギリスが苦手だしあまり好ましくない。できれば顔を合わせたくないが、、彼は社長なので、仕方がない。先輩方のお顔に泥を塗るわけにもいから…嫌々ながらも歓迎会に出席することにした
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先輩方から勧められるがままに酒を飲んでいたためか、アルコールに強い私でも少し頭がフラフラしてきた。飲みっぷりのいい私をみて先輩方は気をよくしたのか、次々と酒を頼んでいく。もう皆泥酔状態で二次会などままならないような様子であるのに、二次会の話で盛り上がっている。
(…さすがに飲みすぎた、)
体がほてり始め、心なしか動悸がしている気がする。さすがに水を一杯もらおうと思ったが、体を動かすのが面倒だ…後でも大丈夫かと思い背もたれに体を預け目を閉じていると、この前疑念の晴れなかった「あの香り」がふわっと香ってきた
「ふふ、飲み過ぎはいけませんよ。あ、すみません。この方にお水を一杯お願いします」
『…?』
…この声は、、彼、の声、、?頭が朦朧としていて働かない、
「新しい方ですよね。先輩たちに飲まされたのでしょう?どうか無理はなさらないでくださいね」
『あぁ…ありがとう、ございます、、、貴方は、あのときの、』
「覚えて下さっていたのですね。随分と上等な手拭いだったので、ついつい目がいってしまったんんですよ」
朗らかな笑顔で話す彼。部署が違うはずの彼がなぜここにいるのかなんて、まったくわからない。が、やっと出会えた彼との時間を無駄にしたくないと思い、熱に浮かされた頭をフル回転させ返事をかえした
『それはどうも…ありがとうございます、』
「そんなことより、お顔が真っ赤ですよ。お酒の飲み過ぎで体温が上がっているんですかねぇ…少し失礼します」
…そう言って彼は私の首や額に手を当てペタペタと触り始めた。驚きのあまり体がビクッと震えてしまい、余計に熱が上がってしまった
「わっ、すいません、触られるの…嫌でした、?」
『、、!いえ、そんなことは、、お気遣いありがとうございます…』
「ふふ、なんとも可愛いらしい。お名前は?」
『…!、、ドイツ、です、』
「ドイツさん、これからよろしくお願いしま」
「こんなところにいたのか、日本」
「…イギリスさん」
、!イギリスがなぜここに、?それと、彼の名前は日本というのか…イギリスは彼を呼び捨てに、、どういった関係性、?どんな繋がり、?2人は一体……
「…それにしても日本、少しドイツと距離が近すぎやしないか?」
「…お熱がありそうだったので測っていただけですよ」
イギリスが私の方へ近づいた瞬間、あの香りがより一層強くなった。…私は気づいてしまった。この香りの懐かしさの正体に。
「ドイツ、熱でもあるのか?どれ、私に見せてみなさい。」
『…大丈夫、です。ご心配をおかけしてすいません。ありがとうございます…』
「とのことだが?日本」
「…ドイツさん、お酒は体に毒ですよ。お体を大切にね」
…彼、いや、日本さんはそう私の耳元で囁いて、席を立った
「ドイツ、私は日本とこれから大事な
“用事,,があるのでね。先にお暇させていただくよ」
『…っ、』
そういって、イギリスは日本さんの腰を抱いて酒屋から出て行った
…あの懐かしさを感じるアイリスの正体がわかってしまった。
あれは、
“イギリスが昔から愛用している香水,,の香りだ。
点と点が繋がって、一つの線になる。
違う部署であろう彼がなぜここにいたのか、なぜ2人からは同じ香りがしたのか、
なぜイギリスは彼の腰を抱いていたのか
考えられることは、もう一つしかない
…日本さんはイギリスの愛人だ