任務からの帰り道、コンちゃんにダメ元で聞いてみる。
ら 「 あのー、給料ってすぐ貰えたり…? 」
コ 「 え、そんなに生活キツいの? 」
ら 「 そろそろ朝ごはんも食べれなくなる… 」
コ 「 んー… 」
コンちゃんは少し考え、閃いたような顔で提案した。
コ 「 じゃあ、ウチ住めば? 」
き 「 まぁ、俺はかまわへんで? 」
み 「 ラダオクントイッショニスミタイ 」
レ 「 部屋は空いてるし大丈夫じゃない? 」
コ 「 との事だし、大丈夫だと思うよ? 」
こいつ、申し訳ないから大丈夫って言ったら全員に聞いて周りやがった。
まぁでも実際そうでもしないとそろそろ飢え死にそうだ……
コ 「 自分の部屋もあるし、毎日三食レウさ んのご飯付きだよ?まぁちょっと依頼の量は増えるけど 」
ら 「 うーん… 」
今日来た時に食べたレウさんの手作りクッキーめっちゃ美味しかったしな…
ら 「 …お風呂って個室? 」
コ 「 ついてる部屋もあるよ〜 」
なら特に問題は無いし、むしろ利益しかない。
ら 「 …これからよろしくお願いします 」
コ 「 うん、是非とも〜 」
それから2週間が過ぎ、四天王の皆とも大分打ち解けた。
ほかのバイトもやめて、今はこっちの仕事に専念している。
ぺ 「 遊びきたよーー! 」
ぐ 「 頼もうー! 」
そう叫びながらズカズカと四天王達の居る東棟の居間へと入ってくる。
本来四天王しか入れないが、東棟の部屋に住んでいる俺と何故かぺいんととぐちつぼも許可されている。
ら 「 相変わらずうっせぇなお前ら…w 」
レ 「 いらっしゃい〜、今シュークリーム作ってたんだけど、食べる? 」
3人 「 食べる! 」
コ 「 こういう所だけ息ぴったりなんだよなw 」
レ 「 じゃあ2人は手洗ってきて〜 」
2人 「 はーい 」
返事をするや否や駆け足で洗面所へと行ってしまった。
ら 「 そういえばきょーさんは…? 」
コ 「 もうそろそろ帰ってくるよ〜 」
ガラガラガラドンッ
乱暴に扉が開けられる。
き 「 すまん、レウ応急手当頼めるか? 」
ら 「 ッッッッツ!!! 」
香ばしい鉄分の匂い。
食べたい。
( まずいっ……! )
ら 「 きょーさ、こっちこない、でっ!! 」
歪み出す口元を抑え、自室へと逃げ込んだ。
コンタミ視点
あれからこっそり毎回依頼について行っているが、やはり敵を氷漬けにしている。
( 首を跳ねれば一発なのにな… )
その癖毎回フラフラになって帰ってくる。
そんなことしていたら体が持たない。
ガラガラガラドンッ
キョーさんが帰ってきた。が、片腕を抑えて少し苦しそうな顔をしている。
き 「 すまん、レウ応急手当頼めるか? 」
その瞬間椅子に座っていたらっだぁは勢いよく立ち上がり、口元を抑え、
ら 「 きょーさ、こっちこない、でっ!! 」
息を荒くしながら走って恐らく自分の部屋へ行ってしまった。
き 「 …俺なんかしてもうたかな… 」
コ 「 いや、そういう訳ではなさそうだったけど… 」
ぺ 「 シュークリーム!…あれ、らっだぁは? 」
コ 「 それが、きょーさんが来た瞬間走って逃げちゃって… 」
ぺいんとはきょーさんの方をチラッと見て、何か納得したような表情を浮かべた。
ぺ 「 ごめん、やっぱ俺トイレ行ってくるから先食べてて! 」
そう言ってトイレとは真逆の方向にあるらっだぁの部屋へと向かった。
…嘘が下手だなぁ……
らっだぁ視点
「 フーッッツ、フーーッッッツ、フーーーッッ、、」
血の匂いを嗅いだ瞬間、食べたい、という願望が心を埋めつくした。
あのままいたらきっと襲ってしまっていただろう。
ぺ 「 らっだぁ…!?大丈夫? 」
ら 「 見ない、でっッッツ…、 」
今の俺は口元を血の美味そうな匂いに歪ませ、唾液を垂らして興奮している、化け物だ。
ぺ 「 大丈夫だから、俺の血、吸う…? 」
そう言い袖をまくって腕を見せる。
美味しそうだなァ……
…違う!!
ら 「 だめ、ぺんちゃ……ッッツ 」
ぺ 「 無理しないで…? 」
ら 「 ……ッッッッツ!!! 」
ガブッッツ
ぺ 「 いッッッツ…… 」
その綺麗な肌に歯を突き立て、ぺいんとの血を飲む。濃厚だが、スッキリとしていて、凄く美味い。喉を鳴らして飲む。
ぺいんとは少し痛みに顔を歪ませていたが、その顔すらそそってしまう。
あぁ…美味いなぁ……
ぺ 「 美味しい……? 」
ら 「 あっっ、ごめ………ッッ! 」
ぺいんとの声で我に返る。
結局抑えきれずに血を吸ってしまった。
ら 「 ごめんっ、俺、きょーさんの、血の匂い嗅いだら、耐えられ無くなって、ぺいんとが来たから、それで、……っつ 」
ぺ 「 俺は大丈夫だから、ね? 」
そう言い優しく抱き締めてくれる。
その優しさに、安心と罪悪感で、視界が歪む。
ら 「 ごめんっ…、ごめん………ッッツ! 」
ぺ 「 それより、その目じゃ帰れないよね… 」
ら 「 …あ、てかぺんちゃんも腕、歯型… 」
二人 「 あ…… 」
俺は、能力者の血を吸うとその能力をしばらくコピーできるのだが、その間自分の瞳が吸った相手の瞳の色になってしまうのだ。
ぺ 「 …それにらっだぁ、呪いの痕が… 」
俺は気づいた時から呪いによって身体に青黒い痕がある。
かなり不気味な形をしていて、無数の腕が体を覆っているような模様だ。
その呪いのせいで、人の血肉に対する食欲が生まれている。
その証拠に、人の血肉を食べたり、なんなら見たり嗅いだりするだけでもこの頃はその痕が伸びていくのだ。
今のように血を吸ったりすると食欲はおさまるのだが、暫く目の色も変わるし、痕も顔の方まで伸びてしまうしで隠すのが大変なのだ。
挙句の果てに額の2本の角も少し伸びてしまった。
牙も爪も獣のように鋭く尖り、いよいよ化け物のような見た目だ。
ら 「 とりあえず隠して行ってみるか… 」
あんまり遅いと疑われるし、ぐちつぼにシュークリームを取られるかもしれない。
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