黄青 nmmn
蒼翼くんと黄海くん。
第4話:てか先輩って呼びたくないな…。
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黄side
青「お前、もう俺と絡むのやめろよ。」
黄「ぇ…?」
突然君の目の色が変わる。何を言うかと思ったら僕の話を遮って「俺と絡むのをもうやめろ」?
意味がわからなかった。
黄「こ、ころちゃん…な、んで……」
「ゃ…僕は……っ」
青「俺もうさ、あの時とは違うんだよ。てか1年の頃の俺の事知ってる人いたんだな…w」
「もう俺の事は忘れてどっか行け。俺ホモじゃねえし真面目優等生のむっつりくんとはやってられねえわw」
「気持ち悪いんだよ。」
ころちゃんの声が頭にずっしりと響いて。あの時の、生徒会長になって近づけばもしかしたらまた仲良くなれるかもしれないという僕の希望と願いはは無意味だったのか。ただ、そんなことを考えた。
??「ッぅと…ちょ……ッ」ポロッ
??「るぅと会長…っ」グスッ
ただただ、苦しくて、悲しくて、寂しくて。
『 ホモ』
『 気持ち悪い』
ころちゃんのあの言葉で頭がいっぱいで。
最初はヤンキーの照れ隠しの言葉かと思っていたけど違った。ころちゃんは僕の事が嫌いなんだ。
そうグルグルと、深い眠りの中でずっと考えている中、聞き覚えのある声が僕の名前を呼んだ。
??「るぅちゃんっっ…」
黄「ッ…り、ぬ…?」パチ…
赤「…っは……」ポロポロ
「るぅと会長…っ!」グスッ…パァァッ
黄「あれ……ここ保健室…?僕はたしか屋上に…」ムクリ
赤「屋上…?屋上にいたんですか?」
黄「あれっ、莉犬が運んできてくれたんじゃないの?」
赤「俺じゃないです!先生からるぅと会長が倒れたって聞いて今保健室に来たので…」
この子は莉犬。3年生になってからできた僕の友達こと後輩。僕の一個下で生徒会の副会長。友達になったのは3年生の入学式で、ハンカチを落としてしまった時に莉犬が拾って渡してくれたのがきっかけ。暗い僕を生徒会に入ろうと誘ってくれたのも莉犬。今じゃ頼りになる後輩……友達なんだ。
ここは保健室のベットだけど、屋上で倒れた僕を一体誰が運んでくれたのだろう。
黄「そうなの…?じゃあ僕を運んでくれたのは…」
赤「うーんと…俺が来る前に、会長を運んだと思われる人物が保健室の方向から歩いていくところを見ましたよ。」
黄「ぇ…。…莉犬、その子の髪色とか分かるかな…。」
赤「えっ。い、いやぁ…笑、もう誰なのかは分かってるんですけど…。」
莉犬は言いづらそうに苦笑いでそう言う。
黄「えっ、誰なの?」
赤「えぇっと…大変言いにくいんですけど、」
「ここの不良TOPの2人組の…青髪の、蒼翼先輩ですよ。」
ドクンッ
自分でもドクンと胸がなった事が分かった。
ころちゃんが…?なんで……。
赤「いやぁ、まさかあの不良男が人助けなんて…めずらしいですよね。てか先輩って呼びたくないな…。」
黄「ぁ、そっ、か……いや、そうだね。めずらしい…ね。」
赤「…え、会長まさか何か縁でもあるんですか? 」
黄「!」ギクッ
ジッと不思議そうに僕の目を見てくる莉犬。
ここは話を逸らしておこう。
黄「そういえば莉犬、さっきボロ泣きで僕の事るぅちゃんって呼んでたよね。」
赤「ッ!?///……会長っ~!起きてたんですかっ!///」
黄「ははっw起きてたよwバッチリ聞こえたw」
「そして莉犬が僕の事を先輩だって知った時のあの顔もバッチリ覚えてる笑」
赤「もっ、もう~~!!起きてるなら言ってください!!そして人の黒歴史掘り返さないでください!!笑///」
ベットに顔を埋めて恥ずかしがる莉犬。めっちゃ可愛い笑
これだから後輩ってイジりたくなっちゃうんだよね。
黄「んふ笑、るぅちゃんって呼んでもいいんだよ。」
赤「っ…///じゃあ2人だけの時は…るぅちゃんって呼ばせてもらいます…。」
黄「うん!」
一旦ころちゃんの事は忘れて、僕の事であんなに泣いてくれる後輩との時間も大切にしようと思い、莉犬の事を優しく抱きしめる。
ギュ
赤「ふえ…?会長?どうしました?」
黄「いやぁ、どうもしてないよ。」
赤「……うそ、ですよね。」
黄「…え?」
赤「今日倒れたのも、あいつとの事で何かあるんじゃないんですか?」
黄「っ…」
さすが副会長。何でもお見通し。大好きなころちゃんにあんなに言われて忘れる事が出来るわけがない。自分でも分からないけど、今日の出来事でかなりのショックを受けて相当きていたのだろう。
後輩を大事にしたいのは本心だけど、莉犬を抱きしめたのは別の理由。ただ、寂しかった。甘えたかった。この状況だと、「抱きついた」という表現の方が合っているだろうか。僕は先輩なのに、こんなに甘えてしまってもいいのだろうかと少し恥ずかしくも思う。でも、涙が溢れ出てくるのは止められない。
黄「っ……うっ…ふぅ…ッ、そうなんだよぉ…っ!辛いよぉ…っ」ポロポロッ
赤「っ、俺…めっちゃ心配したんですよ…っ。」
自分でも驚く程、涙が流れ落ちる。僕の事を気遣って背中を撫でてくれる莉犬の手は暖かかった。そしてそんな優しい莉犬とはまた裏腹に、
「気持ち悪いんだよ。」
彼の言葉が脳裏にチラついてしまう。比べちゃいけないことだって言うのは分かっているけど、気持ち悪いなんて言われたらもう泣くしかない。自分でも男の人を好きになるなんておかしいのは充分承知の上。勇気を振り絞って彼に告白したのに、忘れられている挙句の上、気持ち悪がられた。僕が同性愛者だって事を他人に伝えたのは君が初めてだった。尚更辛かった。
赤「会長、もう、休んでください…。頑張り過ぎです。」
ただただ、莉犬の言葉に甘えることしか出来ない自分が嫌だった。
─保健室前
青「…」
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蒼翼くんと黄海くん。
𝐍𝐞𝐱𝐭⇢1500♡
コメント
20件
ブクマ失礼します,
1500のつもりが、過ぎて1600にしてしまった()
青くん聞いてたのー!!!!!😭 激アツ~~~~😭😭