テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
どうもやよちです。
この度わたくしテラーで作品投稿し始めて7月14日で1周年を迎えました!!
私の作品を読んでくださいるみなさんのおかげです。 ありがとうございます。
そんな今回はノベル版の短編でしろキャメでプランツドールパロ書こうと思います
※しろせんせー目線で話が進みます。
内容の都合上今回はノベル版での投稿です。
プランツドールについて簡単に説明。
・一部の職人の手によって作られた特別な人形。
・見た目は6歳~10歳前後の子供で性格はドールによってさまざま。
・自分と波長のあう主が現れるまで眠り続けている。
・食事は1日3回の温かなミルクと週に1回程度の砂糖菓子。それ以外の物は与えてしまうと
成長する。
・プランツドールは愛がないと枯れてしまう。
という感じです。
※苦手な人は回れ右をお願いします※
良ければ最後まで読んでいただけると嬉しいです。
それでは本編へどうぞ
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
昔はそれなりに話題になったプランツドール。今ではあまり騒がれんくなった。
プランツドールは高価やし男で人形遊びなんて俺には向いてない。
きっと自分には縁のないもの。
ずっとそう思ってた。
休日。大学時代の友人に行きたいお店があるからついてきてほしいと連絡が来た。
俺はなんの疑いもなくその誘いにふたつ返事でOKした。
街はずれの 人気《ひとけ》 ない道の奥にそのお店はあった。
お店の前に来るとどこか独特な雰囲気のあるお店の外観に眉をひそめる。
「ここなんのお店なん?」
俺のその問いかけに友人は嬉しそうにプランツドールの店だと言った。
「俺実はプランツドールに興味があってさぁ、ずっと来たかったんだけど1人で来る勇気なくて、お前なら一緒行ってるれるとおもって誘ったわけ。だってここ、独特な雰囲気あるじゃん」
それでどうして俺だったのか…
プランツドール事態一時期話題になったから知ってはいたがまさか自分がそのお店に行くことになるとは思ってもみなんかった。
そこまで興味はあった訳ではなかったからどこか他人事のように思ってたし。
カランカラン
店に入るとたくさんのドールたちが椅子に座って眠っていて、 話に聞いていた通りみんな子供のような見た目をしていた。
「いらっしゃいませ」
圧巻の光景に見入っていると店の奥から店主らしきじいさんが出てきた。
「ごゆっくりご覧になってください」
友人も俺も店主に軽くお辞儀をするとまたドールに達に目をやる。
そしてすぐに俺はあるドールの前で足を止めた。
きれいな赤い髪をした男の子のドール。
なぜかそのドールから目が離せなくなった。
すると一瞬だけ瞼がピクッと動いた気がした。
気のせいかともう一度よく見るとゆっくりと開かれた緑色の瞳と目が合った。
「え、」
俺は思ってもみなかった光景に思わず声がでる。
だってプランツドールは基本眠り続け自分と波長のあった人間に出会ってはじめて目を覚ます。
そう記憶している。
それなのに俺の目の前にいる彼は目を開けて俺に笑いかけてきた。
「もしかして俺がお前を目覚めさせたんか?」
そう尋ねると彼はそうだというように首を縦に振った。
「その子を引き取られますか?」
急な展開に驚いていると様子を見ていた店主が話しかけてきた。
もし仮に引き取らんかったらこの子はどうなるんやろうか。 また眠るんかな?
そんなことを考えながら黙っていると店主が言葉を続けた。
「もし引き取らないのであればメンテナンスをしてもう一度眠らせることができますが、それはプランツドールにとって負担が大きくもう目覚めない可能性もあります」
店主の言葉を聞いて思わず息を飲む。
俺はどうするんが正解なんやろう。
子供を育てた事すらない俺にこの子の世話が務まるんかな。
けれどせっかく目覚めた彼をこのままここにおいて帰るんも可哀想すぎる。
頭の中でぐるぐると考えていると誰かにズボンを引っ張られた。
見るとさっきの子が俺のズボンをつかんで不安そうな表情で俺を見上げている。
その表情を見ていると不思議とさっきまで悩んでいたことがばかばかしくなるほど答えはすぐに出た。
「この子を連れて帰ります」
俺がそう宣言すると店主は少しほっとした表情を浮かべた。
「分かりました。では手続きと説明をしますのでこちらへ。そうそう、その子の名前ですがキャメロンといいます」
「キャメロン…これからよろしくな」
「ニコッ(*´˘`*)」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
-次の日の朝-
ピピピ ピピピ
朝からスマホに設定していた目覚ましの音で目が覚めた。
重たい体を起こし朝食の準備でもしようと伸びをしていると隣の塊が目に入る。
そういえば俺は昨日プランツドールを買ったんやった。
静かな寝息を立てながらまだすやすやと眠っている。
キャメを見ながら昨日の事を思い出す。
まさか友人の付き添いで行ったはずなのに俺の方がプランツドールを買って帰ることになるとは少し前の自分なら想像もつかなかったやろうな。
だけどプランツドールを買ったことを意外と後悔はしていなかった。
急なことで着替えとか無かったけどキャメのドール特有のきっちりした服じゃ寝苦しいかもと昨日はとりあえず俺には少し小さめの服を着せて寝かせたがキャメには少しぶかぶかでそんな姿がかわいく思えて仕方ない。
それにしても綺麗な髪色をしているなとキャメの髪を軽くなでているとさっきまで閉じていた瞼がゆっくり開いた。
「すまん。起こしてもうたな」
俺が申し訳なさそうに謝るとキャメは目を擦りながらゆっくりと起き上がり首を横に振ると
「おはよう」というように微笑んだ。
それから朝食の準備をしにキッチンへ向かった。
俺にはパンをキャメには温かいミルクを準備する。
「気いつけて飲むんやで」
子供のキャメには少し大きいであろうマグカップを目の前に置くと両手でしっかりと持ち飲み始めた。
「キャメ用のカップも買いに行かんとな。
なぁキャメ。今日は一緒に買い物行かへん?」
「?」
「俺から一緒に住むんやからいろいろ買い揃えんとあかんやん?」
せっかくならキャメの物もたくさん買おうと近くのショッピングモールに向かった。
多分ずっと眠っていたキャメにとってここは初めて見るものだらけなのだろう。
入った瞬間からずっと目をキラキラと輝かせ周りを見渡している。
「キャメ、迷子になったら困るから手を繋いどこうな」
「コクッ(* . .))」
それから俺らは雑貨店や服屋を周った。
「あと必要なものは…ん?どうしたんキャメ」
いろんなお店があるこのショッピングモールを周っている間ずっと大人しくついてきていたキャメの足が急に止まった。
疲れてしまったんやろうかとキャメに目をやると目線の先に何かを見ているのに気付いた。
見るとそこはおもちゃ屋さんで店の前の棚に赤い猫のぬいぐるみが置いてあった。
「もしかしてあれ欲しいん?」
俺の言葉にハッとしたのかキャメは勢いよく首を横に振った。
「遠慮せんでもあれくらいなら買ったるけど?」
「……((-ω-。)(。-ω-))フルフル」
「ほんまにいいん?」
「( ´・ω・))コクコク」
遠慮せんでいいのにと思っているとキャメは早く行こうと言わんばかりに俺と繋いでいる方の手を引っ張りだした。
俺は仕方なくその場を後にして夕食の買い物をしようとモール内にあるスーパーに向かった。
無事買い物を済ませ入口近くにあった椅子に今日買った袋たちを置きふぅっと一息つく。
そして、
「そうや、ごめんキャメ俺ちょっとトイレ行ってくるからここで少し待っててくれる?
絶対知らん人に着いてったり勝手に動いたらあかんからな」
「( . .)“コク」
キャメが返事したのを確認したあと俺はそそくさとある場所へ向かった。
「お待たせ」
数分後戻ってきた俺を見てキャメは嬉しそうな顔をするとすぐに俺が持っていた袋を不思議そうに見つめた。
「これ、キャメにプレゼント。ほれ開けてみ」
キャメは俺からその袋を受け取ると中身を見るなり嬉しそうに中身を取り出した。
「それ、ほしかった奴やろ。さっきトイレ行ったついでに買ってきてん」
そう話すとキャメは嬉しかったのか俺に抱き着いてきた。
帰り道相当嬉しかったのかぬいぐるみを見つめては抱きしめてを繰り返した。
(やっぱキャメめっちゃかわええわ)
なんて親ばかみたいな感想を抱いたことは俺の中だけに留めておこう。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
キャメとの生活にも慣れてきた頃、
昼食を済ませ片付けをしようと席を立った時ピンポーンと家のチャイムが鳴った。
「はーい」
インターホンの画面越しにニキの姿を確認した俺はすぐに玄関へ向かった。
ガチャッ
「あ、ボビーやっほー」
「やっほーちゃうわ、なんやねん急にきて」
「暇だったから遊びに来た」
「遊びにって、せめて連絡入れろや」
「いいじゃん、ね?せっかく来たことだし。中入れて」
そういって半ば強引に中へ侵入してきたこいつは一緒に動画実況をしている友人の一人だがこういうところはいつも頭を抱える。
「あ、ほんとにいた!」
さも当たり前かのようにニキがリビングに入って行くと何やら声を上げた。
俺はすぐにニキたちの方へ向かい状況を確認する。
ニキと会うのが初めてだったキャメは部屋の隅で少し怯え気味に赤猫のぬいぐるみを抱きしめて縮こまっていた。
キャメは俺を見るなりぬいぐるみを抱いたまま俺の後ろに隠れた。
「ボビーほんとにプランツドール買ったんだ。最初聞いた時冗談だと思ってたわ 」
キャメをこの家に迎えてからすぐの時なんかの流れでニキたちにキャメのことを話した。
どうせいつか遊びにでも来た時会うことになると思って話してはいたがまさかこんななんの準備もしてないタイミングで来るとは思ってなかった。
「もしかしてお前それを確認したくて来たんか?」
「当然でしょ!あとお前が最近付き合い悪いから様子見に来たわけ」
そう話している間もキャメは俺のズボンをギュッと握っている。
「あ、ごめんキャメ。びっくりしたよな。
大丈夫やでこいつは俺の友達でニキって言うんよ。
他にも友達おるけどそいつらはまた今度紹介したるから」
俺がそう説明するとまだ緊張しているのか俺のズボンを握ったままではあるが少し前に出た。
それから数時間経った頃にはキャメもニキになれたのかニキの膝の上に座るようになっていた。
というよりニキが半強制的に載せているのだが…まぁ、キャメ本人が嫌がってないのでいいのだろう。
「そういやそろそろ花火大会の時期じゃね」
「そうやな。だからなんやねん」
「今年は例年以上に花火が上がるらしいしキャメに花火見せてやりたくない?」
「あー、なるほどな」
「?」
(作られてからずっとあの店の中にいたんだし当然花火なんて見たことないやろうな)
「キャメは花火みたいか?」
「?」
「この街毎年沿岸で花火大会があって夏の夜空におっきい光の花が咲くんだよ」
「!」
「お、興味ありそうな反応」
ニキの説明を聞いてキャメは目をキラキラとさせて俺を見た。
「行ってみたいんか?」
「( *・ω・))コクコク」
「そうと決まれば予定立てないとだな」
早速ニキはりぃちょたちにも連絡を入れみんなで行くことになった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
-花火大会当日-
なぜかみんなで浴衣を着ることになってキャメの分はじゅはちがキャメに似合うんじゃないかと用意してくれた子供用の浴衣を着せた。
じゅうはちの見立てがよかったのか浴衣姿のキャメをみて俺は何度か緩みそうになる口角を手で隠した。
(可愛い)
初めてショッピングモールに行った時のように 目をキラキラさせて並んだ屋台を見渡している。
こうして見るとぱっとみ普通の子供と変わらんが少し違うのはキャメはドールだから俺たちと同じような食べ物は食べれないのと話せない。
と言ってもキャメを買った店の店主は愛情を注げばドールによっては言葉を覚えるって言っていたがキャメは未だに話したことがない。ということはまだ俺の愛情が足りてないんやろうか。
りぃ「ねぇねぇ、せんせー俺ラムネ飲みたいから奢って」
俺の悩みなんて理解してないりぃちょがせがんでくる。
「は?そのくらい自分で買えや」
りぃ「 いいじゃん今日くらい」
ニ「えー、いいなぁ、ボビー俺にも奢って」
じゅ「じゃあ、せんせー私も」
「なんで俺が奢る流れになっとんねん!
せめてじゃんけんで負けたやつが全員分奢るってことにしようや」
「「「えー」」」
「俺が負けたらそん時は文句言わんから」
ニ「よーし、絶対ボビーに奢らせる」
「「「「じゃんけん、ぽん!」」」」
「…チッ、結局俺なんかい」
ニ「よし、じゃあボビーよろしく」
「たくっ、とりあえず人多いしキャメをニキたちに預けて買いに行くしかないか。キャメ悪いけどニキたちと…あれ、キャメ?」
さっきまで隣にいたはずのキャメの姿がなくなっている。
「キャメ!? 」
もしかして1人ではぐれたんか?いやこんな人が多い場所であいつが俺から離れるわけないし、もしかして
「誘拐?」
ニ「ボビーどうした?」
りぃ「あれ、そういえばキャメさんは?」
じゅ「嘘、さっきまでせんせーの隣居たよね?」
ニ「とりあえず探そう。ほらボビー行くぞ」
「あぁ」
「キャメ!どこや?」
俺がもっとちゃんと見てなかったから、きっと今頃どこかで不安がってるんはず。
「絶対見つけてやるからな」
「キャメ!キャメどこy…!」
会場の端まで来た時見覚えのある浴衣の子供が浴衣の裾を握り占めてうつむいていた。
「キャメ!」
俺が勢いよくそう呼ぶと両肩がピクッとはねて顔を上げる。
「よかった」
キャメは俺を見るなり今にも泣きだしそうな顔で俺の胸に飛び込んだ。
「ごめんなすぐに気づかんくて」
しっかりと抱きしめる俺の腕の中でキャメは首を横に振りながら俺の浴衣をギュッと握りしめた。
それからすぐニキたちに連絡を取りみんなと合流できた。
ニ「よかったな見つかって」
「ほんまにな」
りぃ「そういえばそろそろ花火が始まるし移動した方がよくない?」
じゅ「だね。せっかくなら1番見える場所で見よ」
会場からそう離れていない川沿いに移動するともう既に他の人たちはちらほら待機し始めていて俺たちは前の方のよく見てる場所を取った。
じゅ「ほんと一時はどうなるかと思ったよね」
ニ「まぁ、無事キャメさん見つかったからよかったじゃん」
「ほんま一緒探してくれてありがとな」
りぃ「そのくらい当然でしょ。俺ら友達なんだし。 ねー、キャメさん」
「……」
「キャメ?どうしたん?」
(もしかしてさっき迷子になったことまだ気にしんてんのか?)
俺はキャメを抱きあげると「もう気にせんでええんやで」と優しく声をかけた。
それでもキャメの表情はどこか晴れてないままで、どうしたものかと困っていると、微かに音がした。
「…っ」
「ん?」
「…んせー、み、けて、くれて、あ、と」
「!?」
今声がした。
まだ少し片言だが確かに聞こえたきれいな声。
「もしかしてキャメ今喋ったんか?」
ニキたちの方を見ると話していて聞こえていなかったのか驚いた様子がない。
もしかして今のは幻聴だったのかもしれないと自分を納得させようとした瞬間キャメが小さく微笑む。
「おれ、せんせー、だいすき」
もう一度聞こえたキャメのその言葉に嬉しいとかでは表せないくらい胸が熱くなった。
「キャメ、俺も…」
嬉しさと感動で震えた声になっているのも気にせず俺もキャメが好きだと言おうとした瞬間タイミングよく花火が上がった。
キャメもニキたちも花火を夢中になって見始める。
俺も不意に花火の方に目をやるが嬉しさのあまり頬を伝う雫たちのせいで視界がぼやけてあまりはっきりと見えない。
俺はちゃんとキャメに愛情をやれてたんだ。
「キャメ、俺を選んでくれてありがとう」
花火の音で聞こえないほど小さな声で俺はそう囁《ささや》いた。
END
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
いかがでしたか?
プランツドールネタ最近ハマりまくって自分でも書きたかったから書けて良かったです。
元からノベルで書くのに慣れてたけどずっとチャット形式で書いてたから久しぶりに書ける語彙力残ってて良かった〜
また機会があったらノベル版も出そうと思います。
少しでもいいと思ったらいいねとフォローよろしくお願いします!
それではまた!
コメント
5件
好きです! 発想が天才的過ぎて…! いつも読ませていただいております!