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貴方は、「死にたい」と考えた事はございますか?
私どもは、何度も、何度も、考えました。
実際、貴方も考えていたでしょう?
日本さん。
そう、夢で語りかけられ、驚き、転びそうになったのは、言うまでもない。
なぜかって?それは、貴方も分かる通り、自分の考えていることが、彼女にバレていたから。
私は、自殺する勇気もない。
だからといって、リスカ、リストカットをする勇気なんてない。
カッターを持つことにすら、手が小刻みに震えた。
自殺なんて、屋上に立つことすらも難しいのならできないだろう。
もっとも、高所に対して、恐怖を持っているが。
だから、リスカの快感なんてものは、少しも分からない。
自分の血が吹き出すのを見て、何が楽しいのか。
それは、私の人生の中で、一生の謎だろう。
私はただ、なぜ生きるのか分からず、人も助けられず、ひっそりと死んでいく。
シャボン玉を見ては、自分たち空気になって、消えてしまえばいいのに、と考えてしまう。
随分と情けない大人だ。
戦争していたお父様よりかは、随分と気の弱い子だった。
にゃぽん程、気を強く持てないし、優しさすらもない。
今の私は、お国のために、平和の為に、アメリカへ旅立っていけ、と言われても、する事はできないだろう。
にゃぽんだったら、女性だから、行けないとはいえ、
「人を、救わないと!」
と言って、旅立つだろう。
ああ、ここまで兄妹で、差が出るものなのか。
私は、しょせん、ただの引き立て役。
にゃぽんと、アメリカさんの恋を眺める、引き立て役。
恋のキューピッドにも成れず、だからといって、アメリカさんからのお手紙をわざわざ破く、悪役にもなれない。
私は別にいじめられている訳ではない。
寧ろ、とても良くして貰っている。
友達と、悪口を言う人との割合は、友達100、悪口を言う人10くらいで、ただの十分の一だ。
それでも、たった一つの悪口で、ここまで思い詰めてしまう。
友達には、明るそうに振る舞っていても、内心は、暗く、黒色に染まっている。要はネガティブだ。
良いことに、作り笑いは上手い。
余程観察眼が鋭い人ではないと、見つけられないだろう。
イギリスさん以外には。
イギリスさんは、観察眼が鋭すぎる。
それ故、心理学の講義を受けているのでしょうが。
心理学にも磨きがかかっている。
1対1で会話したら、確実に私が負ける。
それくらいには凄い。
さて、話を戻すが、こんな全ての気持ちを、見透かされたのだ。
小さな小さな、まだ十歳くらいの女の子に。
夢だから、都合の良いだけかもしれない。
でも、嬉しいような、苦しいような、言葉では表せられない感情が、心の奥に染み渡った。
その女の子は、私に一つ、提案をしてきた。
❰ねぇ、日本さん。ここで、私の変わりに、相談所、やってくれない?❱
と。その顔は、なんとも穏やかで、儚い。白い肌に夕焼けがあたり、ほんのりと頬が照らされる。
その顔を見てしまったからには、Noとはいえない。
『分かりました』
❰あら、それは良かった。顔がバレてはいけないから、仮面を持ってくるわね。年齢も変えさせて貰うわ。❱
❰今日から、貴方の此処での名は、『汐莉』ね。狐の面を貸してあげるわ。❱
❰ルールは、夕焼けがある、30分間だけ、人の相談に乗る。それだけよ。簡単でしょう?❱
❰それと、貴方が相談を聞くのは、国の相手よ。名前は教えないけど。❱
❰さ、始めましょ?貴方の晴れ舞台、眺めておくわ。❱
❰それでは、夕暮れ相談所、開催いたしました。❱
❰相談担当は、国の日本が努めさせていただきます。❱
❰それでは、歌のする方へ、おなりください。❱