何から何までド捏造なので注意!
思いの外時間がかかってしまい申し訳ありません💦
では、どうぞ……
俺には兄弟が居る
同じ母親の元に産まれた、種違いの兄弟
一つ下の弟シャオロンと、二つ下の弟ショッピ
生意気だが可愛い弟達だ。
俺達が産まれたのは酷い貧困家庭だったから、そのせいで辛い思いは沢山してきた。
ある日、俺が4つになって間も無い頃
俺達は捨てられた。
辛い暑さが薄れて、漸く命の危険が無いくらいの気温になって来たあの日
夜遅く
あの女に手を引かれ弟達と外に出た時、幼いながらに「ああ、捨てられるのか」と漠然と思った。
街灯なんて無い路地裏に取り残され、弟達の手を握ったままただボーッと突っ立っていた。年長と言えど、まともな教育さえ受けていないただの餓鬼だ。
どうすればいいのかなんて分かる筈も無かった。
とりあえず裏路地から出てみると、すぐ近くにやけに大きな建物があった。
人気こそ無いが道も建物もしっかりと手入れされていたから、ここなら誰かに見つけて貰えるだろうと思ってその建物に寄りかかるように3人で引っ付いて座り込んだ。
眠そうに目を擦る2人の背中をさすって寝かしつける。まもなくシャオロンもショッピも眠りに落ちた。
これからどうなるのか
ほんの少しの不安とどうにもならない諦念を抱えたまま、白む空から視線を落とした。
次に目が覚めたのは、温かくて清潔な毛布の中だった。
驚いて周りをキョロキョロ見渡せば、俺の両隣で弟達が気持ち良さそうに寝息を立てていた。
その事に酷く安心して、身体の力が抜けた。
ふと、『青いナニカ』が視界に映る。
「…うっ……!!?…ぇ!?」
『……』
ソレは青いヒヨコの様な生き物で、丸っこいクチバシ?と猫のようなヒゲが生えていて、頭には紺色のリボンを付けていた。
「…な、んや……おまえ…」
『……』
「しゃべられへんのか?」
意思疎通を図ろうとしても、ソレは少し表情を変えるだけで何も喋ろうとはしなかった。
「…てか……ここどこやねん…」
ぽつりと独り言を零せば、突然ガチャリと扉が開き、大柄な男が入って来た。
「あぁ、目ぇ覚めたんやね!良かったぁ」
「っ……!?」
「ごめんなぁ驚かせて。市長、とりあえず今日の分の仕事は大方終わらせて来たのでご確認お願いしますね」
『……』
「えーじゃありません!これでもかなり削ったんですよ?」
『……』
「はい、行ってらっしゃい」
その男はあのヒヨコ(?)と会話出来るのか、一通り喋った後こちらに向き直った。
「はじめまして、市長秘書を任されとるエーミール言います。そんでさっきの人(?)がこの街の市長のねこひよこさん。」
「……」
「びっくりさせてごめんなぁ……市役所の前で君らが寝とったからとりあえず保護したんやけど、御家族は居るかな?」
「…おらん……たぶん…すてられた」
「……そっかぁ……君はあの子らのお兄ちゃん?」
小さく頷くと、大きな手で頭を撫でられた。
今まで撫でられたことなんか無かったから、酷く驚いたのを憶えている。
「……!?…?」
「偉いなぁ…こんな小さいのにちゃんと弟くんら守っとったんやねぇ……よう頑張ったなぁ」
そう言って優しく撫で続けるその手が、母親のモノなんかよりずっと暖かくて
今まで無理矢理溜め込んでいた涙が溢れた。
4歳の子供らしく、声を上げてみっともないくらい泣いた。
そんな事気にしないとばかりに抱き締められ撫で続けらるから、余計に泣いた。
暫くそうしていれば、弟達が起きて来てこちらを見ていた。
「うつ?」
「にぃに?」
「ぅ”…シャオロン…ショッピぃ……ぐす…」
「だいじょーぶ?いたい?」
「……」
俺が泣いているせいか、2人も半泣きになって寄ってくる。
2人を落ち着かせる為に手を伸ばして抱きしめた。
「君達のお名前はなんて言うんかな?」
「…うつ」
「しゃぉろん!」
「う?」
「こっちはショッピ」
「ウツ君にシャオロン君にショッピ君やね!教えてくれてありがとうなぁ」
そう言うと僕ら全員の頭をわしゃっと撫でた。甘えたのシャオロンとまだまだ赤ん坊のショッピはとても嬉しそうだった。
「改めまして、エーミールと言います。これから暫くは君らの面倒見させてもらうから、かしこまらんでのんびりしててなぁ」
「えーみぃる、さん?」
「えみしゃあ!」
「…えーしゃ?」
「あぁ〜……可愛ええなぁ…トントンの小さい頃思い出すわぁ……さん付けとかせんでもええんよ〜」
その日はそのまま市役所に泊まって、3人とエーミール、そして市長らしい青いヒヨコと過ごしていた。
弟達はすっかりエーミールに懐いて、かくいう俺もかなり懐いていたんだと思う。
翌日、何故か少し疲れた様なエーミールに話があると言われ、もしかしてまた捨てられるんじゃ無いかと内心死ぬ程ビビっていた。
「あの〜…3人にね、お話あるねんけどな」
「……」
「なぁに?」
「…??」
「えーとな、3人の新しい家族のことなんやけど…市長と色々話し合ってね?」
「私の家に住むのでもええかな?」
と、言うのが今から18年前の話
それからとんとん拍子に事が進んで、エーミール…基親父に引き取られ、弟達と叔父のトントンと共に暮らす事になった。
親父は俺達兄弟に無理に父親と呼ばせようとはしなかったが、自然と年少の順にエーミールの事を父と呼ぶようになって行った。
というかショッピに関しては中学に上がるまでエーミールの事を実の父親だと思っていたらしい。
本人の性格上血縁関係が無いことを知っても、特段傷付いた様子も態度が変わることも無かったので大した事にはならなかったが。
エーミールはかなり多忙で家に居ないことも多かったが、休みの日はめいっぱい構ってくれたし、叔父のトントンも嫌な顔をせず相手をしてくれたから寂しい思いをすることもなかった。
…そもそもあの女の所にいた時の生活に比べりゃずっと恵まれていたし、文句なんかひとつも無かった。
ただ、1つ
割り切れない事があるとするなら
それは
俺が父に、エーミールに恋愛感情を持ってしまった事。
きっかけは些細な事だった。
9年前、俺が中学生になったばかりの時
それなりに大きくなって、それなりに夜更かしやらをする様になったある日
その日はリビングで深夜番組を観つつ、残業と急遽取り付けられた飲み会により帰りが遅くなったエーミールを待っていた。
深夜零時を過ぎた頃
ガチャ
「…!」
ドアが空いた音がして、小走りで玄関に向かった。
「!?…お、かえり…父さん」
「ん…?…あ!うつぅ〜…ただいまぁ」
帰ってきた父を一目見て驚いた。
普段、父は酒を飲んでもベロベロになるまでは飲まないし、身なりもキッチリしているのに
顔は火照って薄紅色に染まり、髪の毛も少し乱れていつもは無い前髪ができていた。
そして何よりいつもカッチリと着こなしているワイシャツとループタイが乱れ、鎖骨が覗いていたのだ。
それが酷く色っぽく見えて、心音がやけにうるさかった。
「ぇ……エーミール?」
「んふふ…ええ子やねぇうつ……でも、あんまり夜更かしはよぉないでぇ?」
ぎゅう、と抱き締めてきたエーミールの体温がやけに高く感じて、行き場を見失った両腕が空中に鎮座していた。
「…ふぁ……ごめ…ね、むぃ……」
「あっ!?ちょっ、まって!とりまソファまで頑張ってくれ父さん!」
そこから何とかリビングまで誘導しソファに寝かせると、エーミールはすぐ寝息を立て始める。
ソファの前で滅多に見ない父の寝顔を眺めていると、不意に訳の分からない感情が生まれて、思わずエーミールの唇をふにふにと触った。
エーミールの唇はすこしカサついていて、柔らかかった。
「…やらか……」
「…んん、……くぅ……」
義理ではあるが、俺とエーミールは親子。
それは紛れもなく自分が望んだ関係
なのに何故
何故、こんなに虚しくなるのか。
「…なに、やってんの…僕……」
今まであんなに満たされていたハズの心が、酷く渇いて行く。
(いや……気の所為や、これは)
ただ一時的な気の迷い。
まだ性に慣れていない憐れな子供の勘違いだ
そう思い込んで、数年が過ぎた。
言葉巧みに色んな女を誑かして、身体だけの浅い関係をいくつも持って
それでも、ふとした時にエーミールの影がチラついた。
数年もすれば嫌でも自覚してしまった。
自分は父親の事が『恋愛的な意味』で好きなのだと
別に女に興味が無い訳じゃない
でもやっぱり、1番はエーミールなのだ。
初恋の人の事が長く記憶に遺る様に、あの時の訳の分からない感情が頭の中に遺り続けていた。
「あ、お酒飲んでんの?」
「…おかえり親父」
「ただいまぁ」
だいぶよってるなぁ…とか言いながらセットされていた髪をぐしゃっと乱すその姿をぼーっと眺める。
「一緒に呑んでもええ?」
「ん〜…うん」
「やったぁ、ウィスキーにしよかな」
いそいそと冷蔵庫に向かうエーミールを眺めつつ、グラスの中に残った日本酒を飲み干した。
父は、エーミールは知らない。
自分の手で育てた息子が、自分に対してこんな想いを抱いている事など
元来他人の感情…特に自信に向けられる好意にはとことん鈍感な彼の事だ。マジで1ミリも知らないんだろう。
「裂きイカ食べる?」
「食べるぅ」
「はーい」
「ん〜、かんぱーい」
「乾杯」
もし、親子じゃなければ
こんな想いしなかったのだろうか。
「そいえばウツ…大学のレポート終わったん?」
「あっ進捗6割です」
「やれや!呑んどる場合ちゃうやん!?」
「ちゃうんすよぉ!」
「流石にもう留年せんでや?!」
「そんな事言ってぇ、ギリギリになったらなんだかんだ助けてくれるやんか父さん」
「う”っ…」
でも、この時間を手離したくないとも思ってしまうんだ。
ただただ普通で、極平凡な
『家族』の時間を
「……どうすりゃええねん…」
「死ぬ気で頑張るしかないやろ…」
そういう事じゃないんだが……鈍感過ぎるのも困りものだ。
…もし心の内を全て曝け出せれば、どれだけ楽だろうか。
心の隙間を埋める為の1番大きなピース
それはずっと
手に入らないまま
目の前にあるのに、どうしてこれ程遠いのか。
いつか、ちゃんと自分の想いを伝えられる日が来ると
そう信じて
「……とおさん」
「ん?」
「…いつもありがと」
「…んふふ……どーいたしまして」
臆病な僕はまた
自分の想いを隠すのだ。
ウツ 年齢22歳[ヤバシティ大学三回生]
地頭が良い為成績優秀。だが面倒臭がりな節があり遅刻や無断欠席、提出期限ブッチを繰り返している。ちなみに1回留年した。
美人ならどんな子でもOKなプレイボーイだが本命(エーミール)に対してはとことん奥手。兄弟内でもエーミールへの想いを自覚するまでの時間が長かった。
クールの皮を被ったツンデレファザコン
自分達を引き取り育ててくれた父に対して恋愛感情を持ってしまった事に罪悪感を抱いており、時々自己嫌悪に陥ってしまうがそれでも父としてのエーミールも一人の人としてのエーミールも大好き。
どんな美女との約束であろうと父を優先するしそのことに関して後悔もしない。
弟思いだが弟達のエーミールに対する想いにも勘づいている為先を越されるのではとハラハラしている。
ねこひよこ市長のファンでありねこひよこTシャツを愛用している。
好きなAVは人妻モノ
思ってたより長い!
深夜テンションで作ったガバガバ設定のせいでここまで苦しむとは…
シャオロン編大丈夫かコレ(shoem未経験)
更新遅くなったらすいません。
それでは、また次の作品で……
コメント
5件
つづき楽しみにしてます!
em父さん愛されとるなぁ…(* ´ ﹃`*) ワイもこんなお父さんに飼われたかったので、em父さん🐡一匹飼いませんか? うつくんも葛藤多き心象描写に、メッチャキュンキュンしました! 次回、shaemパート、楽しみにしています。