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もう一度、世界に音楽を

38 - 未知なる集落

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2025年05月23日

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玲央は煙の立ち上る方向へ慎重に進んだ。

太陽はすでに高く昇り、気温も上がっている。

喉の渇きが限界に近づいていた。


「……水を探さないと、まずいねぇ……」


足元の土は乾いてひび割れており、この付近には川がなさそうだ。

それでも、集落の近くなら水源がある可能性は高い。


玲央は疲れた体に鞭を打ち、歩き続けた。


——そして数時間後、森を抜けた瞬間、玲央の目に奇妙な光景が飛び込んできた。


そこには、石造りの建物が並ぶ小さな集落があった。


人の気配もある。

数人の男女が、集落の中央で何か作業をしていた。


(……文明レベルは、石神村と同じくらいかねぇ?)


石造りの建物に、簡易的な道具を使う人々。

原始的ながら、整った暮らしをしているように見える。


玲央はしばらく茂みに身を潜め、様子を窺った。


(……ここでどう動くか、だねぇ。)


突然現れて警戒されるのは避けたい。

だが、体力も限界。

このまま動けなくなれば、逆に危険になる。


玲央は深呼吸し、慎重に足を踏み出した。


「……よう。悪いけど、水を分けてもらえないかねぇ?」


静寂が走る。

集落の人々が一斉に玲央を見た。


男の一人が、警戒したように近づいてくる。


「……お前、どこから来た?」


玲央は軽く肩をすくめた。


「それが、俺にも分かんないんだよねぇ。気がついたら、ここに流れ着いてた。」


男は険しい表情を浮かべ、周囲の者と目配せをした。


「……余所者か。何か企んでるんじゃないだろうな?」


「水をもらうのに、企むも何もないさ。こっちは干からびそうなんだよねぇ。」


玲央はゆっくりと両手を上げ、敵意がないことを示した。


その時——

集落の奥から、一人の老人が現れた。


「その者を傷つけるな。」


低く響く声に、周囲の人々が道を開ける。

老人は玲央の前に立ち、鋭い目で見つめた。


「お前、名は?」


「玲央。……律野玲央だ。」


老人は目を細め、何かを考えているようだった。


「……面白い。お前を試してやろう。」


「試す?」


「余所者がこの村に入るには、信頼を得ねばならん。お前に、その覚悟があるか?」


玲央は口の端を上げた。


「……ノってきたねぇ。」


こうして、玲央はこの未知なる集落で、新たな試練に挑むことになった——。

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