テラーノベル
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【fum side】
えへへ…。照れるなぁ…..。」
俺の声が響く。
自分を落ち着かせるために笑ってみせた言葉に安心したような大森くん。
また鼓動が高鳴る。
あぁ。なんだろう。この気持ち
【omr side】
勢いのまま、
風磨くんに想いを告げてしまってから1ヶ月が経った。
今日は撮休中に作った曲のデモを
風磨くんに聴いてもらう。
連絡は最低限とっていたとはいえ、
1ヶ月間全く会っていない。
あの日、つい口から漏れてしまった言葉に
後悔の念を抱きながら、風磨くんを待つ。
タイプロが始動して忙しい筈なのに
映画も熟すなんて…。
ふわふわと芯の無い考え事をしていると
外から挨拶する声が聞こえてくる。
風磨くんだ。
楽屋のドアがノックされ開けられる。
其処にはずっと会いたかった存在。
『おはよー。大森くん、今日は宜しくね。』
明るい笑顔で話しかける風磨くんは
僕は直視できなかった。
顔が赤くならないように下唇を噛み締める。
不自然に口角が上がり過ぎないよう、細心の注意を払い
平然を装い挨拶を返す。
平然を装っている僕だが、
久しぶりに見る風磨くんに、拍動があり得ないほどに速くなっている。
あぁやっぱり、好きだ。風磨くんのこと。
今日また確かめることができた。
こんな恋、99%報われる筈無いけど
1%でも可能性があるなら信じてみたい。
そう思えた。
『ねっ、大森くん。今度の休みさぁ一緒にご飯行かない?』
風磨くんの声で現実に引き戻される。
「ごっ、ごはん…?」
『うん。』
『あ、もしかして休み取れなさそう……?』
「い、いやっ….。そう言う事じゃなくて普通に嬉しいなって……!」
「風磨くんと行ってみたかったから…」
今にも飛び跳ねたいくらい嬉しかった。
どうやっても口角は下がらず、
つい、にやけてしまう。
それから「何処にする?」とか、細かい時間も決めて
来週の火曜の夜、お食事に行く事になった。
そして今日の分の撮影は
僕の心臓は置いておき、無事に終わった。
と言っても、今日は若井と涼ちゃんに
新曲のデモを聴いてもらうため、事務所に行かなければならない。
事務所に着き、2人と顔を合わせる、とある事に気づいた。
「風磨くんにデモ聴いてもらってないっ!…。」
肝心な事を忘れていた、、。
全部の意識を今度の食事に持ってかれていた…。
「また今度聞いてもらおう…。」
まぁこれで次会う時の楽しみができたしいいかっ。
『ねぇ元貴?』
若井が話しかけてきた。
「ん?」
若『なんかさ、最近ボッとしている事多く無い?』
藤『確かに、確かに』
「えっ、そう…?」
しまった。ついつい仕事中でも風磨くんの事を考えてしまっていた。
若『うん..。 ね、もしかしてさ、気になる人でもできた?』
「ふぇっ⁉︎ そ、そんな事は無いと思うけど…」
突然の質問に声が裏返る。
若『思うって何よ笑 そして動揺し過ぎ!』
藤『….えっ…。ほんとに?』
『…遂にうちの元貴も恋したかぁ….。』
若『俺がアドバイスしたろか?』
『好きな人を堕とす方法』
藤『流石彼女持ちだわ笑』
「…….。ねぇあのさぁ、勝手に話を進めるなよ!」
「ていうか、べ、別に好きとか言ってないし..」
どうにか悟られないように自分を落ち着かせる。
若『ふぅん。なるほどねぇ笑』
『で、誰?』
「だから誰も“恋した”とか言ってないから!」
若『いや、明らかに…』
『まぁいいや。でも恋のお悩みは大先輩として乗ってやるからな!』
「はいはい….。」
ほんとに勘なのか何か知らんが鋭い奴だな、
と常々思う。
ふと涼ちゃんの方を見ると黙り込んでしまっている。
「..ん。どうした?涼ちゃん。」
藤『…あっ..。いや、何でも無いよ!元貴が恋とか何か昔思い出すなって笑….」
「はぁっ⁉︎ いや待って、、恋とかして無いしっ、む、昔って何のことだよっ..!」
僕は昔、同級生だった女の子が好きだったが想いを告げれずに
ずっと悩んでいた時期があった。
そしてそれをメンバーにずっと相談していた。今思うと結構恥ずかしい思い出である。
それを今、涼ちゃんによって掘り返されている。
藤『笑…まぁべつにいいどけど応援してるよ..』
「だからぁ、恋とかしてないし!」
2人『はいはい笑』
もう、この二人は誤魔化せないな、
と改めて考えされてしまった日だった。
するとスマホが振動した。
通知を見ると風磨くんからLINEが来ている。
内容を見ようとしてみるが、
こんなにも早く既読を付けてしまっても良いものなのか分からず、
悩んでいたが、焦ったいのは嫌なのでLINEを開いた。
【LINE】
風磨『今日はお疲れ様。』
『大森くん忙しいと思うけど、休みはちゃんととってね!』
可愛いスタンプと共に送られてきた。
嬉しさで笑みが溢れる。
でもこの気持ちはバレてはいけないと
LINEの送る文はクールにする。
大森「ありがと」
ふと送って素っ気なかったかな、と感じたので
スタンプも送っておいた。
でも、これはこれで何か変かなと不安になる。
あぁ恋愛って難しいな。
あとがき
今回は、何か中途半端であり、其処まで進展ないボテっとした回になってしまいました…。
ここからどんどん進展があったり、センシティブな内容があったり無かったり?(笑)みたいな構想はあるので
投稿頻度は少ないですがどうか気ままに見ていってください。
そしてもし良かったら、「こんな構成にして欲しい!」とか、「こんな内容がいい!」とかあったら
コメ欄で教えてくださると嬉しいです!
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